「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          バターがなくても困らないが

2008-04-25 05:44:05 | Weblog
東京のスーパーなどの売場からバターが消えてからだいぶ経つ。昨日もチラシの目玉
商品につられて量販店に出かけたが、やはりバターの姿はなかった。僕ら老夫婦にと
ってバターは”必需品”ではないし、なくても困らない。でも不思議なもので、ないとなると
買いたくなるものらしい。先日、老妻は高級スーパーであまり名前もきいたことがないメー
カー品を840円で買ってきた。

バターが店頭から消え始めたのは昨年の暮ごろかららしい。生産地の牛乳あまり現象
から酪農家が生乳の生産調整をした結果、そのあおりでバターの原材料まで不足して
きたものらしい。これを大新聞が報じたため品不足に拍車がかかった。業務用の無塩
バターを大量に使う菓子メーカーには打撃だが、わが家のような年寄り家庭は代替の
マーガリンで十分だ。

問題はこれが今世界を騒がせている穀物不足による食糧危機の一環なのかどうかであ
る。途上国のセネガルやハイチでは輸入穀物の値上げで暴動が起きている。東南アジア
のタイやカンボジアでも部分的だが、同じような騒ぎが伝えられている。インドネシアでは
国民食のテンペの材料の大豆の値上がりで業者が政府に対して輸入大豆価格の値下が
りを要求している。

穀物価格の値上がりの原因は、オーストラリアの二年続きの旱魃とか米国のバイオエタノ
ール生産増によるトウモロコシの品不足など色々取沙汰されているが、これが大国のエゴ
や食糧戦略によるものでなければよいのだがー。僕ら”欲しがりません。勝つまでは”の世
代は、少々のことでは困らないが、世界的な食糧危機だけは防止しなければならない。