対比という方法は、何かにつけて判断の幇助をしてくれます。
比べてみると違いがわかるという、ごく当たり前の考えなのですが、これが原則だと思ってしまうと、ときどき悪さに見舞われます。
判断の妨げになる悪さです。
どういうときにそれが起きるか、それは比べても、違いがわかっても、それには何も意味のない場合です。
近所のおうちと、自分のうちの収入を比べてみても、くやしさが募るだけです。
12番と10番の子を比べて、追い越せと言ってみたところで、成長の助けにはなりません。
いちばんばからしいのは、食べ比べです。
同じ種類の食べものは、比べればどちらかの味が必ず悪くなります。
違うものなら、比べても意味がありません。
いちばんつまらないのは、スイーツの食べ比べバイキングでしょう。
舌の感覚が鈍って、おなかが出っ張るだけです。
酒の飲み比べ、それはちょっと違いますな、ニヤ。