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ノーベル賞あれこれ

2005-12-11 10:08:01 | Weblog
 今年度のノーベル賞の受賞者が出揃った。
 毎年のことだが、話題はもっぱら平和賞の受賞者に集まった。今年は、「核の番人」こと、IAEA(国際原子力機関)が選ばれた。有力候補の一つに被団協(日本原水爆被害者団体協議会)も入っていたので期待したが、残念ながら話題性でIAEAに劣った。その辺りの事情もあってだろう。ノーベル賞委員会のミュース委員長は、被団協の活動に触れ、その取り組みを賞賛した。
 私が注目したのは、イスラエル・ヘブライ大学のロバート・オーマン教授だ。オーマン氏は経済賞を受賞した。ゲーム理論に数学的見地から取り組んだ研究が認められたとされている。
 このオーマン氏、ところが、高校時代には先生から「君は数学は向いていない。他の学問をやった方がいい」と“宣告”されていたという。それを反発するエネルギーがあったからこそ今日の成功があるわけだが、いい加減な教師もいるもんだ。
 35人の子供、孫、ひ孫という大家族を伴っての授賞式への参加で注目されたオーマン氏だが、ただ一つ気になったのは、彼の軍備に対する考え方だ。イスラエル人では一般的とも言えるが、「あの暗い冷戦時には、核を積んだ飛行機が待機して、24時間以内に使える状態があったからこそ平和が保てた。いつでも核が使える軍備こそが戦争回避の最良の道だ」とする彼の発言は嬉しくない。
 こんな発言が受賞者から出て来る時だけに、被団協に受賞して欲しかったと思うのは私だけであろうか。

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