〈4万5000人のリハビリ難民〉
河北新報に、「リハビリ日数制限から1年 治療求めさまよう患者」という記事が掲載された。昨日「Yahoo!ニュース」の国内トピックス欄に上げられていたので、読まれた方も多いと思う(私も河北新報を取っているわけではなく、むろんそこで発見した)。記事の一部を、次に引用してみる。
【医療制度改革の一環として、厚生労働省が昨年4月、保険診療で受けられるリハビリに日数制限を導入した。ところが、日数制限後、リハビリ継続が必要な患者の受け皿となる訪問リハビリや病院外施設の整備、専門職の育成が進んでいない。このため、「リハビリ難民」とも呼ばれる患者が生まれ、治療打ち切りに対する不安や悲痛な叫びが広がっている。(中略)厚生労働省が、リハビリ患者の受け皿とみていた介護保険適用のリハビリサービスは、認知症予防や自宅に引きこもりがちな高齢者のレクリエーションが中心だ。「身体機能の回復を目指すものになっていない」と指摘する関係者は多い。(以下略)】
同記事によれば、リハビリを打ち切られた患者は全国で推計4万5000人にのぼるという(全国保険医団体連合会の昨年9~11月の調査)。
昨年、「リハビリテーション診療報酬改定を考える会」(※注)が署名運動を展開した。それに応じて、多くのブロガーが署名の呼びかけをおこなったことも、まだ記憶に新しい。そして44万人の署名が集まり、6月30日に厚生労働省に提出されたのだが、それから250日近くを経ても未だに厚労相は知らぬ顔である。
※注/上記の会のHPには、打ち切り被害実例の報告や、患者・家族・医療関係者のメッセージなども寄せられている。
〈75歳以上の高齢者を分離する医療制度〉
リハビリ日数制限の話を考えている最中に、ふと思い出したのは2008年度から導入されることに決まった「後期高齢者医療(保険)制度」。75歳以上の高齢者を独立した健康保険に加入させる仕組みである(むろん、それまで加入していた国民健保などは脱退)。保険料は年金などからの天引きで、厚労省の試算によると月額平均6200円ほどになるそうだ。
この制度は「医療制度改革」(!)の一環としてかなり前から検案されていたもので、政府・与党社会保障改革協議会の「医療制度改革大綱」によれば、「高齢者自らが負担能力に応じて保険料の負担をすることを基本としつつ、保険制度間の公平な負担が確保されることを目指す」ものであるという。
大雑把な言い方をすれば、医療を受ける人達の中では高齢者、特に後期高齢者と呼ばれる75歳以上の人達の割合が非常に高い。そんなのは不公平だから、彼らは彼らで別の保険制度を使ってもらおうぜ、ということである。
しかも、である。厚労省は後期高齢者医療制度において、「定額制」を中心とする方針を固めているという。 定額制というのは、病気の種類によって決められた額だけ払うというもの。ちなみに現在の診療報酬は診察や投薬などの診療行為を加算していく「出来高制」が中心で、ごく一部に「定額制」が採用されている。
定額制にすれば、大して必要のない薬まで出したりしなくなるので医療費の抑制に効果があるし、「薬漬け」が無くなるから患者にとっても大いに結構、と言われている。それはある意味で正論なのだが、問題はそれは「どんな考え方を背景にして(またはどんな考え方と結びついて)出て来たのか」である。
意見というのは、何でもそうだ。たとえば「信仰の自由は保障されるべきだ」というのは誰が聞いても納得できる正論である(納得できない人もいると思うが、まあ大多数は納得すると思う)。でも、それを「首相が靖国神社に参拝するのも信仰の自由。とやかく言う筋合いはない」という話と結びつけて語られると、ちょっと待てよと言わざるを得ない。
