華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

今年の暴言大賞「しょうがない」――UTSコラム再掲

2007-12-31 20:12:25 | 雑感(貧しけれども思索の道程)

 

 わっ、おおみそかだ。Under the Sun のコラムを再掲して、今年の締めくくりとします。

◇◇◇◇◇

 この国の政治家共は始終暴言を吐いておりますが、今年は特にそれが目立った気がする。今年というより、おそらくここ何年か、右上がりに増えてきたということだろうか。

 今年、誰でもすぐ思い出すものを2,3挙げると……たとえば、久間防衛相原の「しょうがない」。なにィ? 原爆を落とされたのはしょうがないって? おっさん、何考えてんねん(失礼。母親が遊びに……というか大掃除しに来ているもんで、つられて関西弁になりました)。ほかにも麻生外相の「アルツハイマー」うんぬん、柳沢厚労相の「産む機械」、……枚挙にいとまがないとはこのことである。

 どれを選ぶか迷うほどだが、やっぱりこれですか。久間防衛相の「しょうがない」。

 ――続きはこちら

 

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息苦しい国――ビラ配り有罪判決

2007-12-24 23:57:27 | 雑感(貧しけれども思索の道程)

 

 もう2週間ほど前の話だが……「政党ビラ配り事件有罪判決」。そう、マンションで政党ビラを配った荒川さんという人が住居侵入罪で逮捕され、一審は無罪だったが二審でひっくり返り、有罪になった事件である。

 この事件については、むろん、既に大勢のブロガーが書いておられる。だからあらためて書くのもナンだよな、という気もしないではないが……このところ気になっている問題の一つなので、やっぱり書き留めておくことにしよう。 

 私自身の復習のために簡単に振り返っておくと、被告の荒川さんは2004年12月に、東京都荒川区のマンションで各戸のポストにビラ(共産党の区議団だよりなど)を投函しているところを、住民に通報されて逮捕されたのだそうだ。被告側は「ビラ配布目的での立ち入りを処罰することは、表現の自由を保障した憲法に違反する」として無罪を主張。だが、東京高裁の池田裁判長は「表現の自由は絶対的に保障されるものではない。思想を外部に発表する手段であっても、他人の財産権を侵害することは許されない」とし、この主張を退けたという。

◇◇◇◇◇

 さて……このニュースに接した時に真っ先に浮かんだ感想は、「ヤレヤレ、何とまぁ」である。腐りかけた牛乳をうっかり飲んでしまったような、イヤ~な感覚が神経のどこかを走った。

 この判決について、「共産党の活動、あるいは現政権に異議をとなえる運動に対する弾圧である」という見方がある。基本的には、私もその通りであろうと思う。以前、東京都立川市の自衛隊宿舎における「イラク派兵反対」のビラ配り活動も、住居侵入罪で起訴された。国家権力は、目障りな対象を封じ込め、反社会的というレッテルを貼るためには、なりふりかまわない。

◇◇◇◇◇

 ……ということを前提に置いた上で、私はいま、少し違うことを考えている。「公共の福祉とは何だろう」。自由を制限するとき、公共の福祉という言葉があたかも葵の印籠のように振りかざされる。

◇◇◇◇◇

 いったん今回の事件に帰ってみると、私は「各戸のポストにビラを投函する」という行為が迷惑であるとか、ましてや財産権の侵害になるなどという理屈がどうしても納得できないのである。私自身もいわゆるマンション住まいであるけれども、共有廊下を誰が通ろうと、プライバシーや財産権が侵害されたなどとはつゆも思わない。ビラを投函されただけで侵害されるプライバシーや財産権とは、何と脆弱なものであることか。あほらしくてヘソが茶を沸かす。

