撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

初雪とクルマ事情(2)

2019-12-06 23:26:24 | 海外生活

 初雪後、バラトン湖周辺は一気に氷点下を彷徨う天候に突入。       Dec. 04 2019

 

 霜に覆われた真っ白な世界                                                               Dec. 04 2019

 

 葡萄畑も凍える、今年の湖の氷結は早くなりそうだ            Dec. 05 2019

 

さて前章に引き継き、.....   文字がヤケクソに多くなりそう、退屈したら写真だけ見て下さい。

                                                     以下の画像はすべて Dec. 02 2019 に撮影したもの。

2.車検事情

  日本では車検制度があるということはご周知の通りで、その時期になると十数万円も掛かる

 ので、いつも頭を痛めていた記憶がある。 そしてその必要性について疑問が湧くのは自分だ

 けだろうか。 その費用の内訳を見ると、本来の検査分は1~2割位で、あとは税金を含めた

 いわゆる諸経費というやつである。

 あれは車検でなく車権(権利)を買わされているんじゃないのかと思いたくなる。

 税金なんか毎年別にしっかり取られているし、重量税なんてものが車検に入ってくるのって?

 .... この辺の事はいろいろ行政と業界で過去に物議が醸されたように記憶しているが.....


 本当に診て(検査)くれたの? と疑いたくなったことありませんでした? 車検から戻って

 来ると直ぐに何処かしら調子が悪くなって、車検に出す前の方が良かったと経験した人も多い

 のではないだろうか。

 古いオーナーさんなら知っている筈、ラジエータからの水漏れ、バッテリー上がりでクルマを

 押してエンジンを掛けたなんてことを。

 でも最近のクルマ部品って良くなりましたよ、走行距離10万キロまではメンテナンスフリー

 が実力ですから、過去の不具合なんて無くなりました。 日本の旧態依然とした車検制度も

 見直す時期に来ているのではないでしょうか。

 安倍さんだって、古い日本国憲法は時代に合わないって言っているようだし。


 ● 米国では車検制度はなく、毎年1回税金を払う時に排ガステストが義務付けられていましたが

 その費用も15ドル程度でした。 でもデメリットも当然あって、道路にはマフラーが転がって

 いたり、マフラーをブラブラさせて走る車の後ろに付いた時には、よくハラハラさせられた。

  

 ● メキシコなどは悪路が多いのでもっと酷く、タイヤ丸ごとやゴムの破片などが転がっている

 のをよく見掛けた。 どうやって帰ったのかと要らぬ心配をさせられたものだ。

 最も驚いたのはトラックの荷台に、人を載せてもよいという凄まじい法規が罷り通る車社会

 (南米)だから車検制度など無かったと思う。 要は車検は自己責任の裁量なのだろう。

 暖かい国だから、荷台の上でも寒くはないとは思うけど落っこちないかと心配ばかり。

 

 ● ハンガリーも車検制度はないが、毎年1回のディーラ保障というものがあって、保障という

 からタダかと思ったら、保証の方であってディーラでは点検マニュアルに従ったメンテナンス

 (部品交換等)で4万円位掛かります。 街の点検専門店 (Auto-Clubなんて所)でやって

 貰うと半分位の費用で済む。

 この点検というものは義務付けられている訳ではないが、車を手放す時にこれをやっているか、

 いないかで大きく価値が変わってくるので実施している人は多いと思う。

 

<カローラ>

  昭和の時代には、ずうっとトップの売り上げを誇った永遠の人気車も、2018年の統計では

 8位まで順位を下げていた。 近年の覚えられないほどの車種の多さによる喰い合いで、

 メーカーにとっては一向に腹が痛まない施策ではある。(プラットフォームの共通化という

 新生産方式を採用する方が有効らしい)

 ↑  Corolla 114LE;     直4-1.2L tubo,  6速マニュアル, 前輪駆動, 予想価格 6.2M Ft.

 1.8 Hybrid 122LE; 直4ー1.8L NT +  AC synchro motor (163nm)           7.3MFt.   

 

3.中古車事情

  車検を義務付けられていても、日本の場合は3回の車検を受けた後のクルマの査定価格は

 ゼロに近くなり、廃車にしようものなら逆に廃却代で札を貼って出さなければならなくなる。

 だったらディーラで新車に買い替えた方が有利というシステムになっているのが日本のビジ 

 ネス・モデルのようだ。

 下取りされたクルマはロシアや東南アジア市場に持って行くと、両方の国でWin-Winになる。

 なぜならハンガリーでもそうであるが中古車が高く売れる(値が落ちないのである)ので、

 先ほどのクルマの点検を受けていたという証明があった方が有利ということになる。

 

  逆にクルマ社会の西ドイツは日本と同じような中古車事情である為、15年ほど前までは

 ドイツで中古車を買ってハンガリーに持ち込むという事が流行ったが、今は法が改正されて

 メリットはなくなったと聞く。 じゃということで名義をドイツの友人にしてハンガリーで

 使うということも考えられる訳である。 多分、メキシコの中古車市場もクルマ社会の米国

 との陸続きで同様な中古車事情であるような気がする。

 

<C-HR>

 日本市場では、SUV(多目的車)部門ではトップ人気である。全体の売り上げでは12位。

 C-HR Hybrid;直4-1.8L NT engine + AC synchro moter (163Nm) 前輪駆動、8.5MFt.

