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ロベルト・デュランを彩った人々(3)「レイ・アーセル氏」

2014年09月24日 | ボクシング
レイ・アーセル氏
1899年インディアナ生まれの白人トレーナー。
18人もの世界王者を鍛えた。

主要な王者の名前を挙げれば、名王者が次々と登場してくる。
ベニー・レナード、エザード・チャールズ、ジム・ブラドッグ、
バーニー・ロス、トニー・ゼール、セフェリノ・ガルシア、
アルフォンソ・フレーザー、フランキー・ジェナロ、シクスト・エスコバル、
ロベルト・デュラン、ラリー・ホームズ・・・

ベニー・レナードのようにカムバック後に付いた王者もいるし、
ホームズみたいに一試合(クーニー戦)のみコーナーマンを務めた例も
ありますが。
まぁ伝説的なKOパンチを放った選手も一人や二人じゃありません。



デュラン絡みで言えば、
すでに70歳を過ぎたアーセル氏は引退してたが、エレタ氏は若きデュランに
名トレーナーを付けようと、隠居先まで連絡して依頼したんだとか。

アーセル氏がパナメーニョのアルフォンソ・フレイザーを育てていた事で
その手腕は承知しており、デュランを任せる事への信頼は充分だったんですな。

小林弘さんは自分が戦った頃のデュランを評して、
「速かったがオーソドックスな選手」
「後にあんな大選手になるとは思わなかった」と語られたが
アーセル氏は、そこからデュラン本来の資質を伸ばし、時には攻め急いで
スリップダウンする程の攻撃性を開放させたとも言えるでしょうな。



あまり、あれこれ言わずに選手の長所を伸ばすタイプのトレーナーだったと
言われてますが、そういう意味ではデュランとの相性も良かったんでしょう。

デュランはスペイン語、アーセル氏は英語・・・で、
言葉は殆ど通じなかったというが、そこはボクシング人。
英語のボクシング用語で意思の疎通は充分だったとの事。

私は、インターバル終了ギリギリまでデユランを休ませ、ゴングと同時に
デュランの両脇を「グイ」と持ち上げて送り出すアーセルさんの姿が
大好きでした。

開始ゴング直前に耳元で指示を与えたりしてねぇ・・・。

エネルギーの塊りみたいなデュランを、老トレーナーが後ろから抱っこして
「行け!」とリングに送り出す姿
教え子の体力を戦い以外には一切使わせまいとする姿勢・・・。

素晴らしかったです。
その姿だけでも「名トレーナー」の称号に相応しかったと思います。


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