あるBOX(改)

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思い出の名勝負「ダニー・ロペスvsファン・マルバレス」

2011年03月06日 | ボクシング
ニューオリンズ、アストロドーム
1978年9月15日
【WBC世界フェザー級タイトルマッチ15回戦】

王者:ダニー“リトルレッド”ロペス(米国)37勝35KO3敗
5位:ファン・アルバレス(亜)42勝22KO6敗8分け

アリvsスピンクスⅡのアンダーカード。
この日は、ルハンvsダビラのWBAバンタム級タイトル戦、
ロスマンvsガリンデスⅠのWBCライト・ヘビー級タイトル戦と この試合で
「世界初の4大タイトルマッチ」と云う巨大興行だった。

王者ロペス(26才)に取っては4度目の防衛戦。

第1R
ゴング早々、左で突っ掛かるアルゼンチン王者ファン・ドミンゴ・アルバレス。
長めパーマの黒髪、いかつい肩。同国人のガリンデスや後のホルヘ・カストロを
連想させる風貌だが脇腹から下はスマート(笑)。
決してズングリ・ファイターでは無い。
ロペスが長身だから チョットそう見えるけど。

コメンテーター、ハワード・コセル氏にスロースターターぶりを紹介された王者は、
ジックリと様子見。その回りを旋回する挑戦者。距離取りも中々うまい。
大きく踏みこんで強打を2発ほど打っては離れる。危険なタイミングで貰う王者、
開始30秒にアルバレスの右・左・右の連打を浴びて横倒しにダウン!!
※右を肩越しに、続く左フックをマトモに正面から食らって顔面上がったトコロに、
また肩越しの右の痛烈なスリーパンチ・コンビネーション!

立ち上がった王者だが効いている!
それでも いつも通りにプレッシャーを掛けるしかないロペス、
前に出ては迎え打たれる悪循環か?

第2R
ペース取りを急いでか、ロペスが圧力を強める。
突っ立ってのジワジワ前進だから反撃も食らうが、見た目以上に挑戦者は威圧されて
いるのか。アルバレスは攻めながらも どこか慎重だ。

王者の右が届く。しかしアルバレスの左から右で後方にタタラを踏むロペス。
まだ効いている?

後続を狙うアルバレスだが右をカウンターされ後退。
ここは御愛嬌と もう一度、踏み込んで右アッパーを狙った瞬間 ロペスの右が
カウンターとなってヒット!
前のめりのトコロに左から右の打ち降ろしでアルバレス、ダウ~ン!!!

これは凄い試合だ!ダウンの応酬だ!!
・・・・と思っていたらアルバレスが起きれない!
オイオイどうした!?

腹這いのままネコのように顔をグラブで拭ってる場合じゃないだろう!?
「これで1度ずつダウン、試合はまだまだ分りません!」ってトコロじゃないの!?

マルバレスやっと四つん這いになったかと思ったが足が動かない!
上体を起こしたトコロでマルセロ・ベルチーニ(伊)レフェリーがカウントアウト!
ロペス、一瞬のパンチで逆転KOだ!!

そのままアルバレスは仰向けで完全に伸びてしまう!なんちゅう破壊力!

―――あっけない終了シーンだったが、反面 実にロペスらしいKO劇だった。
相変わらず、右ストレートは強振しているように見えないのに恐ろしく効く。

同時期の世界王者最高のKO率(ロペスは2位)を誇るカルロス・サラテさえ
連打型の印象あるのに、ダニー・ロペスは本当に一瞬で眠らせてしまう!
オクタビオ“ファモソ”ゴメスも うつ伏せでピクリともせずKOされた
(ロペス、無冠時代の黒星を強烈にKOで雪辱!)。

ロペスは結局、同級王座を7度防衛。
サルバドール・サンチェスに敗れて王座を失い、再戦でも第1戦のリピートのような
試合を演じて引退した。

兄、アーニー・ロペス(ウェルター級世界ランカー。ナポレスに挑戦しKO負け。
来日しムサシ中野をKO)に刺激されて始めたボクサー稼業、
(チャコンにKOされたのち連敗したりとスランプの時期もあったが)いつの間にか
世界王者として一時代を築く程になった。

王者となって技術的に大きな成長は無かったが、
「打たれたら打ち返す」エキサイティングなボクシングは多くのファンを楽しませた。
マシュー・フランクリン同様、鉄壁なボクサーでは無かったが自分も打たれる「戦う
激闘王者」として深く印象に残る愛すべきチャンピオンだったなぁ・・・。

一方マルバレスは、その後は南米王座を獲得し再浮上。
‘80年にWBA王者エウセビオ・ペドロサ(パナマ)に挑戦するも9RKOで
またも王座奪取ならず。南米王座も失い引退した。
ラストファイトで(後の世界Jフェザー級王者)セルヒオ・パルマに勝ったことが、
彼の最後の勲章であった。
叩き上げの強い世界ランカーだったなぁ!

P.S.ちなみに この試合もテレ朝で放送しておりました。


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