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拝啓 小沢一郎様

2006-04-08 00:07:28 | Weblog
拝啓 小沢一郎様

 先ずは、当選おめでとうございます。いよいよ、あなた様のお出ましですね。これまで私は、あなたが恐いの何だのといろいろ失礼なことを書き連ねてまいりました。それもこれも、あなたの本質を知っている者の務めとして読者の皆様にお伝えせねばとの思いからつい筆が走ってしまったことです。お許しください。

 ここ数日、菅様と各TV局回りをされて「コワモテ」のイメッジ(イメージ)を払拭なさろうとされているあなた様の涙ぐましい努力を見て、あなた様へのこれまでの失礼の数々を反省すると共に、代表選に勝たれたからにはあなた様の側に付いたほうが得策と、「筆を曲げる」ことを決意いたしました。と言いますのも、私メはあなた様の作り笑顔に隠された「恐さ」を知っているからでございます。かつて自民党を牛耳っておられた、失礼、実力者であられた頃はもとより、3年前にあなた様の地元である水沢市を訪れた折に感じた恐怖感(小沢派にあらずんば、水沢市民にあらず。そんなヤツは村八分といった重苦しい空気)もその判断材料でございます。

 民主党党首となり、これから一挙に政権奪取に突き進もうとする時、あなた様の取り巻き連中、失礼、イエスマン、もっと失礼、周囲の方たちはあなた様の意向を受けて邪魔なものは全て排除されていくはず。それに逆らえば、私のような小さな存在は、その暴風のあおりを受けて吹き飛ばされるでしょう。また、万が一、民主党党首から一挙に政権を取られようなことが起これば、私なんぞでも「危険分子」のレッテルを貼られる恐れが十分にあります。そこで、ワタクシも人の子でございます。幸せな家庭を壊されたくないとの思いも強くあります。あなた様に逆らうことはやめ、横路(かつて社会党で暴露男との異名をとったヴェテラン国会議員)様のように、転向してあなた様の軍門に下ることを決意したわけでございます。

 それにつけても、あなた様の今回の作戦はお見事のひと言でございます。恐らく自民党を割って出てからの苦い経験が礎になっているのでございましょう。練りに練られた作戦とお見受けいたしました。若手の前原様に「反小沢」の旗を掲げさせて、露払いを務めさせ、ご自分の「王道」を一歩一歩進めて来られました。露払いが9月に土俵から降りた後は、横綱であるあなた様が、見事な不知火型の土俵入りを披露される予定でしたよね?そして、その頃には引退してしまう小泉さんの後を継いで出てくる安倍、福田、麻生といった方たちをいとも簡単に土俵の外に押し出してしまえたはずでした。
 そうです。永田のお坊ちゃまが得体の知れない張り紙を見つけてくるまではほぼシナリオどおりにことは進んでいたわけでございます。「メール問題」で党内が上を下への大騒ぎになっている時、あなた様のお顔は仏頂面そのものでした。それはそうです。あなた様が長年かけて書き上げたシナリオを台無しにされかけたのですからね。でも、結果的にあのバカお坊ちゃまが稚戯に等しいことをしたお陰で、「若手指導者待望論」も姿を消し、「やはり経験者に引っ張ってもらわないと」との空気が生まれました。結果よければ…、の典型ですね。

 菅様を土俵に上げたやり方も見事でした。やはりあなた様にとって菅様は「目の上のたんこぶ」ですから今回叩きのめしておきたかったのでしょう。今回負かしておけば、ほぼ彼の政治生命を絶つも同然。余程の事がない限りは再起してくることはないでしょう。私はまさか菅様があなたの挑発に乗ってくるとは想像だにしておりませんでした。

 菅様を同じ土俵に上げて代表選をやれば、「くさっても鯛」、失礼、「くさのね民主主義」の草分けである菅様の人気を利用できます。マスコミや国民は結構菅様を好きですからね。あなたの目論見通り、マスコミはこぞって連日連夜、「代表選び」を取り上げました。今や、子供ですらあなたの顔を知っています。まだ、小泉さんの人気とまでは行きませんが、間違いなく「小泉後」の方たちよりも高い人気を得られたはずです。恐らく選挙戦後に行われる世論調査では軒並み民主党の支持率が上がることでしょう。

 今夜は久し振りに枕を高くして寝られますね。逆に、自民党の面々は、あなたの勝利に浮き足立っています。これからあなたが本気で挙党一致で行くのか、党を割って再生するのか、私にはあなたの心の中は読めていませんが、“小沢党”が「台風の目」になることは間違いありません。

 でも、お願いがあります。世の中に精神論を振りまくのだけはやめてくださいね。あなたの精神教育論にはとてもついていけませんから。というか、鳥肌が立つほど嫌です。先ほどあなたが出演していたTV朝日の「報道ステーション」で、古館キャスターに母親が新聞配達に行っている間に幼子2人が焼死してしまった痛ましい事件の感想を聞かれた時、持論の家庭教育論を持ち出そうとして言葉を呑んだのを私は見逃しませんでしたよ。本音では、「離婚した母親にも問題があった」と言いたかったのでしょう。あなたこそ、日本の政治家でもっとも「自己責任論」が好きなタイプですからね。

 あ、それと最後に一つ。あなたの代表選の演説ですが、よくも嘘八百、は大げさにしても、嘘の数々を思いつかれましたね。特に、自由党を解党するくだりなんぞは、「政治家の鑑!」と声を掛けたくなるほど見事な論理のすり替えをなされました。小沢様、当時、永田町で「沈む船からねずみも逃げ出す」と形容されていた自由党に未来があると思っていた人は誰一人としていませんでしたよね。教育問題を言われるのなら、やはり、ご自分の嘘や論理のすり替えをまずお止めになることが…、あ、また余計なことを書き連ねてしまいました。お許しください。もうこれ以上、あなたの否定的な要素に言及するのは控えるようにします。敬具。

浅井久仁臣

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1 コメント

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素晴らしいです (熱砂)
2006-04-08 17:58:18
こちらはもう熱砂の季節の訪れ間近です。民主党の混乱は、日本から送られてくる新聞とインターネットで見ています。でも、こんなに卓抜な記述は初めて読ませていただきました。これからも浅井様の健筆を期待しております。

それと、最近中東関係の書き込みが少ないのが残念です。お時間の許す限り浅井さん独自の視点を書き込まれることを期待しております。
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