あるBOX(改)

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女番長 野良猫ロック

2002年05月25日 | 邦楽
今日はスポ紙にボクシングネタ無し。
よって またもやアキコ和田ネタ。



私が日本製70年代青春映画の傑作だと密かに考える「女番長 野良猫ロック」
(日活/ホリ企画)。
主演は和田アキコ。
監督は長谷部安春。
舞台は60年代の香り残る新宿。
登場するのは、ライブハウスに たむろす女性グループ
(リーダーは梶芽衣子。そして范文雀。なぜか十勝花子も)。
抗争相手の後ろ盾に中丸忠雄・睦五郎(上司役、政治家役で おなじみ)演じる
知性派ヤクザ=右翼。
同チンピラ役の藤竜也。梶芽衣子の幼なじみ役・和田浩治(ヤクザにあこがれ、
上記団体の準構成員へ)。
同じく幼なじみの黒人混血児ボクサー役のケン・サンダース。
そしてナナハンに跨って新宿に流れてきた和田アキコ(助っ人として梶芽衣子と
タッグを組む)。

組織への土産として、幼なじみのボクサーに八百長を持ち掛ける和田浩治
(毎度のパターンだが)。
親友の頼みを受け、一旦はKO負け寸前のピンチに陥るサンダース
(カーロス・リベラ系)。
だが、ボクサーの闘争心が それを許さず(アッコの叱咤もあり)逆転のKO

勝利を収めてしまう。(「・・・ボクは負けたくなかったんだ」と云う科白に、
ボクシングに対する一応の誠意あり。
協力に後楽園ホールと田辺ジム。レフェリーは若き日の森田健!)

組織のリンチを受け逃走する和田浩治(ちょっとショボイ)。
不気味な笑い声とともにバギーカーで追う藤竜也(コイツがどんな時でも笑ってる
から面白い。まだ若く頬はパンパン)。
組織の包囲は厳しく、新宿から一歩も出れないアッコ&芽衣子グループは遂に
溜まり場のライブハウスへ立て篭もる。

絶望の中、当時無名の井上陽水(アンドレ・カンドレ)が虚無感溢れるギターの
弾き語り・・・。
アッコとメイは決意する。青竜会の本部へ直接逆襲をかけるしかないと・・・。

粗筋は こんなものですが、「女番長」ってタイトルに反して主人公たちの
ファッションがサイケデリック入ってて素敵だったりするんです。

冒頭の女同士の決闘でも、ミニのワンピースだったりして、まるでモッズガール。
ライヴハウスのシーンでも、演奏はGS。

特にモップスは、サイケなキーボードにファズギターがカッコ良くて、まるで
スプーキー・トゥース(英国のサイケ~ヘヴィロックバンド)のよう!

Vo.の鈴木ヒロミツを押し退けて、アッコが歌う持ち歌の「ボーイズ&ガールズ」
(ダイナマイトソウル・アキコ・ワダ収録)は、元曲もソウルナンバー風でカッコ
イイのですが、
モップス演奏ヴァージョンのサイケヘヴィロック風も滅茶苦茶カッコイイ!!!

古今東西の傑作青春映画と言えば、私は「長距離ランナーの孤独」を、まず思い
浮かべるのだが(あしたのジョーの雛型的でさえある鑑別所モノ)、
不良少年ジャンルと言っても さすが英国映画、シャバでのスーツの着こなしは
キマっているし、俊足を所長に買われての対抗マラソンでの虚無感あふれる結末には、
「65年でこれほど凄いモノ作られちゃったら後の人間はやる事ないじゃないか!」
と思えるほど。
ただし、この英国映画は完璧ではない。

青春映画に不可欠な「発表当時の音楽シーン」が全く描かれて無いからだ。
効果音も古臭い管楽器の金切り音。

65年のイギリスなら、スキッフルブームを経て自国産のジャズ~ブルースブームの
真っ只中のはず。
主人公がクラブでグラハム・ボンド・オーガニゼーションの生演奏をバックに踊る
シーンでもあったら・・・「長距離ランナーの孤独」は非の打ち所の無い傑作に
なっていただろう。

「女番長 野良猫ロック」は、その点だけは「長距離ランナーの孤独」を超えている。


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