撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

セルビアからの帰路(2)ケチケメートの街

2019-12-13 18:31:15 | 海外生活

副題;ドナウ河岸歩き(17)

前章に引き続き.....

2.ケチケメート (Kecskemét)

  ハンガリー語では山羊(ヤギ)という意味で市の旗や市章でも山羊の絵が使われているが、

 市や町の名前にそのまま使われるのは、非常に珍しいことである。 明確なイワレは不明である。

        

       市旗                市章

  昔、教会を中心とした2~300人規模の7つの村がこの辺りに点在していたが、ハンガリー国王

 ラヨシュ1世(1342~1382年在位)によって町としての特権が与えられ、1368年に一つの町に

 合併し、交易の中心として栄え、そして市となって発展した。

 オスマン帝国の支配下では、市はブダに居た総統パシャに直接、税金を支払っていた為、パシャ

 からの庇護を受け、市には郊外から人も多く集まるようになり、ハンガリーの中央部で一番の

 大きな都市に成長した。 現在は人口が約11万人で全国第8位の都市である。

 カップ麺の大手、日清食品も2017年に工場進出して、スーパーの商品棚に定位置を確保している。

 

<ロケーション>

 

<ケチケメートの市街地マップ>

  

 

① 市庁舎 (város ház)

  1892~1896年に市庁舎建築の巨匠、レヒネル・エデンの初期の作品として建てられた。

 生憎の改修中で一部しか垣間見ることが出来なかった。 

                      以下、写真はすべてOct. 12 2019 に撮影

   ジョルナイの陶器瓦は市庁舎の定番のようだ。

 

 市庁舎側面

 

 正面ファサードの上方にあるカリヨンの鐘も閉鎖、仕方がないのでSNS画像を拝借。

 

② 大教会 (Nagy tempolom)

 1774~1806年にバロック様式で建てられたカトリック教会。 ここも又、改修中。

  

 

 自由広場 (Szabadság tér) からの大教会

 

③ コシュート広場 (Kossuth tér)

 

  コシュート・ラヨシュ像の向こうにはカルヴァン派教会

 

  右手を挙げたコシュートの像は、1848年の独立戦争(革命)の拠点となった街の市庁舎

 前に立つのが常識的になっているようだ。

 

④ カルヴァン派教会 (Református tempolom)

 1680~1684年に創建され、17世紀終りにバロック様式で再建された。

 

 

⑤ フランシスコ会聖ミクローシュ教会 (Szt. Miklós templom)

 街で最も古い教会で14世紀初めに創建され、17世紀終りに再建された。

 

  カルヴァン派教会とのコラボ。  右の建物はコダーイ音楽研究所(日本人留学生も多い)

   

 

 聖ミクローシュ教会の内陣

 

⑥ ツィフラ宮殿 (Cifra palota) 

  1902年にアールヌーボー様式で建てられた、ハンガリーの有名な画家たちの絵を展示して

 いるギャラリー。

 手前の自由広場 (Szabadság tér) で咲き誇るペチュニアと八重ムクゲの花たち。

 

⑦ アートサイエンス・ハウス (Tudomány és Technika háza)

  ユダヤ教のシナゴーグとして建てられた物だが、第二次世界大戦でのユダヤ人の激減で

 現在は文化ホールとして使われている。

 

 

⑧ ルーテル教会 (Evangélikus templom)

 1863年にロマネスク様式で建立。

 

 

⑨ カトナ・ヨージェフ劇場 (Katona József theater)

 折衷様式の劇場(1896建立)と、手前に1740年に蔓延したペスト撲滅祈願の三位一体柱。

 

    これにて「セルビアからの帰路(2)ケチケメートの街」は、お終いです。

    本ブログへのご訪問、有難うございました。