うーん、たとえがちょっと変かも知れない。ではこんなたとえはどうだろう。「健康管理は大切。自分の体は自分で守らなきゃね」というのは、ほとんどの人が頷くであろう正論。でも、「生活習慣病になるのは本人が悪い。自己責任なんだから、そんな病人の医療費を保険でまかなう必要はない」と思っている人が言うのと、「健康管理は大切だが、どんな病気でも、誰もが罹患する可能性はある。第一、生活に追われている人ほど健康管理だって困難なのだ。メタボリック・シンドロームだって、職業性ストレスの高い人は平均の2倍だと言うし。病気になった時は、皆で支え合うべきなのだ」と思っている人が言うのとでは全然違う。(ついでだがこのあたりの話を2月6日のエントリにも書いた)
〈病人や老人はお荷物なのか〉
これも変かもしれないが、言いたいことは何となくおわかりいただけただろうか。私は厚労省が後期高齢者の医療を定額制にしたがっているのは、ひとえに「安上がりにしたいから」だと思っている。多くの方が既に言われたり、新聞などでも書かれたりしているはずだが、定額制にすれば、病院側はその範囲内でなるべく安上がりにしようとするのは火を見るより明らか。むろん良心的な病院(や医療者)は大勢いると思うけれども、いくら良心的でも、自腹を切ってまで治療に当たることはできまい。いや、たまにはそういうこともあるだろうが……自腹切ってばかりでは病院が潰れてしまう。
要するに、国にとって後期高齢者は「お荷物」なのだな。いや、金と社会的地位があり、さらに政府を支持してくれる後期高齢者は別だろうが。厚労省は、さすが「産む機械」うんぬんと豪語した大臣をトップに抱く官庁だけある。子供作りにも労働にも役立たなくなった(兵士にも役立ちませんね)お荷物には、あまり長く生きて欲しくないのだろう。リハビリ日数を制限したのも、本当はリハビリテーションの必要な人達は「国家のお荷物」だと思っているからだ。
誰だって障害を持つ可能性はあるし、生きていれば間違いなく1つずつ年を取る。そして高齢者になれば、誰だってあちこち故障が出てくるのは当然の話ではないか。それを支え合うために、私達は皆がそれぞれに金を出しているのだ。ちなみに私は今のところあまり病院に行くことはなく(ちょくちょく病気はするが、たいてい2~3日寝込めば治ってしまう程度の軽い病気だ)、健康保険料は払う一方に近い。しかしそれを惜しいとか、バカらしいと思ったことは一度もない。いつか私も大きな病気をするかも知れないし、私はしなかったとしても、母や、友人達が医療を受けるかも知れない(あ、母はもういろいろと受けているのだった。近々、白内障の手術をすると言うし)。
すべての人間が、出自や性別や年齢や、そして健康状態によって差別されない国。美しい国というのは、そういう国を言う。
◇◇◇◇◇
戸倉多香子さんを応援します(民主党支持ではありませんが)。
だから,徹底的にいじめまくれば,そのうちうつ病にでもなってネットから去るに違いないというのが,彼らの憶測なんじゃないかな(笑)
残念でした。彼らが攻撃を仕掛ければ仕掛けるほど,その発言内容のキャッシュが私の自前のサーバに貯まっていくので,いずれサーバの内容を公開されたとき,彼らの両腕が後ろに回る時となります(笑)
要するに,弱い虐めをして喜んでいる,国家のお荷物だと言って福祉を切り下げろなんて威勢の良いことを言ってる連中は,その自らの発言によって滅んでいくのである。
ちなみに私は日本が「美しい国」などと思ったことは一度もない。幼少の頃に住んでた米軍の居留地,あれが日本の真の姿だと今でも思っている。日本は否定されるべき存在だったのだ。だから,天皇制も否定して,共和制となることを希望している。
幸い医療保険は大幅出超なこともあり、あまりわがこととして考えませんでした。これからも勉強させいください。
東京オリンピックとか高度経済成長だとか
戦後の気持ちを忘れた頃から
この国の人々は
大切なものを忘れてしまったのでしょうね。
明日は我が身。
