「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    年収200万円 平成の”いざなぎ”景気

2007-09-29 05:07:08 | Weblog
国税庁がまとめた平成18年の「民間給与実態統計調査」をみて色々考え
させられた。その一つは平均給与所得200万円以下の人が全体の22・5%、
1,000万人もいることだ。平均的年金(厚生)生活者の僕でさえ、200万円以
上受給している。これでは”いざなぎ”景気が万人に実感できないのも無理
はない。

今でもよく覚えている。”いざなぎ”景気(昭和40年ー45年)のさ中、僕は転
職して月給が始めて10万円台にのった。そのころ仲間うちで”いつになった
ら月給が1,000㌦になるだろうか”と、話し合ったことも記憶している。その頃
の10万円は、1ドル360円の固定為替時代なので300ドル以下であった。

現在の変動為替の下、1ドル115円でかりに計算すると平均所得200万円は
約18,000㌦、これを月収になおすと1,500㌦になる。昭和40年代初めのサラ
リーマンが"赤ちょうちん”で安酒を飲みながら夢みていた額は、はるかにクリ
アしている。

現在は”いざなぎ”景気をしのぐ好景気だそうだが、実感はない。企業実績の
数字からみれば、そうなのだろうが家計には反映していない。年金生活者以
下の現役収入所得者が5人に1人では、かっての”いざなぎ”景気時代の3C
(カラーテレビ、クーラー、カー)の実感がないのも無理がない。”いざなぎ”
を謳歌しているのは一部の高所得層だけだ。この層も数の上では増えている
というから格差は広がるだけだ。

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2 コメント

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Unknown (fuzu-fuzu)
2007-09-30 11:26:01
私見ですが、給与所得者のバブルの崩壊です。一時のように木賃宿住まいの人間までもが中流意識を持つのがむしろ不自然で、現状が実態に即しているでしょう。何故なら、大企業は生産性に寄与できない社員はリストラしてスリムになり、無駄のない経営によって収益は上がります。一方、中小企業以下の零細・個人企業は倒産、閉鎖でそこで働いていた従業員が失業したり、パート勤務やフリ―タ―になったり、自営でモタモタしたりで、しかもそのほうの絶対数が多いから、平均所得が低くなり(パ-トの場合は、月100時間が限度ですから、1時間800円としても月8万円です),格差が広がったとなるのです。事業所そのものが消滅しているから、如何に労組でも得意の賃金闘争のしようがないのが実情です。それなら改革を元に戻すかとなるとそれも駄目で、要するに取り残された人々と言うことになり、私は酷なようでも当初から大企業に入れなかった人々、やはり選ばれなかった人々、その他大勢、ワンサボ―イと言うことになり、「能力の差」と言いたいのです。かかる状況を現象面からとらえて政治家はこれを改革による格差と称して政局化する。大きな声では言えませんが、これが今後の社会の実態ではないかと、私は見ています。
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給与所得者 (kakek)
2007-09-30 13:37:06
fuzu-fuzu さん
一生、給与所得者で過しましたが、経営者感覚にたてばご意見の通りのようだと
思います。昔から”寄らば大樹の下”といいますが、やはり、この時代でも同じかもしれませんね。
一億中流意識の時代がありましたが、あの時代は何をもって、日本人はそう感じたのでしょうか?
専門外ですが、興味があります。
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