教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

時間のパラドックスを解決するウンチク

2009-07-04 00:08:35 | 科学
時間旅行をあつかう作品のうち最も古いものは浦島太郎なのだとか。
そして現代でも、ドラえもんをはじめ時間旅行モノはほとんど無数にあり、わりと定番に扱われるテーマでもある。

そして時間旅行モノにつきものなのはタイムパラドックスである。
ようするに
「過去を書き換えたらどうなるか?」
これにつきる。
もちろん、ホントに過去を書き換えたらどうなるかはだれにもわからない。

そこで!

いろんな作品から、過去を書き換えたらどうなるかというウンチクを思い出したかぎりリストアップし、それらを見比べてみたいと思う。
思ったよりけっこうたくさんのパターンがあるもんだね。



① 「過去は書き換えられない。なぜなら、我々は未来からの侵食を受けていない事からそれは明らかだ」

有名な物理学者のホーキンスがこんなことを言ったらしい。
うる憶えにつき文章不確か。意味はだいたいこんな感じ。

過去にさかのぼれるほどのテクノロジーがあれば、相手に気付かれずに観察することくらいできそうな気もするが・・・。



② 「過去を書き換えても、けっきょくは未来のある時点で元にもどる。だから勝手に書き換えてもぜんぜんOK!」

これは、ジャイ子と結婚する運命にあったのび太の未来をしずかちゃんと結婚するという未来に書き換えるために現れたドラえもんの理論である。
のび太がジャイ子と結婚しようがしずかちゃんと結婚しようが、けっきょくは子孫のセワシは生まれてくるらしい。

というか、そんなリクツが通るならタイムパトロールいりません。

きっと22世紀の時間法には、どういう場合は合法でどういう場合は非合法なのだとかいうガイドラインでもあるのでしょう。

もしくは、のび太は未来における超重要人物で、政府の管轄のもと特別任務を与えられたドラえもんが歴史の改変を行いに来た、そんなことは十分にありうる。
ドラえもんの最終回を勝手につくった例の同人誌のストーリーみたいに。



③ 「少しくらい過去を書き換えても関係ないよ」

大長編ドラえもん「のび太の恐竜」で、恐竜をつかまえて売り飛ばすというビジネスを展開する恐竜ハンターがこんなことを言っていたような。

なんだか、
「自然には治癒力があるから、少しくらい公害だしても関係ないよ」
とか言っていた20世紀前半のリクツに近いものが(笑)。



④ 「過去を書き換えようとしても未来人によって阻止される」

これもドラえもん。
時間犯罪者の恐竜ハンターやギガゾンビはタイムパトロールに逮捕されたよね。



⑤ 「書き換え前のツジツマにだけしか合わないものは消滅し、書き換え後のツジツマにあう世界に生まれ変わる」

またまたドラえもん。
大長編ドラえもん「のび太と鉄人兵団」で、しずかちゃんがロボット惑星メカトピアの過去を書き換えた。
そうすることで地球侵略の任を受けたリルルは消滅したが、そのかわり地球に観光にくるリルルに生まれ変わった。

それ以外にも、書き換えたら消滅するだけの設定もある。
バックトゥーザフューチャーとか。
超人預言書を燃やされたらいなかったことになるキン肉マン(王位争奪編)もそうかも?



⑥ 「過去を書き換えてツジツマが合わなくなったら宇宙が破壊される」

「・・・から、ツジツマが合うようにさらに過去を書き換えなければならない」
とする作品がある。
そして、実際にその手の作品で宇宙が破壊されたためしはない。

タイムリープというラノベとかでこの手の設定が使われた。
なにか他にもこの設定見たことがある気がする。



⑦ 「過去を覗くくらいの小さなゲートなら開けるが、モノが通れるくらいの大きなゲートは開けない」

アーサー・C・クラーク+スティーブン・バクスターの「過ぎ去りし日々の光」に出てきた設定。

だから過去に大きな干渉を与えることはできない、という設定になっている。
過去を覗くくらいとはいえ、量子力学的にもまったく粒子の交換をともなわないまま覗くことはできない。
その結果どうなったかというと・・・(あとは読んでね)。



⑧ 「質量保存の法則やエネルギー保存の法則に違反するからムリ」

スティーブン・バクスターの「タイム・シップ」に出てきた仮説。
けど、現在と過去の両方の合計では質量保存の法則やエネルギー保存の法則はなりたつので、これでOKなのだとか。



⑨ 「過去を書き換える元となった人物は、その書き換えた未来から影響を受けていた」

おなじく「タイム・シップ」に出てきた仮説。

わざと無限ループを作ってどうのこうのというお話でもある。
そして、その無限ループになった閉じた世界を理解することにより、さらにその外側にいく方法が得られるのでは? というお話でもある。



⑩ 「現在はすでに過去を書き換えたことが前提で成り立っている」

つまり、主人公が過去を書き換えることでツジツマが合うようになるというお話。
歴史の必然により、主人公が過去を書き換えるという行動以外の選択肢は存在しない。

たとえばシューティングの「レイディアントシルバーガン」とか。
壊滅的な惨状のなかにある現在をつくる原因となった過去を書き換えに過去へいったが、実は自分たちが時間旅行したことにより現在の惨状が作られたのだった・・・。

そういえばおなじシューティングの怒首領蜂シリーズでもこんな設定だったっけ?



⑪ 「過去を書き換えても自分が消滅することは無いが、そのかわり元の未来には帰れなくなる」

この設定の作品がなんかあった気がするのだけど、何だったか思い出せない・・・。



⑫ 「過去を書き換えた世界はパラレルワールドとして『それはそれ、これはこれ』として両者ともに無関係なまま存在し続け、お互いに別の未来を作っていく」

これはドラゴンボールの設定ね。



⑬ 「過去は見るだけ」

たとえば「うしおととら」なんかで。
時間旅行というより、どちらかというと夢のお告げみたいな使われ方をする。
だからSF作品にはこの使われ方は滅多にされない。

ひょっとしたら⑦に近いのかもしれんが。



⑭ 「時間の流れは直線的ではなく円環状になっている」

ニーチェ哲学より。
永遠に近いほど時が経てばまた同じ時間がやってくるという説。
かなりベタに言ってしまうと、量子力学的な全ての組み合わせを試せるくらい時間が経てば、現在と全く同じ条件が再び発生する、みたいな考え方でもある。
ふつうに過去→現在→未来という順番で考えている世界とは異なるツジツマが発生するので、それによって未来や過去がどうのこうの・・・(あんまり詳しくないので書けない(笑))。



⑮ 「書き換えに行くには大きなエネルギーが必要で、それにより現在も変化してしまう」

現在の両脇には「歴史の潮汐力」という量子力学的なエネルギー障壁があり、そのエネルギー障壁を越えるエネルギーを加えなければ過去には行けない。そしてそのエネルギーは非常に膨大であり、それだけ費やしてしまうと過去に行かなかった現在と同等ではなくなる。

これは、昔わたしの私的な作品(もちろん未公開)に使った設定なのだが、こういうのはどうでしょ?