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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

私の視点 大麻疑惑の兄弟力士の扱いに疑問

2008-09-03 22:03:55 | Weblog
 まるで「市中引き回し」だ。

 相撲界を揺るがすロシア人力士の「マリファナ汚染」をめぐるマスコミ報道を見ていると、マスコミが寄ってたかって彼らを血祭りにあげているが、今やマスコミはこんな犯罪報道の基本中の基本も分からない人達の集団になってしまったのかと唖然呆然だ。

 まず、彼ら、特に兄弟関取、幕内露鵬と十両白露山に対する疑惑は、あくまでも疑惑であって犯罪と呼ぶには現時点では無理があることだ。相撲協会が何故に簡易検査の結果だけで実名を発表をしたのか不可思議だが、それを受けてそのまま情報を垂れ流すマスコミには全く理解が出来ない。

 報道から知る限りでは、マリファナの簡易検査は完全な結果をもたらすものではなく、精密検査が必要だとの事だ。ならば、二人を取り調べたり、更なる検査にかけることがあっても、この段階で名前を公表することは控えるべきではなかったのか。

 これまでに数え切れないほど起きてきた冤罪事件の幾つもに(警察に)手を貸してきたマスコミは、その度に表面的に謝罪を重ね、「二度とこのようなことにならないように努力をする」と読者や視聴者に頭を下げてきたが、過去に犯した間違いから多くを学んできたようには思えない。

 又、先に、相撲界から追放された若ノ鵬もそうだが、仮に兄弟力士がマリファナを使用していたとしても、懲戒免職処分するほどの大罪かと異論を唱えたい。

 マリファナやハシシなどの大麻は、ヨーロッパの中には合法とする国もある。オランダなどはその代表的なところで、街中に「マリファナ・ハシシ喫茶」の看板も見うけられる。マリファナの常習性や影響力をタバコ程度とする学者も少なくない。

 だから、私の経営する英会話学校では外国人教師を新規採用する際には、「日本ではマリファナやハシシの使用が厳罰の対象である」ことをわざわざ指摘、さらに契約書にもその点を盛り込むほどだ。

 聞いた所では、相撲協会の力士たちへのマリファナやハシシの利用に関する指導は今回の事件が発覚するまではほとんど行なわれていなかったそうだ。

 ロシアの、特に中央アジアや中近東に近い地域ではマリファナやハシシの原材料である大麻は自生している。それだけに、仮に兄弟力士が吸引していたとすれば、軽い気持ちで手を伸ばしただけとの見方が出来る。

 ならば、初犯であれば、出場停止処分などの処罰程度に留め、十分な教育を施すことに力を入れるべきではないだろうか。いずれにしても解雇に値する罪とは私には到底思えない。穿(うが)った見方かも知れぬが、マスコミの目を気にした相撲協会は、「伝家の宝刀」を間違って抜いてしまったようだ。

 少し前、ヨーロッパ人と意見交換をしたが、彼の国では「大麻吸引で解雇」はあり得ないことだと驚いていた。いずれにしても兄弟力士に群がる報道陣の姿は異様だ。犯罪報道の基本を今一度マスコミ各社は見直して欲しい。

二級市民!?

2008-09-03 09:59:54 | Weblog
 K講師が休みを取る間、代わりを務めてきてくれたS講師からメイルが来た。

 彼のメイルを見て驚いた。

 「Thank you so much for treating me like a human being and not a second class citizen. I really appreciated it.(二級市民ではなく人間として扱ってくれてありがとうございます。本当に感謝します)」

 とあるではないか。

 「人間として」「二級市民」…?!

 彼は最後のお別れの時に「いくつかの英会話スクールに長年勤めてきて英会話産業に良い感情を抱いていなかったけどASEで働いて初めて親近感を感じました」と言ってくれたが、お世辞程度にとっていた。

 それにしても「二級市民」という表現。かつては人種差別が世界で多く見られた時によく使われたが、彼のように東南アジア生まれで英語圏で育った者には死語ではなかったのだ。このメイルを読んで、彼が日本でもかなり酷い経験をしていたのだろうなと何だか複雑な気持ちになった。