安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ミリー・ヴァ―ノン INTRODUCING

2018-07-04 20:30:05 | ヴォーカル(L~R)

先日、上越市に出かけましたが、ごく久しぶりに、喫茶・CD販売の多田金に行こうとして前までいったら店を閉じてあって衝撃を受けました。多田金は、老舗のレコード店でコンサートの主催などもやっていただけに寂しくなりました。仕方ないので、気を取り直して近くの喫茶店「世界ノトナリ」へ入り寛ぎました。寛げるヴォーカルアルバム。

MILLI VERNON (ミリー・ヴァ―ノン)
INTRODUCING (Storyville 1956年録音)

   

このアルバムは、作家の向田邦子さんの愛聴盤ということで日本で有名になったものです。向田さんが、このアルバムについて初めて書いたのが1977年のことですが、そんなに前のことだったかと、改めてミリー・ヴァ―ノン(1930~2009年)の歌声を聴いていると、時の流れの早さを感じます。

メンバーは、ミリー・ヴァ―ノン(vo)、ルビー・ブラフ(tp)、ジミー・レイニー(g)、デイヴ・マッケンナ(p)、ワイアット・ルーサー(b)、ジョー・ジョーンズ(ds)。伴奏は当時ストリーヴィルレーベルに録音をしていたミュージシャンが起用されています。ヴァ―ノンは、幻の歌手と当時言われましたが、60年代にはレコーディングが途絶えていたためで、活動はずっと続けていて1984年には来日もしています。

曲はスタンダードです。「Weep For The Boy」、「Moments Like This」、「Spring is Here」、「St.James Infirmary」(セント・ジェームス病院)、「My Ship」、「This Years Kisses」、「Moon Ray」、「Everything But You」、「Every Time」、「Blue Rain」、「I Don't Know What Kind Of Blues I've Got」、「I Guesss I'll Have To Hang My Tears Out To Dry」の12曲。比較的珍しいのは「Weep For The Boy」と「Blue Rain」でしょうか。

バラード中心にミリー・ヴァ―ノンの歌声に癒されるアルバム。向田さんが好きだったのは「Spring is Here」だったようですが、同曲や「Weep for The Boy」、「St.James Infirmary」、ジミー・レイニー(g)のギターだけの伴奏で歌う「My Ship」あたりが情感がすごく籠もっているようで、好唱だと思います。曲によっては、クリス・コナーやジューン・クリスティを思い浮かべるところもあり、早い曲では軽快さもあります。伴奏陣は、名手ばかりで出過ぎずいい塩梅の演奏をしています。

【喫茶「世界ノトナリ」と映画館「世界館」】

「世界ノトナリ」という名前が、シュールな感じがして面白いです。もちろん、映画館である「世界館」の隣ということですが、うまく名付けたものです。今年(2018年)3月のオープンです。

入口

寛ぎやすい店内。

シフォンケーキと珈琲をいただきました。コーヒーはかなり美味しく、上越市に来た際にはまた寄りたいお店です。

高田「世界館」への入口。1911年に開業した日本最古の映画館だそうです。

映画館の建物

離れたところから世界館を撮ってみました。レトロ基調の窓です。

【世界ノトナリ】

住所:新潟県上越市本町6-4-19
電話:025-512-4982
営業:9時30分~18時。火曜、第3月曜定休。
ホームページ:cafe 世界ノトナリ (Komachi Webのページです)



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今頃ですが (moto)
2018-07-08 22:54:30
Azumino さんこんにちは。
このアルバムは昨年12月に Disk Union からLPが発売され、塙さんが Facebook で紹介していたのでとても気になっていました。
CD も発売されているようなので近々購入しようかと思います。
返信する
レコードまで出たのですね (azumino)
2018-07-09 20:24:43
motoさん こんばんは

レコードも出たのですね。この記事を書くにあたって手持ちのCDを探したら、2枚も出てきました。いずれも日本盤ですが、一枚はプラスチックジャケのもの、もう一枚は紙ジャケのものでした。多分、あることに気づかず重複して買っていたのだと思います。

ビリー・ホリデイに似ていると言われるミリー・ヴァ―ノンですが、存外にクリス・コナーを連想させるところもあるので、motoさんにも気に入っていただけるかもしれません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。