梅雨が明けた昨日、友人と東京都のシルバーパスを利用して魚藍坂のバス停で等々力
行のバスを待っていたが、1時間近くこない。おかしいなと思い、他の路線の運転手に聞
いたら三田通りのカーニバルで道路が渋滞しているからだという。それにしても何も予告
もなしに炎天下、老人を1時間も待たせるとはひどすぎる。
カーニバルとは、もともとはキリスト教の謝肉祭。復活祭の前の四旬節の肉をたつ断食の
宗教儀式で、サンバを踊る催しではない。だから、7月のこの時季のものではない。新暦
でお盆をする東京では盆踊りのシーズンだ。三田といえば江戸時代からの街である。江戸
っ子は昔からお祭り好きだが、他人に迷惑をかけるようなことはしなかったはずだ。
僕の住む街は、江戸時代は殿様が鷹狩りしたほどのド田舎だが、昨晩は昔ながらに学校
の校庭にヤグラを組んで盆踊りを催した。老妻も浴衣姿で老人会の踊りの輪に参加した。
カーニバルのサンバみたいな迫力はないが、老人から幼女まで浴衣に団扇をもって踊る姿
は良いものだ。
お盆でお迎えしたご先祖の霊も、盆踊りは楽しまれたかもしれないが、異国の異教徒の
季節はずれの他人迷惑な踊りは如何なものか。たしか慶応大学周辺は寺町だった。たか
がサンバだ。目くじらたてるのも大人げないが、公共交通機関にまで迷惑をかける催しは
いけない。主催団体の良識を疑う。