教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ロータリーキーホルダー の わびさび

2009-06-26 06:35:53 | 科学
ロータリーキーホルダーというキーホルダーがある。
ロータリーエンジン絡みのグッズである。

ネットをウロウロすると2種類存在するようだが、わたしの持っているものは△型をしたローターがキーホルダーになっているヤツだ。
(もう1方のは、ローター+ギヤ+ハウジングになっていてグルグル回るらしい)

こいつはただのキーホルダーのくせして1600円くらいするリッチ(?)なアイテムである。
けど躊躇せず買ってしまったわけだが。
別にそれだけなら「はあそうですか」という程度のことだ。

だが!

買ってしばらく使ってみてはじめて解ったことがある。
今日はそれについて書いてみたい。

まず、とりあえず勢いで買っただけなのだが、眺めてみると意外にリアルな造りになっている。

買うときは「どうせきっとプラスチックを銀色に塗装しただけだろう」くらいしか思っていなかったが、丸ごと金属でできていた。

そしてふつうのキーホルダーっぽい薄っぺらな造りではなく、ちゃんとホンモノのアスペクト比を保ったままの3次元形状をしている。
こいつは真ん中にエキセントリックシャフト(クランクシャフト相当)が通る穴が開いているとかそんなレベルのリアルさではなく、けっこう複雑だ。
よくよく見てみると、ちゃんとアペックスシール, コーナーシール, Oリングを入れる溝が彫ってあるし、ステーショナリーギヤと噛むための内歯歯車まで彫ってある。
(まあさすがに歯が彫ってあるという程度で、サイクロイド歯型だとかインボリュート歯型だとかいうところまでのモノではない)

さらに言うと、ロータリーリセス(燃焼室のへこみ)まで再現してある。
ロータリーリセスがあることは別に大したことはないように見えるかもしれないが、これは注目すべきことなのだ。
なぜなら、ロータリーリセスを再現しようとすると側面にへこみをつけなければならず、そうすると上と下という2枚セットの金型では作れなくなるからだ。
上下2枚セットの金型でいいならタイヤキを焼くように量産できるが、ふつうの観光地のみやげ物屋にあるキーホルダーはこうやってカンタンに作っていると思われるが、こいつはそうもいかない。
どうやって作るのか知らんが量産性が非常に悪いんじゃないのかな。
こいつは意外にコストがかかっているのではないだろうか。

そしてもう1つ。

買ってすぐは、こいつは銀色だった。
たぶんニッケルめっきか何かだろう。

ところが、しばらく使っているとめっきが剥げる。
めっきが剥げるというと正体がバレるみたいな悪い意味っぽいが、実はそうでもない。

色からして地肌は銅だろう。
その凸の部分から順にめっきが剥げてくる。
そして剥げたところはほんのりと赤銅色に染まってゆく。
そうすると、ホンモノのローターがエンジン内で高温で燃焼しつつ高速回転しているような、そういった過酷な環境で使われて角がすり減ったかのような、そんな妙なリアルさがにじみ出てくるのだ。

おなじ模型で例えていうならば、ガンプラの汚しのかっこ良さに近いかもしれん。
いや、使えば使うほど常に変化し続けていろんな側面を見せてくれる萩焼の湯飲みようでもある。

数学的に美しい形をしており極限まで簡素化された構造という「わび」。
ホンモノのエンジン内で使われてエージングされたかのような「さび」。

ぱっと見でかっちょいい感じはあんまりない。
しかし使いこんではじめてわかるかっこよさ。

これはなかなか隠れた逸品であると感じている。

わたしは広島のマツダミュージアムの売店で買ったのだが、気になるひとはヤフオクででも買ってみてはいかが?



追伸:

ニッケルめっきかもしれないので、金属アレルギーの気がある人は身につけないほうが良い。
そこだけ注意。


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