有田芳生の『酔醒漫録』

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『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』の薦め

2010-09-27 10:11:26 | 読書

 9月26日(日)一気に秋が来たかのような爽やかな一日。石神井公園でも歩くかなと思ったものの、時間切れ。石川知裕議員が主催し佐藤優さんを講師に月1回議員会館で行われる勉強会の準備。テキストはマルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』(平凡社ライブラリー)。20代に読んだのは大月文庫版で「第2版」。平凡社版(もともとは太田出版刊)は「初版」で、マルクスの辛辣で巧みな形容詞や風刺が削除されず残されている。とはいえ1848年前後のフランスの歴史を知らないから理解するにはなかなか難解だ。2月革命で第2共和制が生まれ、ルイ・ボナパルトが選挙で74%の支持を得て大統領に就任。さらに2年後にクーデターを起し、議会を解散、戒厳令を敷いた。それでもクーデターの是非を問う国民投票では92%もの支持を獲得する。「大衆の熱狂」の源泉はどこにあるのか。これは現代日本政治を理解するうえでも必要な普遍的テーマだ。マルクスがいまでも有効なのは、偏狭なイデオロギーではなく、そこに歴史政治哲学があるからだ。インドの旅は調査が目的ゆえに自由に街を歩くことができなかった。その「不満」を解消すべく「スラムドッグ$ミリオネア」を見る。公開時に見たかったものの、選挙準備で叶わなかった。スラムで育った子供たちの「夢の行方」がどこにあるのかが見事に描かれている。過酷な現実をテーマとしたゆえにラストシーンはこれでよし。


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1 コメント

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お疲れ様です。 (大衆は 一人じゃ弱い だから組む(川柳のつもり))
2010-09-27 15:23:28
お疲れ様です。
佐藤優先生の講義は、私も、地下鉄丸の内線の茗荷谷駅近くの拓殖大学の、土曜の新日本学という講義を今年の一月に受講していて、それで、聴くことができました。今回もこの秋から来年の3月まで新日本学が始まりますし、たしか佐藤優先生は、来年の2月だったと思います。これから、受講の申し込みの予定です。
講師の方によっては、眠くなるのですが、佐藤先生のは、面白かったです。今でも、興奮したのを覚えています。

大衆の熱狂は、いろいろと要因はありそうですが、第一印象や、演説のうまさもあるでしょうね。あと、国民が過去の政治にがっかりした後で、やはり、昔のナポレオンの再現に期待したのでしょうか。もっとも、まず、新聞が煽って、それから、雪ダルマしきに膨れ上がって!
英語でも、(snowball)で、雪ダルマ式に増えるというみたいですし、そうなると、勢いで熱狂になっていくのでしょう。


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