都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

溝田経理事務所

2022-07-25 | 文京区  
溝田経理事務所
所在地:文京区 本郷3-38
構造・階数:木・2
解体年:2012(平成24)頃
Photo 2006.12.16

 本郷三丁目交差点の東側、春日通り沿いにあった2階建てオフィス。ビル型をしていたが、木造モルタルだったのではないかと思う。

 装飾はほとんどないが、コーナー部に縦に大書された事務所名が目を引く。また春日通り側の2階の窓にも事務所名が記されている。春日通り側は観音開きの扉(押しか引きかは不明)があり、南に入った横丁側にも別の入口がある。縦の筋が入った通り側と角を曲がった少し先までがオフィスで、横丁側の入口から先は住居か別のオフィスのように見える。

 「ぼくの近代建築コレクション」には、「どこが発信源だか判らないがネット上で「昭和10年創業」という記述を見た。元の建物が空襲で焼失し、戦後同じ地に再建したのかもしれない。」と記されている。この近辺は戦災で多くの建物が焼失しているので、古そうには見えるがこの建物も戦後のものだったのだろう。2階窓の事務所名等も左から書かれているし。

 「アクトデザイン凛太郎のブログ」には、RC造かもしれないと記されている。たしかに春日通り側はビルのようなファサードで、モルタル看板建築にしては屋根小屋を隠す壁面の立ち上がりが少なく陸屋根のように見える。遠くからの写真にも傾斜した瓦屋根やトタン屋根が見えていないので、春日通り側は陸屋根で、RC造だったのかもしれない。
 ただ、パラペットのような軒先部分に樋が付いているので、やはり壁面の最上部は屋根面の末端部だったのではないかと思う。この壁面の後ろに緩やかな傾斜の屋根が載っていたのではないだろうか。
 同ブログでは、奥の方に樹木が見えることからRC造の陸屋根で、そこに木が生えていると考えたようでもある。ただこれについてもこの建物はL字型平面で、裏側に庭があってそこに木があったのではないかと個人的には考えている。横丁側は2階の窓に戸袋が付いていたりもするので、こちらはやはり木造だったのではないだろうか。

 戦前版(1934-39)の火災保険特殊地図には名前の記載はない。戦後版(1951)の図では「溝口計理」となっていて、溝田を溝口と誤記してしまったようだ。「ぼくの近代建築コレクション」によれば、2012年前後に取り壊されたという。

溝田経理事務所/本郷3丁目 - ぼくの近代建築コレクション
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Tokyo Lost Architecture  
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