 1階に全戸分まとめてズラリと並んだ郵便受けはむろんのこと、各戸の郵便受け(これは主に新聞受けなのだが)にも、毎日山のようなチラシ、ビラの類が入る。何日か出張していると、戻ったときには溢れて下に落ちていたりするほどだ。ウォシュレット取り付け工事、マンション分譲、○○ビデオ販売、ピザや弁当の宅配、学習塾……。霊園案内、なんてのも入っていたことがあって、これはさすがに驚いた。

 我が家のすぐ近くに自民党と共産党の区議が住んでいるせいか、両方の「区議会だより」も始終投函されている。もうひとつ常時入っているのが、近くの教会の……布教ビラというのだろうか、キリスト教について書いたB5版ほどのパンフレット。つい先日もクリスマス礼拝のお誘いが入った。(宗教関係といえば、ほかに時々、立正佼正会だったかのビラも入る)

 私は、すべてOKである。自民党区議団のビラだって入れていただいてかまわないし、無神論者だけれども教会の布教ビラも拒否はしない。興味があれば読む(自民党のビラも、読めばおもしろい――なるほど、こんなふうに言うのかという意味で――のである)。学習塾の案内やマンション分譲その他、ほとんど読まずに捨てるものが多く、そんな時には「資源の無駄やなぁ」とふと思ったりもするけれども、投函する自由を規制しようとはさらさら思わない。

 ビラの投函が迷惑だなんて、そりゃ嘘八百でしょ。と言って悪ければ、勘違いと言おうか。共有廊下に入ってきて扉の外でマイクで大声を上げられたら、そりゃまあ迷惑かも知れない。少なくとも迷惑に感じる人はいるだろう。私自身、徹夜明けで寝ているところだったとすれば、飛び出して「やかましいッ」と怒鳴るに違いない。でもビラが迷惑だなどと感じたことは、長い?人生でたった一度もありませぬ。

 よく考えてみたら誰も迷惑だと思わないことを、「迷惑だ」=「公共の福祉に反する」と決めつけ、規制するのはいったい誰だ。そのような規制によって守られるのは、いったい何ものだ。

 権力を握る者は、「やっちゃいけないこと」を増やすことによって人を支配する。国家でも学校でも家庭でも。その「やっちゃいけないこと」をされることで即、権力が脅かされるかどうかは、実は二の次である。何が一番の目的かといえば――

(1)「やっちゃいけないと言われたことはやりません」という素直な人々と、「なぜいけないのさ」と唇尖らせる人々を峻別できる。(2)「やっちゃいけないこと」を増やせば、総体で違反者も増える。「悪い奴」を創出して彼らに石を投げさせるのは、格好のガス抜きになる。

 息苦しい。

 規則は破られるためにあり、すべての規則は「人々の権利を守るため」にある。え? 財産権も権利だって? そりゃそうかも知れませんが(私は財産なんつうものは無いから大きなことは言えませんけど)、権利にも優勢順位があると私は思う。いかなる差別も受けずに生存し、自由にものを考え、ものを言い、得体の知れないバカデカイもの(国家というのがその代表だ)に振りまわされない権利というのが、至上のものではありませんかね?

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いつのまにやら今年もどん詰まり

2007-12-18 23:58:07 | 雑感(貧しけれども思索の道程)

 えっ、もう12月!?とうろたえている間に、今年もあと2週間足らずになってしまった。それにしても今年はほんとに(個人的に)無茶苦茶せわしない年だったなぁ……。
仕事で振りまわされるのが一段落したら、身近で葬式なんぞがあるし。新テロ法案、ビラ撒き有罪判決、こども戦略会議、薬害肝炎、etc,etc,etc,…… 自分の中で整理しておきたい課題は山のようにあるのだが、このところまともにメモ書きもしていない。何か、宿題をためた小学生のような気分である。

 メモはぼちぼち思い出しながら書き留めることにして……

 先月、(財)日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」を発表した。2007年の漢字は「偽」だそうである。思わず笑ってしまいますネ。でも、これって「今年の」漢字なのだろうか。現代日本を象徴する漢字、じゃないだろうか。

