高輪の階段巡りで外すことができないのがここ。
石垣の間を下る直線階段
所在地:港区高輪1-27
Photo 2006.3.5
松光寺の階段のすぐ近くにある細く長く真っ直ぐな階段。二本榎通から西へと下る。お城のようにそびえる石垣に挟まれて谷底へ下りていく感覚は、他ではあまり味わえないもの。個人的には、都心部にある階段の中で、味わい深い階段ベスト10に入れたい。
Photo 2006.3.5
Photo 1996.3.31
桜田通りへの抜け道でもあるため、狭い階段なのだが、意外に通り抜ける人は多い。知る人ぞ知る秘密の道。人ひとりがようやく通れるような、すれ違いにも苦労する階段を歩く人が多いのは、この不思議な雰囲気の空間を楽しみたい気持ちもあるのではないだろうか。自動車も自転車も全く来ない静かな道。
遠くには明治学院大学の校舎が見える。そして上には桜が。
Photo 1995.2.23
Photo 1996.3.31
一番下から見ると、両側の石垣の上に住居がそびえ立っている。このスケール感は、本郷の一葉の路地奥の階段と似ている。ただこちらの階段は30m以上の長さがある。細く長く続く姿は、奥の方へと私たちを誘う。
階段下には松光寺の階段へと抜ける飛び石路地が以前はあった。ただ残念ながらこの超プライベートな路地は、古い木造住宅が解体されたのと同時に、空き地の中の寂しい道になってしまった。路地の奥から私を見つめる視線あり・・・。
Photo 2006.3.5
Photo 2006.3.5
上の写真は、階段の途中にあるアパートの裏口?へのアプローチ。とんでもない傾斜で、しかも手摺なし!。石垣にへばりつきながら恐る恐る上って覗き込むと、すごいことになっている。
谷底状になった階段からは近くにできた超高層マンションが見える。全く異質な世界が見えている不思議な感じ。
Photo 2006.3.5
Photo 1995.2.23
階段の北側には、わき道階段が二箇所あり、迷路状に繋がっている。左の写真は、お家の玄関先を抜けるわき道。写真を撮っていたら、この家に住んでいる御婆様が買い物から帰っていらした。恐縮しながら、玄関先を通らせて頂く。右は木造アパートへと抜けるわき道。どちらもかなりプライベートなルート。
この階段の全貌は写真では説明しきれないかもしれない。空中写真などを使わないとこの複雑な路地構造は伝えにくい。だから、時間ができたら、ぜひこの階段のイラスト図面を作ってみたいと考えている。でもこんな路地で階段の図面なんか作ってたら、かなりの不審者になってしまうんだろうなぁ。
興味を持たれた方は、是非一度。とにかく驚くべき場所です。でも多人数で一度に行かないでね。
#階段・坂 港区 #街並み 港区 #路地
いつなくなるかわからないから良い、というのは残念ですがたしかにそういう面があるかもしれません。こういうのは路地が本当になくなってしまったら、それで終わりなんでしょうか? 私たちより後の世代は、また別の風景を懐かしい景色として感じるようになるのかしら?
真正面には超高層マンションがないので良いのですが、下の方で視界が広がるとドーンと・・・。それと、階段下の木造住宅がなくなって、妙にスカスカな場所ができたのが非常に残念です。
いいですね。飛び石の写真は桂離宮かと思ってしまいました(笑)
東京の路地裏の写真がとても良いのは、それが「いつ無くなってしまうか分からない風景」だからなのではないかと思いました。
もはや消滅した六本木ヒルズの荷風の家のところと並び、山の手珠玉の階段&迷路ゾーンでした。でも逆に尾根道(二本榎通り)側から西へとおりていくアングルだと、結構国道沿いの高層ビルがフレームに入ってくるのかしら。
時間ができたら、このよい季節のうちに徘徊したいと強く思いました。2001年にここで短い映像(8mm!)を撮ったことがあるので、今度お見せします。
GWにでも見に行ってみようと思います
勿論独りで