先日、阿智村(長野県下伊那郡)に住んでいる知人に誘われて、同村鬼ヶ久保で栽培されている赤そば(「高嶺ルビー」という品種です。)を見に行ってきました。そばは白いものだという先入観があったのですが、畑が一面に赤色に染まっていて、観賞用にもなるそばでした。遊休農地対策として栽培されていますが、育ちもよく11月頃の収穫が楽しみなようです。赤黒のインパルス・レーベルの作品。
PAUL GONSALVES (ポール・ゴンザルヴェス)
TELL IT THE WAY IT IS! (Impulse 1963年録音)
インパルスは、1960年に設立されたレコード会社で、ジョン・コルトレーンやアーチー・シェップなど当時の先進的なミュージシャンを録音したことで知られています。その他に、スイング系列のミュージシャンの作品も残されていて、これもその一枚です。これは、デューク・エリントン楽団に24年間在籍したポール・ゴンザルヴェス(ts)のリーダー作ですが、かなりモダンな味わいもあります。
メンバーは、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ジョニー・ホッジス(as)、レイ・ナンス(tp,vn)、ロルフ・エリクソン(tp)、ウォルター・ビショップJr.(p)、アーニー・シェパード(b,vo)、オシー・ジョンソン(ds)。バップ系列のウォルター・ビショップJr.(p)が参加しているのが異色ながら面白い。メンバー、曲目ともエリントン色が濃厚ですが、彼の参加で一味違ったものになっています。
曲は、ウォルター・ビショップJr.作「Tell It The Way It Is」、マーサ・エリントン作「Things Ain't What They Used To Be」(昔は良かったね)、デューク・エリントン他作「Duke's Place」、ジョニー・ホッジス作「Impulsive」と「Rapscallion In Rab's Canyon」、そしてスタンダードの「Body And Soul」(身も心も)で全6曲。メンバーからして当然ながらエリントンナンバーが目にとまります。
ポール・ゴンザルヴェス(ts)の豪快なプレイに加え、サイドメンの好演もあって掘り出し物でした。1曲目の「Tell It The Way It Is」は、意表をついてジャズロック的に始まりますが、ウォルター・ビショップJr.(p)の長尺ソロがブルージーで乗りが良く、ゴンザルヴェス(ts)らのソロも面白く一番の聴きもの。「Things Ain't What They Used To Be」や「Duke's Place」ではジョニー・ホッジス(as)らが名人芸を披露。「Body And Soul」は、ゴンザルヴェスのワンホーンで、小刻みにフレーズを積み重ねていくプレイが素晴らしい。
【阿智村鬼ヶ久保の赤そば畑】
問合せ先:阿智村商工会 電話0265-43-2241
ポール・ゴンザルヴェスはエリントニアンのなかでも好きなプレイヤーでして、このレコードは愛聴盤の1枚です。血管がプッツンしそうなジャケからは既に音が聴こえてます。ウォルター・ビショップJr.の参加でモダンな味付けになっておりますね。
ゴンザルヴェスでは、他に「Cookin'」や「Gettin' Together」も持っていますが、このTell It を最も気に入りました。
dukeさんの愛聴盤ということですが、ようやく僕は最近気合を入れて聴いたところです。インパルスのスイング物は、同レーべルの傍流と思い敬遠していたのですが、それは先入観でした。