有田芳生の『酔醒漫録』

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尖閣諸島問題と福沢諭吉の「抵抗の精神」

2010-09-26 13:42:33 | 参議院

 9月25日(土)ジムで体重を計ると1・7キロも増えていた。インド・インドネシアへの旅では移動時間が長いため、飛行機や車に座りつつ、食事だけは3食きちんと取っていたからだろう。意識的に歩かなければ大変だ。尖閣列島で逮捕された中国船船長が釈放されたことについてツイッターにこう書いた。〈中国船長釈放が本当に那覇地検だけの判断だというなら、政府は国家主権の侵害を放置、容認したことになる。政治判断があったなら、それを明らかにすべきだ。逮捕に覚悟とヴィジョンはあったのか。露呈したのは「なかった」ことだ。藤原新也さんいうところの「無政府」である〉。いま明らかになってきていることは、船長の逮捕や釈放に政治が関わっていたであろうことである。毎日新聞は首相官邸筋の話としてこう書いている。「尖閣諸島問題では危機対応マニュアルで何通りものシュミレーションができている。このケースは現行犯逮捕だったが、仙谷由人官房長官が渋った」。危機対応マニュアル通りではなく、中途半端な対応だったというのだ。外務省や法務省も「検察の責任にするのはどうか」と政府に批判的だ。海上保安庁が違法行為を行った中国船船長を逮捕したことは当然である。すかさずビデオを公開すべきであった。さらには起訴して法に基づいて裁判を進めなければならなかった。政府筋はしかしそれでは日本製品の不買運動や国交断絶までありえたとする。拘束されたフジタ社員も最悪の場合は死刑になり、レアアース輸出措置も滞ったままで事実上の禁輸だというコメントを流した。そうした危惧を解決することこそが外交力だ。ここで大切なことは原則である。尖閣列島は日本領土であるから、中国船の違法行為は日本の法律に基づいて厳正に対処する。日本にとっての領土問題とは北方領土と竹島だけだ。これが基本原則である。そこに中国が圧力を行使してきたなら、主権国家として外交努力をしつつ、福沢諭吉が唱えたように「痩我慢の説」による「抵抗の精神」を毅然として発揮しなければならない。


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9 コメント

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08年、台湾の遊漁船が海保船へぶつかってきて沈... (本田春行)
2010-09-26 14:19:19
08年、台湾の遊漁船が海保船へぶつかってきて沈没したと海保が発表したが、たまたま遊漁船の客がビデヲを撮っていて海保の嘘が発覚し政府が謝罪した経緯があるように、ビデオを公表しないのは出来ない訳があるのだろう。
この国の取り締まる側(検察・検事・警察・海保)の程度の低さが政権交代で表にさらけ出されて来た感がある。
いまこそ与党は、これら腐った組織(官僚権力)を根底から立て直す気概が無ければ血税を払わされる国民は堪ったもんではない、ましてや日本は世界から相手にされない時が来るだろう。
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基本原則が確立していなければ、どこまで寛容にな... (tora)
2010-09-26 15:34:31
基本原則が確立していなければ、どこまで寛容になるんだという話ですよね。
これでまた同様のケースが起きたら、また地検の判断で釈放を「了」とするんでしょうか。
さらに、他国軍によって尖閣が占領され、実効支配が始まっても「了」とするんでしょうか。
だったら、この国の主権はどこにあるんですかね。

役人、それも検察の判断にして有耶無耶にしようというこの姿勢。
民主党の政治主導というのはこういう意味なんでしょうか。
この問題とこの失策は、想像以上に大きなダメージだと思います。
国民の日本人としてのプライド、日本という国のプライドが大きく傷つけられました。
僕はこれまで日本は法治国家だと思ってましたが、これでは放置国家ですね(笑)

正直、呆れてます。
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嗚呼、情けない!話です。 (外国に 負けてばかりの 日本かな(狂歌)
2010-09-26 19:23:32
嗚呼、情けない!話です。

ビデオを世界にどうして公開せず、しかも、米国にすがってばかり、悲しいね。
それとも、今回の拿捕は、米国の命令!と思わず勘ぐりたくなりました。

中途半端に捕まえるくらいなら、さっさと返せばいい!
中国がなにをするか、予測もつかないのか!馬鹿たれが!と思いました。
国民には、偉そう!外国には、ぺこぺこ情けない!
もちろん、貿易は大切ですが、
だからといって、中途半端に喧嘩するなら、最初からするな!これで、中国は
諸島を自分らの領土とみなすでしょう。
外交力は、徳川時代以上にないのでは!と思います。
小沢氏に勝って満足するなら、勝った段階で、譲れよ!と思いました。



これを口実に米軍が沖縄にいる口実をわざと作ってやろうとしているなら、また、これほど国民を馬鹿にしたはなしはない。
米中は、かなり接近しているし、いよいよ、日本は、馬鹿にされまくり!なような気もします。

国民には、偉そうな官僚、検察。要するに、学校での成績のよさで自国民を見下し、それの通用しない外国にはぺこぺこしているように思えます。
もう、勝てないなら、もっと無駄なことはせず、資源を開発するくらいの科学力が必要ですね。
最近のドイツみたいな、太陽電池をたくさん、開発したように。日本にあるもので、何ができるか!わかりませんが、発明や、開発を国家が進めるべきでしょう!


