昨日は、所用があって東京に行ってきました。用事を済ませて午後3時半にお茶の水に着き、「JAZZ TOKYO」に入ったところ、入り口付近に「御茶ノ水 神保町 JAZZ SPOT GUIDE」というパンフレットが置いてあり、ジャズ喫茶、バー、ライブハウス、レコード店など12のお店が紹介されていました。その一つ、ジャズ喫茶・バーの「GRAUERS」に寄ってみました。この8月に開店したばかりのお店で、昔のジャズ喫茶という趣きもあり、居心地のいい空間でした。RIVERSIDEレーベルのアルバムを聴いてみます。
SAL NISTICO (サル・ニスティコ)
COMIN' ON UP! (Riverside 1962年録音)
「GRAUERS」は、リヴァーサイド・レーベルを傘下に擁した「ビル・グラウアー・プロダクション」の社長であったBill Grauer氏の名前から採られたようです。お店の経営者は、古庄伸二郎さんで、同レーベルの研究者として有名な方です。編纂された、リヴァーサイドのディスコグラフィーがカウンターに置いてありました。
サル・ニスティコ(ts)は、2枚のアルバムをリヴァーサイドに残し、これは第2作目です。現在、この2枚を1CDに収めた輸入盤が出ているようです。僕は、カウント・ベイシー楽団のメンバーとして、はじめ彼の名前を知りましたが、ビッグ・バンドの活動が長かったプレイヤーです。サル・ニスティコ(ts)、サル・アミコ(tp)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショー(b)、ヴィニー・ルジーロ(ds)というメンバー。
パーカー作の「Cheryl」、マイルス作の「Down」、二スティコ作の「Samicotico」と「Comin' On Up」に、スタンダードの「By Myself」、「Easy Living」そして、Paul Fontaineという人の書いた「Ariescene」で、全7曲。選曲からも、バップ~ハード・バップに真正面から挑んだという意欲が伝わります。
サル・二スティコ(ts)の音色は、深く、どっしりとしていて、それだけで惹きつけられます。また、サル・アミコ(tp)は、中音を中心とし、マイルスを思わせるところがあります。「Cheryl」は、全員はつらつとして、グルーヴィーさも出ています。バラード「Easy Living」は、二スティコのワン・ホーンによる熱演で、「Down」ではニスティコはややラフながら豪快な演奏ぶりを披露。バリー・ハリス(p)のまとまりのあるソロも随所に入り、ハード・バップに浸れるアルバムです。
【御茶ノ水 神保町 JAZZ SPOT GUIDE】
12のお店の紹介が載っているパンフレット。お店の写真や、地図などのレイアウトもよく、センスがよくて感心しました。御茶ノ水、神保町界隈は、ジャズ喫茶の「響」が閉店するなど、一時足が遠のいたのですが、新たなお店が開店し、JAZZ TOKYOができるなど面白い街になってきました。「本の街」という月刊誌(定価150円)も刊行されていて、古書街の歴史を感じさせます。音楽やレコードに関する文章も含まれていて、帰りの新幹線の中で読んできました。
【GRAUERS】
夕方から営業のお店が多い中、ここは、営業時間が午後1時からなので、僕のような地方在住者にはありがたいです。スピーカーはJBL4333Aと表記がありました。キャノンボールのアルトがいい音で鳴っていました。
お店のホームページ GRAUERS