有田芳生の『酔醒漫録』

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検察審査会の奇々怪々(2)

2010-11-08 17:44:08 | 参議院

 11月8日(月)午後まで国会図書館で資料を読み込む。2時からは森ゆうこ議員の部屋で検察審査会の「くじ」の再現。パソコンソフトの保守点検を行う業者と最高裁関係者が出席。有権者100人から審査員(5人)と補充員(5人)を決める時間はほんの数秒。検察審査会にはフロッピーあるいはCDで選管から人口に比例して無作為で選んだ20歳以上の名簿が送られてくる。毎年のはじめに1年分400人が選ばれ、それをもとに100人づつにわける。そこから10人を決めるのだ。最高裁が依頼した業者(毎年入札で決まる)が100人に通知書を配送する。質問にコールセンターが答えるシステムもある。審査員を受けるかどうかの返事は検察事務局が受ける。10人が決まって辞退者が出れば追加補充員が再びくじで決められる。くじには判事と検事が立ち会うが、どこでくじをするかは決まっていない。会議室など「どこか」で行われるのだという。10人の審査員が決まってもその人が出席するかどうかはわからない。そのときには補充員が出席するから、選任されたときと議決が行われるときの平均年齢は異なる。東京第5検察審査会で2回とも平均年齢が34・55歳とは「数学的にありえない」(芳沢光雄・桜美林大学教授に聞いたコメント)。何しろ辞退者がどれだけいるか明らかにされないから、選任の母数はわからないままくじが行われている。したがって恣意的な議決が行われたとしても闇に隠されたままなのである。3時から5時まで「チームS」の検討会。川添由香子秘書と小野卓也秘書も参加。この問題は解決まで追及していく。


本音の菅直人首相答弁ー「私もそうしたいんです」

2010-11-04 18:29:22 | 参議院

 11月4日(木)本会議が終わった。「官僚の書いた答弁書をそのまま読むな」との質問に菅直人首相は「私もそうしたいんです」と答えて議場がざわめく。答弁漏れがないように、しかも質問内容が遅くになってしかわからないからだと説明。TPPについての与野党の質問には歯切れの悪い答弁だった。菅首相の答弁時にはいつものように野次が飛び交う。「首相失格」「あなたがやめる以外にないんだよ」「いいとこどりするなよ」「ボー読みするな」「中身のない答弁をするな」……。こんな国会を見ていれば、玉石混交ではあるのだが、既成政治への不満と批判としてアナーキーな心情が広がるばかりではないか。民主党の舟山康江議員が「決算重視の参議院」として与野党を超えて議論し、予算編成に決算結果を反映させるべきと述べたことは正論だ。「国会よ蘇れ」と思う議員もきっと多いことだろう。


沖縄県知事選挙ーー伊波洋一さんを支持する

2010-11-03 12:35:26 | 参議院

 11月3日(水)昨日の議員総会で沖縄県知事選挙について「自主投票だが応援はしないこと。ただし観光はいい」と参議院幹事長から指示があった。民主党としての対応で、岡田克也幹事長は現地に入って応援をすれば処分すると発言している。「自主投票だが応援するな」という何とも解せない政治判断だ。私は参議院選挙の前の4月に普天間基地移転問題を調査すべく、沖縄に行った。「語る」ためには現地を見ておかなければならないと判断したからだ。まず宜野湾市に向かい、伊波洋一市長から詳しく実状を伺った。そのあと普天間飛行場を見て、夜には「噂の真相」の岡留安則さんと泡盛を酌み交わした。大江健三郎さんや筑紫哲也さんが好んだ「沖縄第一ホテル」を拠点とした数日は参議院選挙の不安を抱えながらも豊かな時間であった。私は現地取材に基づいて「琉球新報」(4月18日付「論壇」)に〈「早期閉鎖」こそ緊急課題〉という原稿を書いた。あれから半年あまり。11月11日告示、28日投票で県知事選挙が行われ、現職知事に対抗して伊波洋一さんが立候補する。いま伊波さんの『普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。』(かもがわ出版)を読みはじめている。私は基地問題で一環した立場を取り、海外移転への建設的対案を持っている伊波洋一さんを支持する。


検察審査会の奇々怪々

2010-11-02 18:12:57 | 参議院

 11月2日(火)夜9時からの「ニコニコ動画」出演の準備をしていて驚いた。10月26日の法務委員会で「検察審査会」について質問したときの速記録(未定稿)を読み返していたときのこと。私は「議事録はあるわけですよね」と問うた。それに対して最高裁判所長官代理者は「検察審査会議の会議録は、検察審査会議についてつくると承知をしておりますが、検察審査会議は非公開と法律で定められておりまして」と答えた。検察審査会法「第二十八条」にはこうある。「検察審査会の議事については、会議録を作らなければならない」。私は「議事について」の「会議録」だから、てっきり議事内容が記録されていると判断した。ところが、どうやらそうではないようだ。「週刊プレイボーイ」(11月15日号)の〈「検察審査会」メンバーはホントに存在するのか?〉という記事に東京第1検察審査会総務課課長へのインタビューがある。「議事録を見せてください」との質問への回答である。「議事録といったものはつけておりません。会議の実施日時や参加者を記録する会議録ならありますが……」。「議事録がない!てことは、審査員の誰が何をしゃべったか、一切記録に残っていないってこと?」とさらに問うと「そうなります」と課長は答えている。こんなバカなことはない。「議事について」の記録を作っていないならば、それは検察審査会法「第二十八条」に反している。ところが「第十章 罰則」には、審査員が「秘密を漏らした」ときなどの規定があるだけである。透明性も公平性もないどころか暗黒の検察審査会である。


