「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

南京ユース五輪と中国の政治戦略

2014-08-03 05:36:53 | Weblog
第二回夏季ユース五輪が8月16日から28日まで中国の南京で開催されるそうだが(僕は寡聞にして知らなかった)これを前にJOC(日本オリンピック委員会)が監督会議で、参加する選手に対して(1)日中の歴史的背景を考慮して「JAPAN」のユニホームで外を歩くのは、必ずしも安全ではない。私服で歩いてもよい(2)現地の大気汚染対策としてPM2・5にも対応できるマスクを持ってゆくこと―を指示したという。そこまでして五輪に参加する意義があるのかと思いたくもなるが、IOCは前もって南京が開催地として適格かどうか五輪なみに審議したのであろうか。

ユース五輪は2007年、ジャック・ロゲIOC会長の提案で開催が決まったもので、第一回大会は2010年シンガポールで開催されている。世界の14歳から18歳までのユースが対象で、第一回大会には、世界から男女3600人が参加している。しかし、僕の記憶にはない。調べてみると、日本はこの大会で陸上は女子バイアスロンで一つ、ほかに体操、レスリング、卓球、柔道で計金メダル7個を獲得している。しかし、あまり人気種目でなかったせいか国内のマスコミは、大きく扱わなかったのではないか。

ユース五輪と銘打つており、選手にとっては次期五輪の登竜門的な大会である。また、日本にとっては2020年東京五輪の試金石だが、僕のみる限り今のところ、あまり南京ユース五輪の事は話題になっていない。この南京ユース五輪に参加する選手は当然、東京五輪の主力になると思うのだが、もっとマスコミも騒いでもよいのではないだろうか。

中国にとっては大きな宣伝の場である。205地域と国から5806人が参加する予定で、習近平国家主席が開会宣言をする。まさか、この場を政治利用して”南京虐殺”を喧伝するとは思わないが、つい最近もドイツで外交儀礼に反して、実際にあったかどうか不明な70年前の”虐殺”に触れて日本を非難している。南京には「虐殺記念館」がり、無料で観光客に開放されている。 今、南京は暑さがピークで、大気汚染も収まっていない。事故が起きなければよいのだが。