 

4.車両盗難事情

  国が陸続きであるということはいろんな事が起こり得るが、クルマの盗難については最たる

 ものであろう。 日本は皆無という訳ではないが泥棒さんにとっては非常に難しい筈である。

 ヨーロッパではクルマ盗難は昔から珍しいことではなかった。(車上荒らしは別ものとして)

 昔、小生も自動車部品メーカーの技術者として盗難防止システムを考案する機会があったが、

 盗難防止装置と云っても、簡単なものではハンドルをロックする物とか、いろいろあるのだが、

 小生の場合は燃料をカットしてエンジンを掛からないようにする分野であった。

 しかし、このバトルは「イタチごっこ」で、どの手法でも最終的には泥棒さんに軍配が上がる

 結果に終わることが多かった。

 

 ● 次に示す事例は、小生が実際に経験したことで、かなりの部分で信憑性があると思う。

 小生はブダペストで会社から貸与されていたクルマを盗まれてしまった。そして警察で盗難届

 を書いている時に係官から聞いた話では、高級車(ベンツ、BMW、アウディ等)は組織ぐるみ

 (点検修理店、国境職員、泥棒団)でやっているので、国外に車を持ち出された場合は見つかる

 ことはないと、唯一の望みは燃料をハンガリー国内で給油する際にガソリンスタンドに設置して

 あるカメラに写っている可能性であるが、国外脱出までの燃料がタンク内に残っていれば、

 万事休するで100%捕まえることは出来ないと自信顔で言われたが、「本当に検挙する気がある

 のかなあ」とブダペストの警務パフォーマンスを疑いたくなった。

 高価で人気のある車を持つ場合は盗難保険に入るべきだと思う。 盗難保険自体があるなんて

 日本人には驚きだし、欧米人にとっては日本に地震保険があることを驚くと同じ感覚だろう、

 頻繁に起こり得るということにおいては。

 

 ● 米国、メキシコでは車の盗難については耳にしなかったが、むしろメキシコでは車より命の方

 を注意すべきだろう。 日本企業の進出の多い街では、車より日本人の持つおカネが狙われる

 ケースが結構あった。

 

<ヤリス (Yaris)>

  日本市場での呼び名はヴィッツで、2018年の日本市場での販売台数では9位だった。

 ↑  Yaris Hybrid; 直4-1.5L + AC synchro motor (110Nm)、前輪駆動、予想価格 5MFt

  ↓ Yaris 1.5 111LE ; 直4-1.5L NT、6速Manual shift、前輪駆動、4MFt (フォリント) 

 

<GRスープラ>

 年金生活者には最も手の届かない、似つかわしくないクルマで、このブログを閉めよう。

  直6-3.0L 直噴DOHC+Turbo engine  レーシングコンセプトカー、予想価格 18MFt

 

 昭和、平成を生き抜いてきた時代遅れの爺さんエンジニアです。 現在と違って来ている

 点もあるかも知れませんが、或る時点の、或る地域での切り口であるとご理解ください。

    

    これにて「初雪とクルマ事情(2)」は、お終いです。

    本ブログへのご訪問、有難うございました。


初雪とクルマ事情(1)

2019-12-06 04:31:42 | 海外生活

 今年の初雪は12月2日であった。 例年通りなのかな? 去年の11月19日の初雪は早過ぎ

だったのかも知れない。 今年の霜月は雨模様の日が続いたので全般的には暖冬だったのだろう。

多少の前後はあるがクリスマス前に一度、白銀のヴェールを被るのが、ここブダペスト界隈の近年

の恒例的気象傾向である。     ....以下、写真はすべてDec. 02 2019に撮影したもの

 

 自宅前の通り(9:00 a.m.)

 

  樹の枝に頑張って残っていた林檎も、あと6個になってしまった。

 

  先週の金曜日(11月29日)にM7(高速道路)90Km出口に新しいジャンクションが開通し

 ブダペストとバラトン湖がまた一層近くなった。 もはや通勤圏と言っても過言ではないかも

 知れない。                         SNS-Net の画像を拝借 

  降雪の中、予約をしていたクルマの定期点検でブダペストのカーディーラーまで行くのに、

 出来立てのジャンクションを初めて通ることになった。

 

 トヨタディーラとしてはハンガリーで最も大きいと云われている所。

  

 ここでトヨタのクルマやディーラを宣伝しようという気はサラサラなく、時たま今乗っている

クルマがこのディーラで3年前に購入したというだけの話である。

その前はライバル社の車を使っていた。 現役時代は当然ながら日本では系列会社の車が常識、

海外ではメインの取引先のクルマを会社から貸与された。 日本車はむしろ避けられていた。

厳しいクルマ戦争で、日本人が日本車では敵地で反感を煽るという考えが会社にはあったようだ。

実際、1987年に戦場と云われていたデトロイト(米国)に最初に赴任した時、TVで映し出された

米人労働者がつるはしで日本車を叩き壊すCMを見たら、現地では日本車を乗る気がしなくなった。

 

