高輪台駅近くの道はとても印象的な抜け道。Photo 2006.3.10
港区高輪3-10
都営浅草線高輪台駅のすぐそばにとても印象的な抜け道がある。JR品川駅への近道になるのか、使い方が実はよくわからないのだが、不思議に多くの人が通り抜ける道。桜田通りから見ると、家と家の隙間に道があることは判るが、抜けられるかどうかは判然としない。だが、この場所に佇んでいると、次から次へ人が吸い込まれるように路地に入っていくので、行き止まりではなさそうだということがすぐ判る。
少し前までは手前の右側にも木造住宅があって、抜け道感というか奥行き感がもっとあったのだが、それが取り壊され、空地になって、あからさまになってしまったのは残念。
屋根が架かった建物の間は魚屋さん。お休みなのか廃業したのかわからないが、看板のある店先を抜けるのは面白い。雨の降る夕方、近くにある女子校の学生さんが頻繁に通る。こういう路地を女子高生が通り抜ける風景自体、ちょっと変わっている。
架かっている屋根自体は仮設的なもので、店先が雨で濡れないようにしただけの簡単な代物だが、このチープ感がまた良い。腰壁に茶色っぽいタイルが貼られている。白いモルタルとコントラストがあって縞模様がきれいだ。直線状の通路なのだが、物が置かれていたり、勝手口の引っ込みがあったりするので、ちょっとしたアーケード路地を通っている気分になれる。
通路に面した勝手口。コンクリートで作られた流し、電球の傘。素通りしてしまうのがもったいない趣。
反対側から。通路の奥が明るく、自動車の騒音が聞こえるため、こちら側からは、なんとなくこの先に大通りがあることが予見される。
この屋根があってこその面白い路地。わがままだけど、頼むから壊さないで欲しい。でも桜田通り沿いの建物はなくなり、隣接する場所には「建築計画のお知らせ」看板が付いていた。
(仮称)高輪台プロジェクト
共同住宅238戸
敷地面積 約2,200m2
地上29階、地下2階、最高高さ99.9m
着工予定:平成18年8月、完成予定:平成21年3月
むむむ。単純に考えても、40×50m程度の面積が開発される計算。
魚屋さんがやっていなかったようなのも、もしかすると・・・。
一枚目の写真の空地の更に右手は木造住宅が密集する場所で、細い路地もあるのだが、どうやらこの一角が丸ごと建て替えられる模様。今年の夏までにはこのあたりはすっかり更地になってしまうのだろうか。
#街並み 港区 #路地 #雨
路地という路地、坂道という坂道、階段も走り回りました。
asabataさんの記事は、手触り感というか、空気感が伝わるようです。
すべてが幻影のようですが、懐かしくもあり、この連休にも訪れ、趣味的に取材しました。整理してブログの記事にする予定です。
この記事の開発計画は初めて知りました。
残されてる幻影をデジカメに残しつつありますが、急がなければなりませんね。
桜田通り沿いの、モノリスのような巨大マンションの出現とともに消し去られた風景は、記憶の中に生きていますが、いったいどんな町にしようというのでしょうか。誰のための都市計画なのでしょうか。
そこが疑問ですね。
埼玉の空の下で、思いをめぐらせています。
コメントいただきありがとうございます。HPのほうも拝見させていただきました。毎週一回講義をしに川越に行っておりますので、川越関連の記事を興味深く拝見させていただきました。山吉百貨店の修復?も始まったようで、そちらもまた楽しみです。
ただ、川越の蔵造りの町並みはもう少し交通規制ができないんでしょうかね。土日は規制してるのかしら?授業の一環で見学に行くこともあるのですが、おちおち説明もしてられないし、写真を撮ると車が沢山写ってしまう。せっかくの観光資源なのにかなりもったいない扱いな気がしています。
今後も宜しくお願いいたします。
先にコメントの後、専門の方であることを知りました。
当方のブログは趣味の域を出ませんので、大変お恥ずかしい限りですが、建築関連の投稿につきましては、推測も含めて事実誤認もあろうかと思いますので、お気づきの点がありましたら、ご指摘いただければ幸甚です。
山吉百貨店の修復については、先に市役所の関係者からお話を伺う機会がありましたが、現オーナーの方は保存のご意向とのことでした。3月末には基礎の補強工事を行っていましたね。積極との印象を受けました。あのステンドグラスを失いたくないものです。
すぐそばに住んでるけど20年以上通ったことないなぁ。
もう壊されちゃってるのかも。もう一度目に焼き付けておきたかった。
私も30年前の小さな頃、この魚臭い路地を毎日のように行き来し、表通りの文房具屋や肉屋、そろばん教室、そして高校へ向かう駅にも通ったものです。魚勘の手前の空地は当時小さな町工場で、路地に藻の茂った水鉢が出してあって、そこに金魚が泳いでいた記憶があります。
先日通りがかりに訪ねたところ、既に高層マンションが完成間近で、最早この風景は見る事ができませんでした。
下のサイトの方々とも、こうして記録として残していただいている事で、もう見る事の出来ないと思っていた風景に出会うことができました。感謝です。
たまたま記事にしたのですが、
おもいのほか多くの方の記憶に残っている場所だったようで、
記事化してから時間が経った今でも、
こうしてコメントを下さる方がいらっしゃるのには、
私自身、少々驚いております。
懐かしい風景として、見て頂けるのは幸いです。