「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       映画「YASUKUNI」は神社にも責任

2008-04-02 06:09:43 | Weblog
靖国神社を扱った中国のドキュメンタリ映画「靖国(YASUKUNI)」が4月12日
の一般公開を前に、上映を辞退する映画館が続出しているという。ネット上
で得た情報だけだが、辞退は日本人として適切だ。映画として優れていても
宗教という心の問題に異教徒が変な踏み込み方をするのは失礼である。

この映画製作について、いくつか疑問がある。第一は靖国神社は230万人の
英霊を祀る神域である。どこの宗教でも神聖な場所での映画撮影など許して
いない。中には異教徒に対して入国の査証さえださない国もある。今回の映
画撮影にあたり、中国側から事前の許可申請があったのかどうか。許可なし
の撮影であったら無礼千万だ。

第二の最大の疑問は、歴代の総理の靖国参拝にイチャモンをつけている中
国の国営テレビ局が関係している映画に対して、文化庁の外郭団体の「日本
芸術文化振興会」が、なぜ公金の750万円も助成金を出したのかである。どう
考えてもわからない。

ネットで靖国神社の”ご神体”を「靖国刀」と紹介していた。そんな話は聞いたこ
ともない。神社に奉納している刀にすぎないのではないか。もし神社側がこれ
を”ご神体”と認めるならば、おかしい。”ご神体”は文字通り神様の代身である。
異教徒にみせるべきものではない。

靖国神社には、神社としての意識が薄いのではないか。数年前、鳥居の中の
神域で猿回し興行をやっていて問題になった。映画「YASUKUNI」を神社関係者
はみたのかどうか知らない。が、この映画を神社のPRぐらいに思っているとすれ
ば大きな誤りである。抗議すべきは抗議しなければいけない。