年賀状から見えるもの

　二年続けて大病を患いました
　お健やかに・・・

との同級生からの年賀状、大分以前にくも膜下出血を患ったのは知っていたけれど、その後のことは知らなかった。　戦後のベビーブームに生まれた私達団塊の世代、とっくに子育ては終わり、次は自分の病気又は連れ合いの病気、若しくは親の介護、そう言う役回りの年齢になった。　司会の仕事をしている彼女はリーダー的存在、時々電話をくれる人だった。　最近どうしているんだろうと、違う同級生と暮れに話をしていたところだった。　年賀状の文字はいつもと変わらず手書きの綺麗な字だったので、少し安心したけれど。


もう一人ずっと気になっている知人の年賀状はやはり変わっていた。　親と同じ年齢８６歳になるお寺さんだけれど、住職が息子さんの名前になっていた。　時々遊びに来てはいたのだけれど、段々足を引きずるようになり、耳下腺を手術してからは食べ物をボロボロこぼすようになり、言葉にならないような声で電話が来たりしていた。　思いきって元気かどうか電話をしてみると息子さんが出て、父は１８年くらい前からアルツハイマーに罹っていると言ったので驚いた、その間何度も遊びに来ていたから。　言葉の端々に自分たち家族が多大な迷惑をかけられて来たと言っているのが感じられた。　施設か病院にいるのだろうけれど、聞いても迷惑そうだった。　もうきっと元気な彼の姿は見られないと思った。


　
私の箱根駅伝好きは知る人ぞ知る所。　
　今年も駅伝楽しみですね　　　　　そんな年賀が４人から。
　お母さんは元気にしてますか　　　そんな年賀も４人から。


出したけれど来なかった人が一人いた。　住所録から即削除。
出したくない人だったから・・・
きっと相手もそうだったんだ、すっきりした～　


輝かしい新年の言葉で届く年賀状にも、それぞれの人生の機微が透けて見えるような気がする。