安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョン・ルイス GRAND ENCOUNTER

2011-03-02 22:33:40 | ピアノ

信州大学工学部の先生に仕事の関連で用事があって、長野市若里にあるキャンパスに行ってきました。近くに住んではいるものの、工学部のキャンパス内に入ったのは初めてですが、驚いたのは敷地と校舎の狭さでした。結構な業績を上げている、名の通った教授のところにお邪魔したのですが、研究や授業を伸び伸びやるのには、もう少し広い場所があればいいのにと思いながら帰ってきました。広いアメリカのアルバム。

JOHN LEWIS (ジョン・ルイス)
GRAND ENCOUNTER (Pacific Jazz 1956年録音)

 Grand_encounter_john_lewis

ジョン・ルイス(p)が実質的なリーダーだったMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)は、人気コンボでした。クラシックの香りがするといって、僕の友人で熱心なクラシックファンも、MJQだけは聴いていました。ジョン・ルイスはクラシック志向もありますが、他方、僕は彼のプレイにみる推進力、スイングの力のすごさに魅力を感じています。本作品では、それが発揮されたソロが聴けます。

メンバーは、タイトルどおり、イースト(東海岸)の方から、ジョン・ルイス(p)、パーシー・ヒース(b)が、ウェスト(西海岸)からはビル・パーキンス(ts)、ジム・ホール(g)、チコ・ハミルトン(ds)が参加しています。ウェスト・コースト・ジャズという言葉も最近では、あまり聞かれなくなりましたが、一つの雰囲気、イメージを表すものとして現在も有用ではないでしょうか.

曲目は、大スタンダードの「Love Me or Leave Me」、「I Can't Get Started」、「Easy Living」、「Skylark」、「Almost Like Being in Love」そして、ジョン・ルイス作「2 Degrees East -3 Degrees West」(2度東・3度西)という6曲。それぞれ良く知られたものだけに、テーマをどう展開していくのか、メンバーのソロに注目したいところです。

全ての曲がミディアム・テンポ以下ですが、フレーズやリズムが生き生きとしていて、飽きるところがありません。ビル・パーキンス(ts)は、「Easy Living」でレスター・ヤング直系の吹奏をしていますが、この曲の名演の一つとしてあげたいもの。ルイスの簡潔でぐいぐいとスイングしていくピアノも聴ける「2 Degrees East-3 Degrees West」や「Love Me Or Leave Me」など落ち着いたセッションが楽しめます。ジム・ホールもソロをとり、「Skylark」は彼のフューチャーナンバー。