1930年公開 アメリカ映画
監督: ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演: マレーネ・ディートリッヒ、ゲイリー・クーパー
急にマレーネ・ディートリッヒの出ている映画を観たくなり、
思い立ったが吉日ってことで、DVDを借りに行ってきました。
よくファッション誌などで、
時代のミューズ、ファッションアイコンとして
取り上げられているのをみかけますが、実際の出演作品は観たことなく。
マレーネ・ディートリッヒ。
美人じゃないけど美人。
なんともいえない、独特の「美」をまとった女優さんであります。
名作コーナーに置いてあった、『モロッコ』を借りました。
以下、感想。
昔観たテレビ(日曜洋画劇場かなぁ?)の中で、映画解説者の淀川長治さんが
「ダスティン・ホフマン主演の 『卒業』 いう映画は、
怖い、怖い、怖い、お話なの。」
と語っていたんですね。
(幼少の頃の記憶のため、かなりうろ覚えですが。)
氏いわく、
映画『卒業』は、
主人公が教会から花嫁を連れ去り、バスに乗ったところで終わるため、
一見するとハッピーエンドであるが、
その後の二人の生活を考えると、手放しに祝福できない。
経済的に困窮することは想像に難くないし、
なんだかんだで、愛情はだんだん冷めるものだし・・・
二人の未来を想像すると、
『卒業』は怖いですねぇ~。恐ろしいですねぇ~。
って、確かこんなようなことを述べていた。
・・・と思う。
(記憶違いだったらごめんなさい。)
で、『モロッコ』を観終わった第一印象が
まさにその、「 怖い!」だった。
だって、
手ぶらで、裸足で、あの男についてくって・・・! (ただし、ヤギが可愛い)
危険!デンジャラス!オバマ!
ねぇ、それ、その選択、ファイナルアンサー?
確かにゲイリー・クーパーは魅力的だけど、
長い目で見たら、お金持ちさんの方が何かと安心よ?
あとで後悔しない?よく考えたほうがいいって!
砂漠に歩き出すヒロインにそう言いたくてしょうがなかった。
後を追いかけて、一言声を掛けたくなりました。
いやぁ、あのヒロインのことだから、うまく幸せにやっていくんだろうけどさ。
心理学的にも、
行動した後悔より、行動しなかった後悔のほうが強く残るっていうし。
女優の岡田嘉子さんが、寅さんの映画の中で
「人生には、ああすればよかった、という後悔と
なぜあんなことをしてしまったのだろう、という後悔があって
仮に、もう一方の選択をしていたとしても、
きっと後悔しているんじゃないかしら。人生に後悔はつきもの。」
みたいなこと言ってたし。
役の中でのセリフだけど、
岡田嘉子の口から出ると、説得力が尋常じゃない!
って思ってすごく印象的だった。
(といっても、これもうる覚え・・・近頃、物忘れが・・・)
そんなこんなで、脳内会談も終りが近づきまして、、
∴
ヒロインの選択、決断はあれでよかったのだ。
結局何を選択しても後悔するんだったら、やりたいことをやっとこう。
傍観者のわたしが、怖い怖い言うことではない。
という結論に達しました。
あとね、
マレーネ・ディートリッヒの衣装がめちゃくちゃ素敵。
数えてみたところ、物語の中で
10回ほど衣裳が変わるのだけれど、どれもすごい素敵。
帽子のかぶり方、スカーフの使い方、グローブ、ネックレス・・・
挙げ出すとキリがありません。
「人は芸術作品で装うか、あるいは芸術作品になるべきだ」
お洒落人、オスカー・ワイルドはそう発言したそうですが、
『モロッコ』のマレーネ・ディートリッヒの場合
芸術作品が芸術作品で装っているので、もう、なんつうか、無敵。無敵艦隊。
古伊万里の皿に盛られた三ツ星料理がまずいわけがない、っていう。
・・・なんか違う?
とにかく、よだれが止まりませんでした。
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