副題;ドナウ河岸歩き(17)
前章に引き続き.....
2.ケチケメート (Kecskemét)
ハンガリー語では山羊(ヤギ)という意味で市の旗や市章でも山羊の絵が使われているが、
市や町の名前にそのまま使われるのは、非常に珍しいことである。 明確なイワレは不明である。
市旗 市章
昔、教会を中心とした2~300人規模の7つの村がこの辺りに点在していたが、ハンガリー国王
ラヨシュ1世(1342~1382年在位)によって町としての特権が与えられ、1368年に一つの町に
合併し、交易の中心として栄え、そして市となって発展した。
オスマン帝国の支配下では、市はブダに居た総統パシャに直接、税金を支払っていた為、パシャ
からの庇護を受け、市には郊外から人も多く集まるようになり、ハンガリーの中央部で一番の
大きな都市に成長した。 現在は人口が約11万人で全国第8位の都市である。
カップ麺の大手、日清食品も2017年に工場進出して、スーパーの商品棚に定位置を確保している。
<ロケーション>
<ケチケメートの市街地マップ>
① 市庁舎 (város ház)
1892~1896年に市庁舎建築の巨匠、レヒネル・エデンの初期の作品として建てられた。
生憎の改修中で一部しか垣間見ることが出来なかった。
以下、写真はすべてOct. 12 2019 に撮影
ジョルナイの陶器瓦は市庁舎の定番のようだ。
市庁舎側面
正面ファサードの上方にあるカリヨンの鐘も閉鎖、仕方がないのでSNS画像を拝借。
② 大教会 (Nagy tempolom)
1774~1806年にバロック様式で建てられたカトリック教会。 ここも又、改修中。
自由広場 (Szabadság tér) からの大教会
③ コシュート広場 (Kossuth tér)
コシュート・ラヨシュ像の向こうにはカルヴァン派教会
右手を挙げたコシュートの像は、1848年の独立戦争(革命)の拠点となった街の市庁舎
前に立つのが常識的になっているようだ。
④ カルヴァン派教会 (Református tempolom)
1680~1684年に創建され、17世紀終りにバロック様式で再建された。
⑤ フランシスコ会聖ミクローシュ教会 (Szt. Miklós templom)
街で最も古い教会で14世紀初めに創建され、17世紀終りに再建された。
カルヴァン派教会とのコラボ。 右の建物はコダーイ音楽研究所(日本人留学生も多い)
聖ミクローシュ教会の内陣
⑥ ツィフラ宮殿 (Cifra palota)
1902年にアールヌーボー様式で建てられた、ハンガリーの有名な画家たちの絵を展示して
いるギャラリー。
手前の自由広場 (Szabadság tér) で咲き誇るペチュニアと八重ムクゲの花たち。
⑦ アートサイエンス・ハウス (Tudomány és Technika háza)
ユダヤ教のシナゴーグとして建てられた物だが、第二次世界大戦でのユダヤ人の激減で
現在は文化ホールとして使われている。
⑧ ルーテル教会 (Evangélikus templom)
1863年にロマネスク様式で建立。
⑨ カトナ・ヨージェフ劇場 (Katona József theater)
折衷様式の劇場(1896建立)と、手前に1740年に蔓延したペスト撲滅祈願の三位一体柱。
これにて「セルビアからの帰路(2)ケチケメートの街」は、お終いです。
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