 「偽」といえば賞味期限偽装など随分騒がれたけれど、そんなもの、考えてみれば大した話じゃあない(いや、賞味期限を偽るのがいいと言ってるわけではありませんよ。念のため)。もっともっと根深い「偽り」が、この国の根っこを腐らせている。いわゆる新テロ法案でも、いったい誰のためのものなのか。国民のためだと政府は言うけれども、落ち着いて考えてみれば「ちょっと待てよ」。

 我々はいったいいつまで、猫なで声のおためごかしに騙されて、肩をすぼめていなければいけないのだろう。

◇◇◇余談

『ビューティー・クイーン・オブ・リナーン』を観に行った。久しぶりの観劇である。主演の白石加代子と大竹しのぶはどちらも癖のある役者で私は好きだし、作者のマーティン・マクドナーにも興味があったので観に行きたく、先月チケットを取っておいたのだ。本当に行けるかどうか不安もあったのだが、何とか時間が作れてよかった……。劇の枠組みだけを言うならば親子のすさまじい相克を描いた喜劇(悲劇、というべきか?)だけれど、舞台であるアイルランドがイングランドから受けている差別、イングランドに対する憎悪、閉塞状況を抜け出すことに対する激しい欲望等々が隅々まで漲り、筋立てとはまた違った世界が二重写し三重写しになっていたように思う。小説であれ劇であれ、すぐれた作品はこんなふうに何重もの構造になる。そして読み手や観客に、否応なく心の何処かの部分で痛みを強いる。痛むことは生きている証であり、痛むことをやめてはいけないのだと――不意に思ったりする。 

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守屋のオッサン、悪いに決まってるけど

2007-12-04 23:47:22 | ムルのコーナー

 ゴミ置き場の隅っこで野良猫ムルが丸まっているところに、トマシーナがひょっこり顔を覗かせた(※)。

トマ「兄貴、おっひさしぶりぃ~。」

ムル「ん? ああ、トマ公かよ……」

トマ「そんなとこで、なにしんみりしてるのさ。」

ムル「しんみりしてるわけじゃねぇよ。もう寒くて寒くて。せめて風を除けてるんじゃねぇか」

トマ「兄貴ったら、じじむさいなあ。そんな年じゃないでしょ?」

ムル「うるせぇやい。猫は寒がりなのっ。猫はコタツで丸くなる、って言うじゃんか」

トマ「コタツってなーに?」

ムル「げっ……最近のガキはコタツを知らねぇのかよ……。ま、いいや。ほんと久しぶりだよな。元気だったかい」

トマ「うん。まぁね。華氏がバタバタしてるもんで、ご飯食べたり食べなかったりだったけど。それはそれとしてさぁ、人間の世の中って、ほんとヘンだよね」

ムル「な、なんだよ、いきなり。人間の世界のケッタイさなんて、別に昨日今日始まったことじゃねぇだろうが」

トマ「そりゃそうかも知れないけどさ、変だなぁって思うことが、どんどん溜まってくるんだよね」

ムル「いっちょまえなこと言いやがるなぁ。で、いったいどういうことが変なんだよ、おまえから見てさ」

トマ「だからさ、いっぱいあるけど……たとえばさぁ、最近ていうか、ちょっと前から、新聞とか毎日『守屋、守屋』じゃん?」

ムル「ああ、防衛汚職ってやつか。で、それのどこが引っかかるってんだよ」

トマ「うーん。いや、もちろん守屋ってオッサンはひどいなあ、ろくでもない奴だなあ、って思うよ、僕だって。て言うか、人間て汚いことするんだなあという典型だよね。僕ら猫世界じゃあ、考えられないことじゃん?」

