せつなく朽ちた鉄扉

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日食網膜症を防ぐために・CP+で聞いてきた事いろいろ

2012-03-25 11:38:01 | 宇宙、航空系
2012年5月21日の朝7時台、金環日食がある訳ですが、これに関して網膜症予防のための注意喚起が出ています。
ただ、報道では表面だけの説明になっているのが正直不安です。

 ■金環日食、肉眼で見ないで=網膜障害の恐れ、専用グラスを―あと2カ月・天文協議会
  (Yahoo!ニュース:時事通信)
 ■金環日食を迎え撃つ -日本史上最大人数が観察できる金環日食を安全に-
  (2012年金環日食日本委員会・2012年春季年会記者発表)
 ■日食の安全な観察推進ワーキンググループ 日食情報 (天文教育普及研究会)



YouTube:国立天文台科学文化形成ユニット作成の解説動画
4分辺りから注意事項です。一度見ておくことをお勧めします。


実はこの話、今年のCP+の大西浩次副委員長のセッションでもやっていました。
その時の話と比べると、報道では内容が大幅に削られているようですので、氏が語っていた注意点について、覚えている限りを以下に書いておこうかなと。


【1.この日食は暗くならない!】

まず大前提として、この日食は暗くなりません!
金環日食は皆既日食と同じ位置関係ですが、明るさとしては部分日食と同じです。普通にまぶしいです。普通に昼間のままです。食が最大なら日食グラス要らないとか、そんなことはありません。



CP+より、そこら辺を説明しているスライド。上が皆既日食、下が今回の金環日食。
で、この演者が報道記事にも名前が出ている大西浩次副委員長。



【2.太陽光はあっという間に目を焼く!】

太陽を裸眼で見てはいけない、とはいっても、誰でも見たことありますよね?
朝日、夕日は当然として、昼間でも視界の中に偶然入ってしまうなんて良くあることですし。

ところが、この経験の延長で日食を見るのが、物凄く危ないんだそうです。

太陽光のうち、特に網膜を傷つけるのは青色の光だという調査結果があります。朝日、夕日はこの成分が少ないので大丈夫なのですが、高く昇ってしまった太陽は非常に危険です。

その破壊力、今回の日食の高度で計算すると……

網膜が破壊されるまで約1秒(!)




そこら辺を説明しているスライド。
「1日あたり」のトータル時間である点にも注意。


人は通常、視界に太陽が入ってもピントを合わせませんし、すぐに視界から太陽を外して、何度も見ることはありません。ところが日食はその太陽を注視するイベントですから、裸眼では容易に網膜を破壊してしまうのです。


【3.日食グラスを持っていても、裸眼で見てしまう事が!】

前回の日食での視覚障害について調査した結果によると、
日食グラスを持っていたのに、障害を発症した人がかなりの割合で存在しています。

話によると、日食グラスって太陽以外は何も見えませんから、太陽の方向が分かりにくいそうで。
まして途中で雲が通ったりすると、容易に太陽を見失ってしまうんだそうです。

そうなると人はどうするか。

日食グラスを外し、裸眼で見当をつけてから、日食グラスをかけようとするんだそうです。
凄く自然な行動ですけど、でもこれが危ない。これでやられちゃうらしいです。


【4.ではどうすればいいか?】

個人での日食観測の方法について、日本天文協議会、日本眼科学会、日本眼科医会が共同で安全啓蒙のパンフを作成しています。

 ■学校向け資料 2012年5月21日(月) 日食を安全に観察するために
  (2012年金環日食日本委員会・PDFファイル)

この資料の6ページ目によると、

  • 太陽をさがすときは、いきなり太陽の方を見るのではなく、太陽を背にして(または顔を下に向けて)日食グラスを正しく顔に当ててから、太陽のほうを見るようにしましょう。
  • めがねをかけている場合は、日食観察グラスと顔とのすき間が大きくなるので、手ですき間をおおうようにして、周囲からの光が直接目に入らないようにしましょう。
  • 望遠鏡や双眼鏡などと組み合わせて使うことは絶対にしてはいけません。
  • ときどき目を休めながら観察し、長時間ずっと太陽を見続けることは避けましょう。
  • もし目に違和感があったり疲れを感じたりした場合は、すぐに観察を中止しましょう。


だそうです。

実はこの資料では、日食グラスではなくピンホールで太陽の影を見る方法を第一に推奨しています。
特に子供はやるなと言ってもやってしまう生き物ですから、本当に安全を確保するなら、確かに下を向いて観測する方法が一番なんですが……個人的には、賢い子にはちゃんと日食グラスで上を見て観測させてあげたいです。





ピンホールでの観測方法については、「日食を安全に観察するために」の5~6ページに書いてありますけど、一応それ以外の情報も下に載せておきます。
まー出所は殆んど同じ団体ですけど。

 ■日食の楽しみ方 ピンホール工作の例 (世界天文年2009 日食観察ガイド)



で、最後にもう1つだけ注意喚起。

【オマケ:日食グラスは3月中に買っておくべし!】

これはCP+のケンコーのブースで聞いた話ですが、3月中には買っておいて欲しいそうです。
はっきりとは言ってくれませんでしたが、3月で出荷が終わってしまうような、そんな雰囲気みたいなものを感じました。なんせ今を逃したら全く売れない商品ですから、多少市場で不足してでも売り切ろうと考えるのも仕方ない話かもしれません。

というか、ケンコーのサイト、もう商品紹介が削除されているんですが。(!)
お。ビクセンのサイトはまだありますね

とにかく日食グラスを持っていないけど、日食見たいなぁという人、今買わないと品切れします!
日食までまだ2ヶ月ありますけど、今のうちに買っておくことをオススメしておきます。



オマケ。写真撮影用のNDフィルタを裸眼観察に使用するのも危険だそうです。



#あ、ステマじゃないよ。(笑)
#自分が前回の日食で買いそびれたクチなので。今回はもう買った。



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