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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     土手の酸模(スカンポ)ジャワ更紗(さらさ)

2009-06-13 04:54:48 | Weblog
先日老人会の「みんなで歌おう」の集いで「酸模(スカンポ)の咲く頃」を一緒に
歌った。
        ♯ 酸模の咲く頃 作詞 北原白秋 作曲 山田耕作
                 ( 大正14年7月 「赤い鳥」
          土手の酸模 ジャワ更紗 昼は蛍がねんねする
          僕は小学尋常科 今朝もかよって またもどる
          酸模 酸模 川のふち 夏が来た来た ドレミファソ

実をいうと、東京生まれ東京育ちの僕は酸模の花を見たことはない。メロディも
どこかで聞いたことがある程度のものだが、みんなで歌うとなかな味がある。白
秋が福岡柳川で小学校尋常科(1年ー6年)に通っていた頃の想い出の歌だ。

酸模は別名スイバ(酸い葉)といい、いたどりの一種だそうだ。故郷が長野の老
妻もスイバの名は知っていて、子供の頃、酸っぱいスイバの葉や幹を食べたこと
があるという。今の季節の5月ー6月頃、淡緑色の小花をつけるが、花が実にか
わる頃赤みがかってくる。

白秋は酸模は”ジャワ更紗”と歌っているが、これは多分葉の色ではない。土手
に咲いている酸模の群集が、ジャワ更紗に似ていたからであろう。ジャワ更紗の
伝統的な色は茶色が基調の植物模様である。今、更紗はバティックの名で知ら
れているが、九州では長崎貿易を通じて江戸時代からジャワの更紗は尊重されて
いたものらしい。