Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

コズミック・カクテル

2014-07-25 22:50:25 | Coast to Coast AM

我々の住むこの宇宙は一体どんなモノからできているのか?

そんな宇宙のカクテルのレシピを教えてくれるのが、今回ご紹介する『Coast to Coast AM』のゲスト、ミシガン大の理論物理学者キャサリン・フリーズ(Katherine Freese)博士です。

博士の著書『コズミック・カクテル』によれば、この宇宙は次の3つから成り立っています。
全体の5%を占める原子、ダーク・マターが25%、残りのダーク・エナジーが70%です。
ここで問題なのがダーク・マターとダーク・エナジーの二つです。
合わせて95%を占めるにもかかわらず、我々はこの二つが一体何なのかをまだはっきりとはつかめていません。

ダーク・マターとは?
1933年スイスの天文学者フリッツ・ツビッキーが目に見える物質だけでは説明がつかないほど速く動く銀河を観測したのが事の始まりです。
そこで、彼は未知の物質の重力の影響によるものと考え、それをダーク・マターと名づけたのです。

この目に見えない物質をイメージするために天の川銀河の本来の姿を考えてみます。

ちょうど風車のような形をした銀河の中心には太陽の一億倍もの巨大なブラックホールがあります。
我々の太陽系は、その銀河から伸びた渦の手の端の方にあり当分は飲み込まれずにすみます。
しかし、これで銀河は終わりではありません。
さらにその周りを『Halo(光の輪)』と呼ばれる巨大なダーク・マターによってとり囲まれているのです。

さて、ダーク・マターの正体ですが、物質を作り上げている「力」に博士は注目します。
その性質から、原子を結びつける強い力と電磁力は排除できます。
そこで博士は弱い力により結びついた粒子、通称WIMP(弱虫の意)説の可能性をあげています。

ダーク・エナジーとは?
ダーク・エナジーは2000年代の初め、宇宙の膨張を加速させる力が観測されたのがきっかけです。
しかし、ダーク・マターと比べてほとんど何もわかっていません。
また、このダーク・エナジーの存在抜きに原理を説明しようとする理論もあるとのことです。

ダーク・マターを探せ!
ダーク・マターを見つけるには主に三つの方法があります。
一つ目は、粒子加速器で粒子同士をぶつけて破壊して、その中にダーク・マターがないかを調べる方法です。
二つ目は、他の粒子の届かないよう、使われてない炭坑など地中深くに観測機を置いて探知する方法で、当博士も関わっています。
三つ目は、2018年に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って観測する方法です。
この観測機により、ダーク・マターの対消滅により太陽よりはるかに大きく明るく光る『ダーク・スター』を観測しようというのです。

ダーク・マター提唱者の娘が登場
さて、番組後半にはリスナーが電話で質疑応答するオープン・ラインというコーナーがあります。
なんとそこで前述のフリッツ・ツビッキーの末娘バーバリーナさんが登場しました。
そこでは初めてダーク・マターを提唱したものの学会の猛反発にあい正当な評価を受けられなかった父の苦難を語られていました。

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※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから

博士は分子生物学者の両親の元で生まれ、名門プリンストン大学で初めて物理学を専攻した女性となりました

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