今日訪れるZirc(ジルツ)は、Veszprém(ヴェスピレーム)県の北部に位置し、
国道82号線を北上すること20km、Bakony (バコニー)と呼ばれる山間に
ある城下町あるいは街道の宿場町であったと思う。
小麦畑に囲まれた人口約7000人のZirc の町
夏には広大な向日葵畑がハンガリーを実感させてくれる。
丘の上にBakony(バコニー)城、正式にはCsákvár(チャークバール)遺跡をみることが出来る。
城は12世紀に建てられ、1544年にオスマントルコ軍によって破壊された。
<六十二番札所; Zirc 大聖堂と修道院>
ところ; Zirc (ジルツ)の町の中心、国道82号線沿いにある。
1182年にハンガリー王ベラ3世によって建てられたといわれ、14世紀中ごろから
15世紀初めにかけ全盛を極め、ハンガリー国内の修道院の中でも、中心的、重要な
役割を果たしてきた。
しかし、1541年にオスマントルコの襲撃により、壊滅的な破壊をうけた。
1700年初期より、トルコ軍も去り、逃避していた修道士、住民も戻り始め、1733年には
修道院を、1748年には聖母マリアを祀るために、バロック様式の教会が修道院とくっ付く
形で再建された。
今日みられる教会は、1958年に改築されたものである。 高さ25mの塔は1854年に追加された。
教会入口 塔先端部
天井フレスコ画はペストの 内陣内に飾られている多くの木造彫刻は
教会画家Jóysef の作品 ローマ教皇の弟子達により整えられた。
正面の聖母マリアの絵は1754年 Maulbertsch
(マウルベルッチ)によって描かれた。
内陣入口側 説教台には、キリストの誕生、復活、降臨が示されており
1752年の作品である。
<六十三番札所; Bakonyszentlászló (バコニーセントラスロー)教会 >
ところ; Zirc (ジルツ)より更に16kmほど、国道82号線を北上し、掲示板に従い支線に入った
小さな村の中にある。
教会はプロテスタント(ルター派)の教会で13世紀に建立されたらしい。
1816年には、バロック様式で再建された。
祭壇部は外見5角形であるが内側は八角形のユニーク形状をしており、細長いスリット窓は
ロマネスク様式の典型だ。 塔の黒い5角錘形状の屋根はルター派教会の特徴。
入口の石門は、アーチ型で石柱を使った典型的なロマネスク様式が残されている。
内陣内部(祭壇側)
内陣内部(入口側)