ジョン・ハイズマン逝去のニュースを受け、
2007年に行なわれた、コロシアム来日公演の記事を
再録したいと思います。
【PROGCITTA' PRESENTS 2007】
コロシアム -COLOSSEUM-
イタリアンロックも呼んでくれるクラブチッタ川崎さん、
プログレチッタとしてコロシアムの来日も実現させたのだ。
あの60年代後半~70年代初頭のブリティッシュ・ジャズ
ロックを代表するバンド、コロシアムの再結成・初来日公演!
メンバーは、黄金期を飾ったツワモノ達!
リーダーのジョン・ハイズマン(dr)
クリス・ファーロウ(Vo)
デイヴ・グリーンスレイド(Key)
デイヴ“クレム”クレムソン(G)
マーク・クラーク(B、Vo)
バーバラ・トンプソン(Vo)
日程
2007年2月17日(土)
2007年2月18日(日)
会場
CLUB CITTA' 川崎
開場時間17:00 開演時間18:00
料金は前売:\8500(税込み)オーダー別
チケット発売は11月だが、先行予約で2月18日の券をGET。
これは凄いです。
ジョン・ハイズマンのドラムが聴けるのです。
そして当日の2007年02月18日
川崎へ行って来ました。
70年代英国ロックの先駆けとも言えたブリティッシュ・ジャズ・
ロック・バンド「コロシアム」のリユニオン・コンサートに。
60年代後半のブリティッシュ・ミュージックの人脈は、ジャズや
ブルースからロックに移行した異才の宝庫で。
J・ブルースやジンジャー・ベイカーが、そこから現れ、ブルース
・ロック演奏してたクラプトンと組んで「クリーム」を結成、大
きな成功を収めたのは有名な話。
周辺のミュージシャンも「よし、クリームの音楽性を拡張させた
バンドを演ってみよう!」と皆で燃えたのは容易に想像できる。
すれ違いあったとしても、同じグループに居たりして、クリームを
強烈に意識した「コロシアム」のメンバーたち。
改めてアルバムを聴いて「クリームっぽいフレーズや節回し」が
多いことに気がついた。
※後のテンペストでも同傾向あり・・・
ただし、ジャズっ気ある「コロシアム」はイキな風情が気に入って、
ずっと愛聴しております。
まぁ、ヤボったいと言えば、クリス・ファーロウさんのヴォーカルは
大味でイマイチ苦手なのだが。
ブルーアイド・ソウルで出てきて、プログレに流れ込んでくる節操の
なさは逆に立派とも言えるので、これまた「英国を代表するヴォーカ
リスト」を見届ける意義を感じたのです。
トリオのクリームに対して、大所帯のコロシアム。
ドラムでリーダーのジョン・ハイズマン。
キーボードのデイブ・グリーンスレイド
(後にグリーンスレイド結成)。
ギターのクレム・クレムソン
(元ベイカールー。後にハンブル・パイに加入)。
ベースにマーク・クラーク(後にハイズマンとテンペストを結成)。
サックスは、ディック・ヘクトール・スミスだったが、04年に亡く
なってしまったため、今回はバーバラ・トンプソンが参加。
それぞれ自分がリーダーとしてバンド組めるような面子がゴロゴロいる
コロシアム、ハナからスーパー・グループだったワケだ。
さあ、2007年のコロシアム。
会場暗転後、メンバーがステージに上がると、客席からは万感こもった
拍手が贈られた。
さすがにメンバーは還暦のオヤっさんたち、風貌に衰えは隠せないが
※バーバラ女史を捕まえて「最も若いメンバーだ」と紹介する一幕も・・・
オープニングはテンポの速い「Those About to Die」
その後、
「Theme For an Imaginary Western」(ジャック・ブルースの曲)
「Stormy Monday Blues」
~と立て続けに演奏され、円熟のテクに感無量のファンたち。
まぁ、全盛の「コロシアム・ライヴ」に比べたら(直前までイヤホンで
聴いてました)荒々しさやパワーに翳りあるのは否めないが。
そりゃ、いつまでも20代じゃないんだから、仕方ありませんよ。
それより、個々の見せ場を大事に、丁寧に演奏している感じが「今」
らしくて良かった。
「もう昔みたいに音の塊を団子にして放り出すトシじゃないよ」って
事だろう。
風貌だって違うんだし。
クリス・ファーロウなんて、2曲目で出てきた時
「どこのレスラーだ!?」と思ったくらいに巨大化してたし。
まぁ、グリーンスレイドのオルガンの音は、英国らしい響きが以前の
ままだったし、クレムソンのギターの音色も素晴らしかったからOK!
曲は続き(順不同)
「Tomorrow's Blues」
「Rope Ladder to the Moon」
「Valentyne Suite」で皆、感激。
さすがに大作「バレンタイン組曲」は全盛時でも完璧には再演できて
ないから、ここでのペースダウンは仕方なしか。
※それでもクラークのベース・ソロは素晴らしかった!
そして個人的には同バンドで最も好きな「公園の散策」がブルース・
ソングのエンディングに続いて始まった!
原題は「Walking in the Park」。
ハイズマンの変幻自在・縦横無尽なドラミングと演奏隊の一体感に
私は、もうノックアウト寸前。
ウザかったファーロウさんのスキャットも心地よい。
そして、ギターのクレム・クレムソン。
弾いてます!ワウペダル踏んでます!腕と音色に衰えありません!
風貌は「金の掛かってないクラプトン」みたいだが。ソロの合間に
「スプーンフル」などクリームの曲やったりして「あんた、やっぱり
クラプトンになりたかったのか!?でもアンタはアンタで格好良いよ」
・・・と思わせてくれまして(涙)。
「公園の散策」はエンディングを迎え、ギターと怒涛のリズム隊の畳み
込みが、71年のライヴ盤そのまんまで、もう感動に次ぐ感動。
個人的には、これと「Lost Angeles」あたりが本日のハイライトでした。
ハイズマンも、曲ごとにハーハー言ってるのにMCやってくれたし。
M・クラークも声出てたし。バーバラ・トンプソンは、足長くてスタイル
抜群だったし。
もう、感激の時間を満喫しましたよ。
「Walking in the Park」のエンディングなんて演者も「オレら、すげえ
イケてんじゃん!」と満面の笑顔だったし。
ファンは「あんたらスゲェェェェェよぅ!」と感動の表情だったし。
言語も国境も超えて、演者と観客の高揚感が相乗して高みに上った瞬間。
それを体験しました。
※終演後はファンがサインを貰おうとレコードジャケットを持って待機
してましたよ。
「グリーンスレイド」のLP持ってる人もいて、デイヴが喜んでました。
本当に大感激の「コロシアム日本公演」。メンバーに感謝です。
クラブチッタ川崎さんにもお礼を申し上げたい。
ホール公演もイイけれど
クラブチッタやリキッドルーム、クラブクアトロといった演者との
距離が近いハコは格別の感激が味あえます。
是非また英プログレ・バンドを呼んでください。
お願いいたします!
~で結んだ後、
当時の本文ではリクエストとして「スプーキィ・トゥース」や「VDGG」
「ファミリー」の名を書いた気がする。
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターは来日したが、トゥースは
マイク・ハリソンが死去、ファミリーもチャップマンが音楽活動から
引退した…。
やっぱり見れる時に見とかないとね。元気なうちに呼んでくれないと…ね。