カラオケで暴走

事業所の長が勇退するってんで

本社も巻き込んだ送別会が催された

まぁ
レベルの低～い天下りだったが
歳相応の雰囲気で取引先様のクレームに
身をさらしていたので、労いくらいはしようと
私らしくもなく参加したのでした

もっとも
言いがかりレベルのクレームも真に受けて
ギャーギャー言って来るような上司だったので

「防波堤になってはくれなかったなぁ」・・・
てな印象で、「お世話になりました」って言う
気はサラサラなかったですがね

半分冷やかしの参加。本社お歴々前で飲む酒は
余り美味くはなかったが

2次会のカラオケでは、誰も歌わない事に業を煮やし
私は弾けた

ガンガン登録しガンガン歌った。がなった

無難にスローな「タイガー＆ドラゴン」を歌い
「雰囲気は大丈夫だな」と感じたら、後は
ハイテンポのチューン連発

しかし
その最中で「主賓」の曲が挟まったのは予想外だった

歌い終わった主賓が「このたびは・・・」と
マイクで語りだしたのだ

「あ～あ、さっき一次会で挨拶は終わってんのに」
・・・と思っていたら次の曲のイントロが始まった



あ、オレが入れたユニコーンの「WAO!」だ

普通はココで「主賓が挨拶してんのだから、リモコンの
『演奏停止』ボタンを押さなきゃ・・・」と思うのが
常識だろうが

そのとき私の頭の中にゃ、そんな事これっぽっちも
浮かばなかった

「おいしい！」

・・・としか思わなかった

すでに
脱兎の如き速さで舞台に駆けていた

マイクを取るや

「WAO!」

・・・と叫んでいた

事業所の連中は爆笑していた

本社の連中は・・・（良く憶えてないわ）

結局、「もうエエわ！」と
次々と景気のイイ曲を登録しては歌った

腕もグルグル回してた気がする

翌日は喉がガラガラだった
手も痛かった（どっかブツけたらしい）

・・・ま
たまにはバカもやらないとね
本社の連中にも現場に親近感持って欲しいしね

※そうしてまた私の出世のメが失われていくのだった・・・