撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ブラショフ・トランシルヴァニアの教会(2)

2014-06-14 07:06:47 | 海外生活

 Kerc の町(教会)を後に、更に国道1号線を東進し、中堅都市Fogaras(フォガラス)

を抜け14km程そのまま進んで、Sárkány (シャルカーニ)村を左折し、5kmほど

旧道を北上すると、Halmágy (ハルマージ)村という中央行政から過疎化されたような

人口700人ほどの村がある。 そこが今回の目的地である。

 

<百八十九番札所; ハルマージ (Halmágy) 教会>

 この地域は昔からサス人(南ドイツ)の領地であり、教会は、13世紀に3層内陣でバジリカタイプ(*)

で建立された。 1448年にオスマントルコ軍の襲撃によって、村の住民は他所に逃れ、いなくなった。

当時の村はドイツ語で “Halffenmengen” と呼ばれていたが、その後、ハンガリー人が住みつき

地名も “Halmengen-ként” 、そして1662年には “Lamágy” とハンガリー語で呼ばれるように

なった。 教会はルター派の教会であった。

 (*) 初期キリスト教会の形式で、前面壁の玄関と前庭を備え、教会内部は列柱で身廊と側廊に

     分かれている。 前回のKerc 教会(百八十八番札所)もこのタイプである。

 

 村に入る橋は崩れたまま放置され、ハンガリー統治時代の往時を偲ばせる。 向こうに教会が望める。

 

往年の石造りの橋ゲタのみは残っている。     現在使われている橋も崩れかかっている。

 

 

教会入口鐘塔(1979年に修復)                 左側が教会の建屋、右側が墓地。

  

 

 こんな地にも、あの “シッシー(*)” が祀われているとは、かつてハンガリーの地で

あったという実感が湧く。 (*)オーストリア・ハンガリー帝国時代のエリザベート皇女。

 

 

教会入口門(西側前面壁) 1260年建立。          アーチ型の玄関門はアルパート時代の遺物

 

 

 南門                                祭壇側からの教会外観、二つの丸窓はこの時代の特徴

 

 

祭壇(ゴシック様式のアーチ天井)、祭壇の反対側にハンガリー国旗が飾られている。

  

 

      聖歌隊席の下を飾る板絵(パネル)

 

 

       身廊と側廊を仕切る石柱の数々

  

 

 村の夕餉の煙が立ち上がり、往年とはさほども変わらぬ情緒なのだろう?

 

    これで、「ブラショフ・トランシルヴァニアの教会(2)」は、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」