・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

黙っていれば 焦げ付くだけ

2015年01月09日 | つぶやきの壺焼

しゃぶしゃぶは、冬の料理か、夏の料理かと聞けば、そりゃぁ冬だよと答える人が多いでしょう。
しかし、これを始めたきっかけが、夏場に焼肉が売れないための対策だったと聞くと、なるほどそうかと思います。
真ん中に排気筒の立ったあの鍋は、照り返しがないので、周りにいてもあまり暑くなく、たれも冷やしておけば舌触りもよいでしょう。
熱さも香りも際立たないようにして食べるしゃぶしゃぶは、牛肉よりも、ちょっと癖のあるものに向いているのではないかという気もします。

坂本九の「上を向いて歩こう」が、なぜスキヤキに化けたのかよくわかりませんが、牛肉を味わいながら食べるには、数奇焼きのあて字が似合うすき焼きがいちばんのように思います。

このすき焼きを、接客メニュに組み入れて出された食卓に、割りしたの用意されてなかったことがありました。
それらしい平鍋と肉に添えて焼く材料を出しておけば、客が勝手に焼いてくれるので、提供するほうは遠くから眺めていればよいと踏んでの、半ば素人考えのメニュだったようです。
さあこの鍋は、時間がたつと始末の悪いことになりました。
まだ煮えてないものが入っていながら煮えたぎった鍋を、焦げ付きから守るには、ひたすら掻きまわし続けるしかないのです。
急場の対策には、煮方中止で火を止めるか、味気の低下を承知でま水を注ぐか、豊潤の香を惜しみながら銚子の酒を注ぐか、いずれも気にそまない択一を迫られます。

経済に未来予測は不可能、出たとこ勝負しかないとはいえ、加熱すれば蒸発が起きて焦げ付くことぐらいの想定は、経済でもすき焼き鍋でも、しておかなければプロの仕事とは言えないでしょう。
市場か客の機転がたよりのおまかせ仕事では、何とも情けないことになってしまうのです。

にほんブログ村