ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」よりプロローグ(カップッチッリ、ギャウロフ)

2011年01月15日 | オペラ
Cappuccilli & Ghiaurov - Simon Boccanegra -Suona Ogni Labbro


名歌手カップッチッリが初来日し、ブルガリア出身の名歌手でバスのニコライ・ギャウロフと「シモン・ボッカネグラ」を歌い、日本の聴衆を感動させたことを忘れることができない。

将来ジェノバの総督となり善政をし、人々に敬愛されたシモンは、若き日は海賊であった。身分が低いことで貴族フィエスコに相手にされず、罵倒される・・・。

当時「雷鳴」のような圧倒的な声量を誇った世界最高峰のバス、ギャウロフの声に対し、切々と訴えるカップッチッリ、声を抑制し、ドラマの心理に迫る歌唱は今までのイタリアオペラの名歌手とは一味違ったインテリジェンスを感じたものだった。

ブレスコントロールの素晴らしさについてきくと「元水泳選手だったから」と答えたカップッチッリ、それにしてもこの剛と柔、ふたりの名歌手の芸術は今も誰も越えられないでいる。


☆ちょっとここでKen様のコメントから、

もっとも好きなバス歌手です。もちろん好きなバス歌手は多いのですが、特別な存在です。なんというか役作りが、歴史の人物を感じるというか、、、「乱世の雄」の声がするんです。(※ニコライ・ギャウロフのこと)

カップッチッリはまさに平和と愛の理想を、もしかしたら最も陳腐で、きれいごとな理想を、男らしく、また悲しみに満ちて歌うことが出来た唯一の人です。

かれのシモンに再び触れて、私は中国と日本は戦争してはならない、むしろそれを食い止めるためあいだに立たねばならない、と心を新たにしました。


☆日本のホープとして、ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」を是非お歌い下さい。

このプロローグは若き日のシモン、海賊であり、次の場面からそれから20数年を経た総督シモンの素晴らしさが描かれています。もうかなりトシだったカップッチッリは青年の時のシモンも若々しく、そして最後の悔しさをのみこんだ苦渋の表情に驚きます。
繊細さと大胆さを併せ持った名歌手、ふたりは好対照ですが、さすがです。




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2 コメント

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ギャウロフとカップッチッリ (Ken)
2011-01-15 11:50:00
もっとも好きなバス歌手です。もちろん好きなバス歌手は多いのですが、特別な存在です。なんというか役作りが、歴史の人物を感じるというか、、、「乱世の雄」の声がするんです。

シエピの暖かく気品に満ちた包容力のある声も素晴らしいと思うのですが。

このドン・カルロでのデュエットでの掛け合いが好きです。大審問官のライモンディの爬虫類を思わせる声との対比が素晴らしいです。http://www.youtube.com/watch?v=c7oJVeFibAQ

カップッチッリはまさに平和と愛の理想を、もしかしたら最も陳腐で、きれいごとな理想を、男らしく、また悲しみに満ちて歌うことが出来た唯一の人です。

かれのシモンに再び触れて、私は中国と日本は戦争してはならない、むしろそれを食い止めるためあいだに立たねばならない、と心を新たにしました。

関係ないけどドミンゴのシモンの映像を観ましたが、発声は素晴らしいのですが、大きな違和感を覚えました。ハリウッド映画の「愛と平和」は「シモン・ボッカネグラ」とは関係ないと私は考えます。
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ありがとうございます♪ (Ken様ヘ   ベッラ)
2011-01-15 15:44:01
名演奏はいつも新鮮ですね。
私も何度も聴くたびに想いを新たにします。
ギャウロフの声は圧倒的、おっしゃるようにたった一声でも「乱世の雄」です。
ドキドキする迫力です。

カップッチッリは、まともにギャウロフと声をはりあっていません。
彼はよりソフトに語りかけます。
この時のカップッチッリに私は感動してしまいました。大貴族であるフイエスコ(ギャウロフが歌う)に、あらん限りの面罵を受けながら、
耐えしのび、・・・そして20数年後の総督シモンの大きさにつながっていくように思いました。
偉大な名演でした。
☆本文にエッセンスを載せさせて頂きました。
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