ムル「ま、そうだよな。猫に賄賂はねぇもんな。賄賂ってのは、権力ふるえる奴がいて、そいつに取り入ったらズルイことができる、っていう世界でしか成り立たねぇもんなあ」

トマ「でしょ? ああいう話が出てくるっていうのは、人間の世界がそういうズルが出来る構造になってるってことじゃん。その辺の……根本って言うの? オオモトのとこをダメじゃんって言わなきゃいけないのに、たまたま守屋っていう汚いオッサンがいて、山田洋行だっけ、ズルイことすうる会社があって、あいつら悪い奴ですよね~見たいなことで終わってるんじゃないかって、僕はそんな気がするの」

ムル「おまえの言ってることは混線してよくわかんねぇけどさあ……つまり、悪いのは守屋というオッサンと山田洋行っていう会社だけヨ、みたいな雰囲気が気にくわねぇってわけかい?」

トマ「気に食わないってのとも、ちょっと違うけど。そりゃさ、何度も言うけど、あのオッサンもあの会社も悪いのは確かだよ。弁護の余地ないよ。ただね、僕はさ、あのオッサンもあの会社も、『表に現れた汚いもの』なんだなって気がするわけ。やったことは徹底的にダメって言わなきゃいけないけど、個的な悪事で終わらせちゃいけないんじゃないかなあ」

ムル「おまえの言ってること、ますますわからなくなってきたぜ。……ほんともう、おまえは語彙が乏しいからなぁ」

トマ「ほっといてよ~~。モノゴトを自分の血肉になってもいないむつかしい高尚な言葉で説明してみせるなんざ、恥ずかしいことだって兄貴もいつも言ってるじゃんか。僕はこれで精一杯なのっ」

ムル「わかったわかった……続けろよ」

トマ「あのさ。悪い部分を切りました、だから残ったところは綺麗ですって、そういう話はよくあるじゃん? 全体が腐ってるんじゃないかって何となく感じたりする時って、特にそういうことがあると思わない?」 

ムル「うん……ま、変な言い方すれば、すごくいい事件だったかもな。ひでぇ役人がいたってのは政府にとってマイナスだけど、それをしっかり摘発しました、反省もしましたってことになれば、善男善女は安心するわな」

トマ「福田さん、いいヒトだね、って?」

ムル「おまえは単純だなあ……ま、そこまで単純じゃねぇだろうけどさ。マイナスをプラスに転化できるかどうかというのは、ひとつの勝負所だよな」

トマ「それにさぁ、今、すっごく気になることって、防衛汚職だけじゃないじゃん? 新テロ法案とか、人間が気にしたほうがいいことって、いっぱいあるじゃない。それが霞んじゃうんじゃないかなぁ、とかも僕は思うわけ」

ムル「新テロ法案とかに特別に敏感にならなきゃいけない、というわけでもないとおいらは思うがね。それこそ個別の課題に振りまわされることになっちまうだろ。何がよくて何が悪いのか、生きるってどういうことか、何を目指すのか、生き物のモラルって何だろ、……とかその他何でもいいけど、本質的なことというのは多分、どういう問題を通してでも考えられるとおいらは思う。防衛汚職も新テロ法案も知らなくても……いやまあ、知ってるほうがいいに決まってるけどよ、それはモノゴトを判断するには情報は多いにこしたことないっていう話でさ」

トマ「うん?……」

ムル「テレビ観ない新聞読まない、今の総理大臣の顔も名前も知らない、ケータイ持ってない、パソコン使えない、難しい本読むとすぐ眠くなるなんつーバアサンでもさ」

トマ「きゃはっ。華氏のおっかさんだ~」

ムル「バカ、話を逸らすなっての。ともかくそういう状態でも、日常のホントちっぽけなことから、本質を見通したりするのさ。今の日本の人間って、情報追うのでいっぱいいっぱいなんじゃないかなぁ、なんて気もすンだよなぁ……」

トマ「話の筋道が変わってきちゃったけど、たしかにその辺も考えちゃうよね。続きは明日」

ムル「ま、明日か明後日か……そのうちに、な」

※トマ=都の東北を縄張りとする年齢不詳のボス猫。トマシーナ=華氏宅の居候で、ムルの腰巾着。通称トマ。

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