自分さえよければいいという行動をすれば
自分も相手から同じ扱いを受けることになる。
いつまでも、自分が優位にいられる保障などどこにもないのに。
マザーテレサがインドの貧しい村で一軒の家を訪ねたとき、
ほんの少しのパンを手土産に持っていったのだそうです。一家全員が食べるには少ないくらいの量だったのに、そこの母親が、お隣の家にも飢えた子どもがいるからと、半分分けて持っていったそうです。
こんなに苦しい生活の中にあっても、、、。
人間というのはなんと素晴らしいものか。
彼女はそう思ったそうです。そして勇気ももらったと。
この国の大人たちは子どもたちに生きる希望も勇気も与えはしないのでしょうね。
。
そんなことも出来ない制度なら、意味ないから保険料も年金も、税金すら払わないという人がどんどん出てきますなあ。
そういった人たちに払わせるには、政府がきちんとした説明が出来る政策を実現しているかどうか問題とされるべきですね。
日本の近辺に限ってみても、北朝鮮やロシアで餓死していく人々を知らないわけではないでしょう。中共も政策に従わないウイグルやチベットの住人を虐殺しつづけています。この世界で日本のように福祉の充実した国はごく一部であり、日本の外には悲惨な光景が日常的に広がっています。
まず我々は、日本政府はもとより万能ではなく、この世界も楽園ではないということに気づかなければいけないと思います。そして政府を頼れない場合もあるのだということを、我々は覚悟しておかなければなりません。
政府があなたたちが主張する『権利』を認めることはないでしょうが、被害者意識を捨て去り、前向きに生きてくださることを望みます。
つまり,way さんがいう「被害者意識」はそのまま「国への隷属を命じる殺人者」のたわごとだと定義することが可能なのです.このような人間に「前向きに」など言われるくらいなら,中国にでも亡命した方が,まだ「前向きな人生を送られる」可能性が増えるんじゃないだろうか.
お金を稼げなくなった人もこの国の大切な人々。
あなたより少し先に生まれてきた、あなたの暮らす社会を築いてきた人々なのですよ。
いろいろな事情でお金を稼ぐことのできない人々。
あなたの作った品物を買ってくれる消費者なのですよ。
年金も保険も教育も、美しい国のための必要条件です。
国家、民主主義、権利、人権、主権、これらは明治維新後、先人たちが作り出した言葉です。
彼らが考えた美しい国とはどんな国であったのか、よくお考えになることです、現政府の皆さん。
患者は病気を創作もしくは既に罹患している病気を殊更に重症であるように誇張し、病院に通院・入院する。一つの病気の問題が解決、虚偽が見破られたり、小康状態に陥ると更に新たな病気を作り出す。重篤な患者と見せかける為に自傷行為や検査検体のすり替え、偽造工作と言ったものを繰り返し行うことがある。
患者はケガや病気という口実を利用して周囲の人間関係を操作することを目的にして、同情をかったり、 懸命に病気と闘っている姿を誇示する。また、病気に関わる事、関わらない事に関係なく独特の世界を作り上げるエピソードを創作する空想虚言癖を伴う事が多い。患者のエピソードによる病歴は多彩であり、多種多様な既往歴を話す事が多い。ただしそのエピソードや時期に関しては曖昧な事が多く、時期や内容も話す相手によって異なる事が多い。
んで,医学書でなく,単なる百科事典(恐らく Wiki か何かの権威がないものだろうな)をべたべたとこの時間帯に貼り付けている,ろくでなしが上の lunatic さんです.
他にも http://matuchan.blog.ocn.ne.jp/ocnt2pisqlf46s4/2007/03/__966f.html#comment-5290225 を参照のこと.
こういうろくでなしが「美しい日本」を作るのだな.あぁ,目出度いこっちゃねん.