都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

天野たばこ店

2023-10-03 | 福岡県  
天野たばこ店
所在地:福岡市博多区 住吉3-5-14
構造・階数:木・2
解体年:2014〜15(平成26〜27)
Photo 1998.9.12

 福岡市内、住吉神社に向かう途中、ぶらぶら歩いていて見掛けたモルタル看板建築。
 2軒一組で、左側はたばこ店で右側は仕舞屋。右の方もかつてはなんらかの店だったのかもしれないが、この時点で既に仕舞屋だった。モルタル看板建築の右側(写真右手)は4軒つづきの長屋。看板建築とピッタリ接しているが、構造的には別物のようだった。

 瓦葺き屋根平入りで、窓は普通の引き戸だが、上部にアーチが描かれていて洋風なファサードになっていた。たばこ店には看板庇が付いていたが、昼間でも戸が閉ざされていて自販機も設置されていなかったので、この時点で既に廃業していたのかもしれない。ただ、出入りする人が写っており空き家ではなかったようだ。

 Googleストリートビューで確認したところ、このモルタル看板建築はその後も存続していた。ただ2011年の画像では1階部分にトタン板が立て付けられており、ポストもなくなり地面から草も生えている。従って、私が通り掛かって見た後、数年のうちに空き家になったのではないかと思われる。そして、2014年頃に建物は解体され、跡地は現在に至るまでコインパーキングになっている。

 一方、写真右手の4軒長屋は現在も残っているようだ。緑色の庇があるのは幸田時計店だが、Googleストリートビューで店が開いているのを確認できたのは2018年まで。その後の画像ではシャッターが閉じられたままになっていて、シャッターに落書きもされてしまっている。

 看板建築は関東大震災後に関東地方で多く建てられたものであり、西日本には少ないと言われている。確かに銅板張りの看板建築はほとんどないのかもしれないが、モルタル看板建築は多少はあるのかもしれない。関東では戦後は最初から看板建築にするつもりで、妻入りで建てているケースが多いそうだが、この建物は平入り。長屋状だったものを改築したからこうなっていたのかもしれないと思ったりもした。

#失われた建物 福岡県  #看板建築  #モルタル看板建築 
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コメント
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