井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

メン魂一擲/斎藤式演奏法

2011-10-24 00:17:25 | ヴァイオリン

ポピュラー系の作曲の本を立ち読みした。その本には「Aメロはキャッチーでなければならない」とあった。「キャッチーであるとは、覚えやすいということ」だと説明してあった。なるほど。

四大ヴァイオリン協奏曲のテーマは、どれもシンプルで覚えやすい。キャッチーである。これをキャッチーに弾ければ問題はないのだが、実際には弾けない人が結構いる。

筆者にしてみれば、これは当然だと思っている。なぜならば我々は日本人だからだ。気持ちを入れれば歌える、というのは日本の歌に限ると思う。

でも、自然に歌えてしまう人がいるのも事実だ。うらやましい存在である。

しかし、師匠曰く、

歌い方を計算して歌えば、自然に歌える人よりも説得力のある音楽ができる。

おお、何と心強いお言葉! 以来、この言葉を金科玉条にして今日まで生きることになる。

では、どのように計算するのか。

いろいろやり方はあるだろうが、ここではまず斎藤秀雄先生の方法をご紹介しておこう。

まず感情を表に出す部分がある。「いやぁ、いい天気だねぇ。」

次にそれを裏付ける説明をする部分がある。「雲ひとつないし、太陽はキラキラと輝いているし」

そしてまた感情表現、「何だか嬉しいなぁ。」

その後、それを説明・・・

といった具合に、ほとんどの音楽は交互に、そのような構造になっている。あまりそうでなくても、あてはめていくと、結構あてはまってしまう、という次第。

メンデルスゾーンで言えば、最初の4小節が感情表現、次の4小節が説明部分、そして4小節がまた感情、その後説明、ということになる。

そして感情表現の部分はメロディーの山や谷を強調して歌い、説明部分では「話しているように」発音をはっきり、インテンポで表現、という訳だ。

結構使えるワザである。お試しあれ。

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