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検察のした行為は総理が追認したのですから、もう... (佐藤健)
2010-09-26 20:22:03
検察のした行為は総理が追認したのですから、もう検察自体を責めるのは余り有意義ではないと思います。(内輪の責任の擦り付け合いで根本的な問題解決にならない)

それより、今後尖閣諸島の主権をどう守るか、そして日本の弱点をどう克服するかなど将来の利益について対策を打つのかが遥かに大事です。
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「東シナ海波高し」を仕組んだ勢力がいそうです。... (府中住人)
2010-09-27 10:06:39
「東シナ海波高し」を仕組んだ勢力がいそうです。防衛白書で中国の脅威をあおり、西南諸島への自衛隊シフト、沖縄の米軍の「抑止力」再々確認など、事態をつなぐ一本の糸が見えませんか。

船長逮捕時の国土交通相で、現外相の前原さんの責任はないのでしょうか。前外相の岡田さんもNHKで「今回の問題は司法問題であり外交案件ではない」とトンチンカンな発言をしていましたが、深夜に大使が呼び出されるような事態でもそうなんですかね。

この問題については、与野党の垣根を越えても国会で真相究明してもらいたいものです。
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 尖閣諸島問題でまた言論アドレナリンが沸騰して... (五十嵐茂)
2010-09-27 19:26:34
 尖閣諸島問題でまた言論アドレナリンが沸騰している。しかしその光景はこの国の言論のいつもの見慣れたパターンである。
 この問題の最大論点、われわれが拠るべき道理が示すものは、中国が無茶苦茶な領有権主張をわが国に突きつけて来たということある。その背景には中国共産党・政府の大国主義的膨張主義がひそんでいる。対中外交の最大の問題はここにある。
 普天間の問題もそうだったが、わが国の目下の言説においては、枝葉と中心の問題のバランスを失い、この理不尽な中国の主張を主要な対象とすることなく、そこに怒りは向けず、わが政府外交の不手際のあれこれを言い立てる方向に向かっている。
 いま必要なのは領有問題で断固中国に妥協せず、中国の領有権主張の支離滅裂さをひるむことなく追求し、国内世論を固め世界世論の良識に訴え、この問題での中国の主張の本質を明らかにすることだろう。
 こういう問題を通じてこそ、真の愛国主義が成長する。しかし自民党から共産党までこの国のヘタレはもっぱら政局問題に落とし込むことしか考えていない。中国共産党と不破氏の理論交流を自慢する日本共産党の批判の腰砕けぶりも際だっている。小沢待望論に落とし込もうとする者も現れそうである。
 中国指導部が外敵を設定し国内「愛国主義」を束ねるやり方と比べて、わが国のこんな論調はさぞかし彼らをニンマリさせているだろう。
 批判が、強大な外敵に向かうことなくいつも内に向かうというわが国マスコミの言論パターンは、仮借無い権力批判などというものではさらさらなく、内に向かう方が楽ですからという安易さの選択に過ぎない。
 こうしていつも本質は遠景に遠ざけられ、わが国外交が抱える真の困難から目はそらされる。
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 今回の尖閣諸島問題については、国民のナショナ... (サンペン)
2010-09-28 15:26:41
 今回の尖閣諸島問題については、国民のナショナリズムが非常に高揚しており、国民世論は一色になってしまっていると感じています。この状態についてとても心配しております。
 すなわち、ネット上でのコメントはその情報の浸透の速さから流れに沿わないコメントを書き込むことに私はとても躊躇してしまいます。このナショナリズムの高揚は、民主政治の危機を招くのではないかとさえ思えてくるほどです。
 当然のことながら立場上であれ、なんであれ、現政権を擁護する先生方もいらっしゃるはずですが、与党の先生方は、今回の政権の対応については説明責任を負っているはずです。この場合、マスコミの脱小沢という色分けを振り切って挙党体制といって第二次改造内閣を打ち立てたのですから、今現政権を批判する事は若干筋違いではないでしょうか。
 私自身も、民主党のほうが他の政党より優れていると思っていたのであり、代表は小沢さんがなったほうが良いと思っていたひとりではありますが、こういった事態に至ったことは、有権者として反省をしたいと思っております。前の代表戦が公正に行われたかどうかについては私も疑問が残っていますが、菅政権の継続という結果が出た以上、前の代表戦と全く逆の世論が形成されるようなことがあってはならないと思います。なぜこのようなことをいうかと言うと、このまま感情に流されて、また総辞職など政局不安になることは国益ではないと思うからです。
 いずれにしても、与党としては、情報公開と説明責任を果たしてゆくことが何より強く求められます。中間的良識派は、常に多数派とは限りません。先生方は為政者として政治的決定に関わっておられます。その立場からはナショナリズムが偏狭な方向に走ることのないよう、政府に対して、あるいは、国民に対して働きかけをしてほしいと存じます。また私もそのように努めたいと存じます。
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今回『"尖閣諸島問題と福沢諭吉の「抵抗の精神」 (WEBRONZA編集部)
2010-10-01 20:25:01
今回『"尖閣諸島問題と福沢諭吉の「抵抗の精神」
"』のブログをWEBRONZAテーマページにリンクさせていただきました。
不都合な場合、WEBRONZA@asahi.comにご連絡ください。
宜しくお願い致します。

WEBRONZA編集部
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映像流出元を名乗り出た海上保安官の嘆願書を全国... (大和魂)
2010-11-10 14:09:51
映像流出元を名乗り出た海上保安官の嘆願書を全国で集めましょう。
高見の見物では無責任すぎます!!・・・大和魂
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