ジャイアンツを引退した大道典良さん来訪

2010-11-02 15:41:55 | 参議院

 11月2日(火)本会議で「平成22年度補正財政演説」が行われた。そののち会館事務所に読売巨人軍を引退した大道典良さんが来訪。18歳でプロ野球に入団し、23年間現役を続けてきた。石井浩郎議員(自民党)と渡辺周議員(民主党の野球議連)も部屋に来て、しばし雑談。プロ野球とアマチュアの交流が禁止されているので、たとえば母校の高校生に「がんばって」とさえ言えないという。プロ野球選手としての平均「寿命」は4、5年。その後の就職が保証されていないことが理由でプロ行きを諦める人もいるそうだ。母校のコーチなどになる選択肢もできれば、野球の技量向上だけでなく、生活不安の解消にもなる。そうした改革が必要だ。坂崎重盛さんから電話。『東京煮込み横丁評判記』が文庫になるので、私も登場するところについて「再録してもいいか。公人だから」とご配慮いただいた。浅草の「正ちゃん」で吉田類さんと3人で飲んだときのエッセイである。もちろん問題などない。警察庁から調査資料が届き、説明をいただく。さらに農林水産省大臣官房からは「TPP」(Trans-Pacific Partnership Agreement=環太平洋連携協定)の説明があった。交渉参加の入り口で高いハードルが課されそうだ。2国間のFTAなどを広げることが農業などを守りつつ「開国」する道ではないか。今夜は「ニコニコ動画」に出演。いまから準備をはじめる。


小沢一郎「国会招致」への疑問

2010-11-01 12:29:39 | 参議院

  11月1日(月)ある問題で警察庁に問い合わせ。「何のため」と聞かれても、調査のためとしか答えようがない。「質問」を念頭に日常の諸事万端を見ていかなければ、「在庫切れ」になってしまうからだ。小沢一郎さんを国会招致することについて深い憂慮がある。なぜならいまの議論の情況では、事実に基づいて冷静で紳士的な議論ができるかといえば、大きな疑問があるからだ。菅直人首相に対しても、野次ではなく質問でも「空きカン」「すっからカン」などと平気で揶揄が行われる。これでは単なる権力闘争の域を出ない。政党間の国会運営上の取引になるのではこれまで通りの展開だ。ならば「強制起訴」が行われるなら司法の場で最終決着をつければいい。小沢一郎さんのことだけではない。週刊誌や新聞が報じた「疑惑」を自らの足と眼で確認することのないような議論でいいのか。同じ言葉とレッテル貼りの繰り返しでは議論の水準としても低すぎる。かつて「爆弾男」と呼ばれた論客が野党には何人もいた。語気の強さと質問内容の充実が共鳴するような国会審議を創造しなければと思う。


参議院はこれでいいのか

2010-11-01 09:10:53 | 参議院

 11月1日(月)今日の午後3時以降あるいは明日に本会議が予定されていたが、いまだ決まらず。政治的かけひきとしての国会という次元ではなく、いま参議院のあり方が問われている。「日本国憲法」(童話屋)を開く。「第四章 国会」の冒頭は「第四十一条」だ。「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」とある。さらに「第四十五条」が衆議院、「第四十六条」が参議院についての規定だ。「参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する」。衆議院議員の任期が四年であり、解散があることなど、憲法の規定で衆議院と参議院は明確に区別されている。しかし参議院は審議の有り様など、まさに「衆議院のカーボンコピー」と言われても仕方がない現状だ。ましてや「ねじれ」情況のもとで、「良識の府」どころか、政府・与党を攻撃することに一部野党の主眼が置かれているため、冷静かつ建設的な議論が行われているとはとても思えない。汚い野次は象徴的だ。「こんな参議院なら…」(朝日新聞10月22日付)を読む。「議員の顔ぶれ変え多様性を」(福元健太郎・学習院大学教授)、「『ねじれ』本来の姿戻す好機」(斉藤十朗・元参議院議員)、「党議拘束外し、党派超えよ」(筆坂秀世・元参議院議員)。いくつもの提言がある。衆議院を予算審議に、参議院を決算審議に特化してはどうかなど、制度的変更についてはさまざまな議論ができるだろう。しかし基本は憲法が参議院の任期を六年としたところにある。解散がないがゆえに大きな射程で建設的議論を進めることが期待されているのだ。参議院議員がその自覚を持って徹底した調査を行い、しっかり準備した質問をしていくことだ。もちろん多くのすぐれた質問がある。しかしそこから乖離している傾向も見える。週刊誌の「関係者」コメントを読み上げ「これは本当か」などというレベルの質問など問題外だ。わがこととして参議院議員のあり方を考えている。