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証人喚問から

2005-12-15 02:04:14 | Weblog
 建物耐震偽装問題の国会証人喚問を見てまず思ったのが、質問をする側の準備不足。「国民の代表」などと幾度も口にする割には、証人尋問のための準備をした形跡がほとんど見られない。質問の拠り所としている情報も、そのほとんどがマスコミ情報というお粗末な状況である。
 唯一これは、と思えたのが、総合経営研究所(総研)の幹部が平成設計事務所に出したと言われる構造設計に関する指示である。民主党の馬淵澄夫議員が公表したメモだが、これにはそれまで“順調に”質問をかわしていた総研の内河所長は、「その件は全然知らなかった。書類は見たことがないので早急に調べてご回答する」と動揺した様子を見せた。
 喚問のやり取りの専門的な分析は、マスコミが様々な角度から行なっており、そちらに任せるとして、ここでは少し違った視点をお届けしたい。
 まずは、マスコミのおっかけだ。証人喚問を終えた姉歯設計士を電車の中にまでカメラは追いかけ、マイクを突きつけていた。確かに、現場の記者達は、他社に抜かれまいと必死で追いかけたいのは分かる。もしそれをしなければ、社に帰って鬼デスクから雷が落とされるだろう。
 だが、関係各企業からスケープゴートにされかかった、1人悪者にされている姉歯設計士をそこまで追い込んでしまうことが、どれほどの意味があるのか考えていただきたい。彼をこれ以上追い込めば、自死という結果も十分ありうることだ。彼が今自ら命を絶てば、一番喜ぶのは誰か、マスコミは冷静に考えるべきだ。
 そして、個人情報の保護が叫ばれているというのに、証人喚問を生中継したNHKは、証人達が住所を言うのをそのまま放送していた。一方、TBSのニュース専門放送は、その部分は無声状態にしていた。いくら、悪事を働いたのではないかと万人が疑っている人物であろうと、まだ基本的人権は守られるべきである。いくら、「皆様のNHK」であり、国民感情が「総研、木村建設、姉歯憎し」に走っているといっても、“市中引き回し”をすることは許されないはずだ。

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1 コメント

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同感 (真夏の馬)
2005-12-16 12:32:01
 構造偽装疑惑では、いちばん立場が弱そうな姉歯氏を追い立て、どうするのだろうか。

 こんなことをまだやっているマスメディア(とくにテレビ)は、「容疑者の名前の公表は警察が決める」ことへの「反対」などを言っても、「報道被害」の声に対抗できないのではないでしょうか。

 NHKが、「まっすぐ 真剣」なんて言っても、何に「まっすぐ」なのか、何に「真剣」なのか、伝わってこないのです。
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