見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

モロッコ

2011-08-16 | 本と漫画と映画とテレビ

1930年公開 アメリカ映画

監督: ジョセフ・フォン・スタンバーグ

出演: マレーネ・ディートリッヒ、ゲイリー・クーパー



急にマレーネ・ディートリッヒの出ている映画を観たくなり、
思い立ったが吉日ってことで、DVDを借りに行ってきました。


よくファッション誌などで、
時代のミューズ、ファッションアイコンとして
取り上げられているのをみかけますが、実際の出演作品は観たことなく。


マレーネ・ディートリッヒ。


Md3


美人じゃないけど美人。

なんともいえない、独特の「美」をまとった女優さんであります。



名作コーナーに置いてあった、『モロッコ』を借りました。



以下、感想。



昔観たテレビ(日曜洋画劇場かなぁ?)の中で、映画解説者の淀川長治さんが

「ダスティン・ホフマン主演の 『卒業』 いう映画は、
 怖い、怖い、怖い、お話なの。」

と語っていたんですね。

(幼少の頃の記憶のため、かなりうろ覚えですが。)


氏いわく、

映画『卒業』は、
主人公が教会から花嫁を連れ去り、バスに乗ったところで終わるため、

一見するとハッピーエンドであるが、
その後の二人の生活を考えると、手放しに祝福できない。

経済的に困窮することは想像に難くないし、
なんだかんだで、愛情はだんだん冷めるものだし・・・

二人の未来を想像すると、

『卒業』は怖いですねぇ~。恐ろしいですねぇ~。


って、確かこんなようなことを述べていた。
・・・と思う。

(記憶違いだったらごめんなさい。)



で、『モロッコ』を観終わった第一印象が
まさにその、「 怖い!」だった。


だって、
手ぶらで、裸足で、あの男についてくって・・・! (ただし、ヤギが可愛い)

危険!デンジャラス!オバマ!


ねぇ、それ、その選択、ファイナルアンサー? 

確かにゲイリー・クーパーは魅力的だけど、
長い目で見たら、お金持ちさんの方が何かと安心よ?

あとで後悔しない?よく考えたほうがいいって!


砂漠に歩き出すヒロインにそう言いたくてしょうがなかった。
後を追いかけて、一言声を掛けたくなりました。


いやぁ、あのヒロインのことだから、うまく幸せにやっていくんだろうけどさ。


心理学的にも、
行動した後悔より、行動しなかった後悔のほうが強く残るっていうし。


女優の岡田嘉子さんが、寅さんの映画の中で

「人生には、ああすればよかった、という後悔と
 なぜあんなことをしてしまったのだろう、という後悔があって
 
 仮に、もう一方の選択をしていたとしても、
 きっと後悔しているんじゃないかしら。人生に後悔はつきもの。」


みたいなこと言ってたし。

役の中でのセリフだけど、
岡田嘉子の口から出ると、説得力が尋常じゃない!
って思ってすごく印象的だった。

(といっても、これもうる覚え・・・近頃、物忘れが・・・)


そんなこんなで、脳内会談も終りが近づきまして、、



ヒロインの選択、決断はあれでよかったのだ。

結局何を選択しても後悔するんだったら、やりたいことをやっとこう。

傍観者のわたしが、怖い怖い言うことではない。


という結論に達しました。



あとね、

マレーネ・ディートリッヒの衣装がめちゃくちゃ素敵。

数えてみたところ、物語の中で
10回ほど衣裳が変わるのだけれど、どれもすごい素敵。

帽子のかぶり方、スカーフの使い方、グローブ、ネックレス・・・

挙げ出すとキリがありません。



「人は芸術作品で装うか、あるいは芸術作品になるべきだ」

お洒落人、オスカー・ワイルドはそう発言したそうですが、


『モロッコ』のマレーネ・ディートリッヒの場合
芸術作品が芸術作品で装っているので、もう、なんつうか、無敵。無敵艦隊。

古伊万里の皿に盛られた三ツ星料理がまずいわけがない、っていう。
・・・なんか違う?


とにかく、よだれが止まりませんでした。




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