せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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突然の訃報に驚く。

2006-11-28 22:41:58 | 宇宙、航空系

 ■<訃報>小杉健郎さん57歳=宇宙航空研究開発機構教授

最初は誰の事か分からなかった。
ひので」責任者と聞いてもピンと来なかった。


   ……あ、あの骨折した先生!


思い出して愕然とした。

打ち上げ直前に骨折をしてしまい、松葉杖ついて打ち上げに参加してた教授がいた。
「ひので」に心血を注ぎ続け、さあこれからだと意気込んでいた、あの先生だ。

他にソースが無いので、宇宙作家クラブニュース掲示板より引用。
「ひので」打ち上げ成功後の記者会見の小杉先生の発言を以下に。

 どれも開発が難しい機器で、全部が苦労だった。でも自分のやりたいことをやってきたことで、それは苦労じゃなかったのかも知れない。(「ひので」開発で印象深かった点を聞かれて)

 「ひので」が私が主導して名付けました。平凡でもはっきりした名前を選んだ。衛星が活躍すればそれが良い名前となる。(「ひので」の命名理由を聞かれて)

 この衛星は宇宙科学が上り坂を過ぎたところから開発が始まっている。予算が上り坂ではではない時期からだ。でも我が国は日出る国ですよね。「日よまたのぼれ」という気持ちから名付けた。(命名理由に続けて述べた話)

 ようやくこの日が来たというのが実感だ。SOLAR-Bは15年前から構想していた。(打ち上げ成功の感想)


読むたびに、この人の入れ込みようが分かる。
涙が止まらない。
悔しすぎる。

 ■「太陽活動の起源を解明する国際共同プロジェクト」(小杉教授による解説)
 ■太陽観測衛星「ひので」がとらえた水星の太陽面通過(JAXA公式)
 ■「ひので」搭載可視光・磁場望遠鏡の初期成果(JAXA公式)

「ひので」は驚異的な映像を次々と送ってきている。
今後数年に渡り、この衛星は間違いなく太陽観測の最前線となるはずだ。
その成功を、長年苦労した責任者として、もっと見ていて欲しかった。
世界は違うが、同じく何かを開発する者として、そう思わずにいられない。


 軽量化は、プロマネの腹一つで、絶対に目標重量を超過させないという心構えでやった。これを私は先代「ようこう」プロマネの小河原先生から学んだ。「ようこう」は重量削減分だけ高い高度に投入して寿命が延びた。(軽量化についての回答)


プロマネの命と引き換えに、「ひので」は最高の軌道に乗り、長生きしそうな見通しである。

運命の非情さを感じずにはいられないと同時に、
人は命尽きても残せるものがある、と感嘆せずにはいられない。


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