「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       孫の作文と”綴方教室”

2007-09-28 05:47:29 | Weblog
孫の作文が区(東京)の敬老文集「おじいちゃん、おばあちゃん いつも
ありがとう」に掲載された。”じじい馬鹿”だが、なかなかよく出来ている。
内容は自分の二人のおばあちゃんに対する感謝の気持ちをすなおに表
現したものだ。僕にいわせれば、6年生にしては内容はちょっと"幼稚”
だが、それはよいだろう。時代が違うのだから仕方がない。

僕らが子供だった昭和初期”綴方教室”運動というのがあった。童話作
家、鈴木三重吉の「赤い鳥」に影響を受けて、ありのままのことを文章に
しようというものだった。東京の葛飾の小学生、豊田正子さんという小学
生が綴方(当時作文は綴方と呼ばれた)に自分の飲んだくれのブリキ職
人の父親のことを書き話題になった。昭和13年”綴方教室”は山本嘉次
郎監督で映画化され、僕も学校でこれを見に行った。

区の敬老文集をみると、大人顔負けの作文もあった。まるで”現代老人
論”である。娘に言わせると、最近の受験塾では難関校の受験指導に
”作文教室”もあるという。その影響かもしれない。起承転結ははっきり
しているが、子供らしさがない。

敬老の集いで朗読された作文はさすがによい。おばあちゃん家のゴキブリ
について書いたものだが、すなおにお年寄への感謝の気持ちが伝わって
くる。”綴方教室”は戦後、転用され柳亭痴楽の新作落語の題材にもなった
が”作文教室”はどうだろうかー。



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4 コメント

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子供にテクニック早くも不必要 (chobimame)
2007-09-28 11:39:05
お孫さん良かったですね!!

どんな作文なのか読んでみたいです。

私も小学校の時に、親の夫婦喧嘩を克明に作文にし、それが文集に載ってしまい親に怒られたことがありました。笑



そうなんです!最近は作文教室なるものに通わせてる親が多いのです。

綴り方教室とは、まったく異なる「大人に気に入られる文書テクニック」を教える場所です。

まったくバカげています。

そんな教室に行き、テクニックばかり磨きに掛かった作文は、そりゃ読みやすく大人びた文書です。

だけど、それだけです。

まるで教科書を丸写ししたような文体で、面白くもなんともありません。

年齢にあった「らしさ」というものがまったくありません。

教育にお金をかける親が増えているのでしょうが、子供を受験ロボットにしているだけで、子供らしさを奪っている気がしてなりません。

なんだか違うような気がする昨今です。
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教育 (sakura)
2007-09-28 13:17:11
お孫さんよかったですね~
私も読んでみたいです

今作文教室なんてあるんですか?驚きました
こちらは田舎なので、まだそんな教室は聞いたことないですが、もしかして私が知らないだけであるのかもしれませんね…
実は息子が、ちょっと変わり者で、型にはまれず、自分独自の世界をもっていることについて、昨日、先生に言われてしまいました 想像力豊かでとってもいいことなんですが、義務教育の中で生きていくには、もう少し、型どおりのことも術として身に付けたほうがよいかと思うというような内容でした   
ちょっと複雑な心境です
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作文教室 (kakek)
2007-09-28 13:40:31
chobimame さん
わが家でも、おばあちゃんがゴキブリ取りの名人で、嫌われていますが、作文にはされず、ほっとしています。
「作文教室」で教わっている子供の作文は電気製品のマニュアルみたいのが多いですぐわかります。
僕は子供のとき学校の宿題に出た詩を、大人の雑誌から写し、そのまま提出したことがあります。幸い選ばれなかったからよいが、今でも汗顔の至りです。
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想像力 (kakek)
2007-09-28 13:56:37
sakura さん
ごく限られた超難関校に入学するにはそうらしいです。娘の家の方針で小学生時は塾に通わせないことにしています。(経済的理由もあるのですが)だからのびのび昔のこどものように遊んでいます。
お子さん、すばらしいですね。マニュアルみたいな個性のない子供が増えています。僕らも子供のときは、お月様でウサギが餅つきをしていたと夢をはせたことがありました。
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