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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「イスラム国」の脅迫とアラブ人のプライド

2015-01-22 06:51:35 | Weblog
「アラブ人は誇り高い人たちである。自らを尊び、他人から尊重してもらうことを非常に重視する。もし他人が満足することによって自分の威信が傷つけられるようなら、自分の楽しさはなくなるだろう。アラブ人は簡単に外部に助けをもとめない」(「アラブ人の気質と性格」サニア.ハマディ著笠原佳雄訳サイマル出版)ー「イスラム国」(IS)の日本人二人への殺害警告文を読んで、アラブ人の気質の一端が理解できた気がする。安倍総理が”援助は非軍事的なもので、難民援助だ”と繰り返しいっているが、ISにとっては、日本が満足するだけで、自分たちの威信の低下にすぎないのだ。

産経新聞のコラム「透明な歳月の光」(首都圏版1月21日)に作家の曾野綾子さんが次のように書いていた。「今回のアラブ諸国で、各国に多額の経済援助を約束した。破壊されたインフラの復興や、流入する難民を受け入れた国を助けるのは大切だ。しかし、しばしばそういうお金は、相手側からは人道支援とはおもわれない。金を出すという行為は、内心やましいと思う心情の現われだから、感謝をするどころか、もっと取ってやればいい、という解釈はけっして珍しくない」

今はISが72時間とする期限に向けて人質の無事解放に向けて、折衝を続ける以外にはないが、新聞報道によれば、折衝パイプ、拠点も少ないという。安倍総理の今回の中東歴訪は外交日程は、結果的には最悪の時期になってしまったが、事前の訪問国の選定、現地情報の把握など、問題があった事は否めない。

上記「アラブ人の気質と性格」によると、アラブ人ほど、その宗教、宗教、伝統、生活方式に誇りを持つ人たちはいないという。日本人とは価値観が違う。人質解放に当たっては、くれぐれもこれを理解していただきたい。