 車社会に長いこと帰属していた関係で、多くの関連会社とクルマに付き合って来たものだ。、

かつて赴任していた3つの国(米国、メキシコ、ハンガリー)でのクルマ事情について、日本と

比較しながら考える時間が、車の点検が終わるまで十分にあったので、書いてみたくなった。

 

 下書きをしていたら、自分の気にいらない悪い癖が出てしまい、文字が多過ぎてしまったので

息抜きという意味合いで、文章の途中にデモ車の画像を挿入し、2回に分けて投稿したいと思う。


<レクサス>

  この車は1989年に、あの日米自動車戦争がたけなわの時期に米国市場に、日本市場に先駆け

 投入されたのであった(日本は2005年)。    「Experience Amaging」なるスローガンで 

 メルセデス・ベンツ、BMWなどの西ドイツ製の高級車を対抗ターゲットに機能性と安全性を

 徹底的に追及した高品質の、まさに社運をかけた世界制覇を託した車両であった。 

 当時はあくまでも米国に入ってくるドイツ製高級車がターゲットあったため、アメリカへの

 風当たりも順風に変ったのかも知れない。

 1989年はあのベルリンの壁が崩壊した年であり、あれから30年、世界制覇は達成できたのか?

 1989年は又、小生の米国での赴任2年目の年であり、トヨタのグループ各社を巻き込んだ品質

 向上活動(市場不具合情報の収集と潰し込み)が盛んに展開されていたことが思い出される。

 ● ES300h;直4-2.5L int-Tubo engine + AC synch moter (202Nm)  前輪駆動 

        AC synch moter は交流同期モータでハイブリッド用。予想価格15MFt.

 

 ● RC300h;エンジンは上記と同じ+ AC synch moter (202Nm) 後輪駆動, 予想価格15MFt.

 

 ● LC500;V8-5.0L int-Tubo engine 、10速 Automatic、後輪駆動、33MFt.(フォリント)

  型式に -h が付いたハイブリッド車の展示が圧倒的に多い中で、珍しい従来型車両。

 

 一番見たかった電気自動車は一台も無かった。 街中ではナンバープレートが薄緑色なので

結構、路上では見受けるが日本への特注かも知れない。 店頭に並び出すのは何年先だろう。

トヨタの当面の戦略は、ハイブリッド車で勝負ということを何かの書籍で読んだことがある。

いずれにしても、充電スタンド、サービス体制等のインフラが整備されるまでは、まだ、まだ

先のような気がする。    (ヨーロッパ、中国メーカーはハイブリッド車で出遅れた為、

電気自動車優先方針のようだが、このクルマ戦争には当面、目が離せないだろう)

 

1.自動車道路事情

 冒頭に触れた道路事情であるが、高速道路級の道(中央分離帯で対抗しない道路)がどの位

 整備されているかで、国の豊かさの一つのバロメーターになるように思う。

 

 ● さすがアメリカは凄い、日本の高速道路級の道が無料の一般道としてどこまでも行ける。

 有料道路と言ったら、橋などを渡る時にコインを投げ入れるようなお賽銭感覚である。

 日本のような高い料金を払っていたら、ましてや広い国なので幾らになることやら。

 次に忘れてならないのがドイツで、ご存じのアウトバーンでスピードは無制限でタダ。

 

 ● メキシコの道路事情は、高速道路も少ないけど穴ポコだらけの道には参ってしまう。

 一年で数回パンクの修理またはタイヤの廃却を覚悟しなければならなかった。 

 兎に角、幹線道路にはタイヤサービス店が多く、移動タイヤ修理屋には驚いたものだ。

 電話一本で駆けつけてくれる。

 

 ● ハンガリーは東欧一の高速道路保有国である。 高速道路料金も15,000円ほど払えば

 年間何回でも利用できる(最近、改訂され1高速道路あたり、2,000円ほどになったが、

 自分の行動範囲だけ買えば良いので、トータルとして安くなったことになる。)

 

 最近のクルマには、価格を抑える為に使用頻度の少なくなったスペアタイヤがなくなったのが

標準仕様になっており、道路事情の悪い国へ行く時は要注意である。 タイヤの側面破損では

簡易パンク修理剤(標準仕様に替わりに入った)では賄い切れない恐れがある。

 

<プリウス>

  予想外にハイブリッド車の先駆車のプリウスは2階の展示場の片隅に一台だけ。

 参考に日本での売れ行き状況を調べてみたら、2018年乗用車部門の売り上げ台数は第3位

 と堅調を続けている平成のスター車であるが、ここハンガリーでは展示車種数、場所から

 SUV C-HR に押され気味のような状況であった。

 直4-1.8L non-Tubo engine + AC Sychro Motor(163Nm)、前輪駆動、8M Ft. 

 

 

         つづく!

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