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古狸の恐ろしさに尻尾を巻いた安倍新総裁

2006-09-21 02:11:53 | Weblog
 20日の自民党総裁選で安倍晋三氏が464票を獲得、麻生、谷垣両対立候補に大きく水を空け、第21代総裁に選出された。51歳という年齢は、田中角栄氏の54歳を更新する若さで戦後最年少総裁の誕生だ。また、初の戦後生まれの総裁でもある。

 得票率も全投票数の約66%だから圧勝と言ってもいいだろう。だが、予想されていたほどの圧勝ではなく、対立候補の麻生、谷垣両氏が100票以上取った。これは、安倍氏に「無言の圧力」をかけたに違いない。

 それは、今週末までに発表される予定であった党三役の人事が週明けに持ち越されたことからも伺える。安倍氏は異常なまでに小泉氏(の人気?)を意識しているが、変に小泉氏を真似すると大失敗することもありうる。“孤高を貫いた”小泉氏に比べて安倍氏は年寄り連中に可愛がられて登りつめてきた根っからの党人だ。そんな安倍氏に党内事情を無視しての人事を決断する勇気などあるはずもない。投票結果を受けて今頃、「誰でもが納得できる人事」を森元首相あたりと雁首を揃えてやっているはずだ。

 いずれにしても経験不足のお坊ちゃまが古狸相手に蛮勇を奮って良い結果が出るはずがない。先週も小泉流を真似して「参議院選挙の候補者選びは好きにやらせてもらう」などといった勇ましいニュアンスの発言をしたが、「参院のドン」である青木幹雄参院議員会長の怒りを買うと尻尾を巻いて前言を撤回した。投票日前には、500票を超えると予想されていた獲得票が大きく下回ったのは、そのこととは全く無関係ではなかろう。あれですっかりびびった安倍氏は、党三役人事すら自分の意思で決めることができなくなったのだ。そりゃあそうだ。今回の総裁選には5つの派閥が彼を推した。「論功行賞(ごほうび)人事」を求められているのが分かっている安倍氏は、恐らく党三役と閣僚人事のセットで派閥の領袖(リーダー)と実力者たちの御機嫌取りをしようとしているに違いない。

 こんな政治家に政権を預けざるを得ないわれわれも、いくら自分達で選んだ政治家だとはいえ、可哀想な運命にある国民だ。

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