10月18日(木)単行本『X』の執筆が滞って久しい。日常生活のなかでふと木村久夫さんの姿が脳裏に蘇ることはしばしばだ。気になっていても手に付かないのは、ロンドン取材に逡巡しているからだ。参議院選挙に出る前にロンドンにある公文書館を訪れ、裁判史料などを閲覧してきた。ところが選挙が終ったあとで、今度は戦争博物館に行く必要が出てきた。戦犯を処刑する映像が残っていることがわかったからだ。あるシーンはすでに見たのだが、全体像をつかみたい。なぜそれほど残酷なシーンを、しかも三方向からのカメラで記録したのか。その理由も調べなければならない。10月か11月に再訪するつもりだった。しかし総選挙がいつあるかわからない。そのための準備活動も必要だ。もし衆議院選挙に出るとしたら、おそらく「最後の闘い」になるだろう。悔いを残したくない。したがってロンドン行きを躊躇している。そんな気持ちでいるときに本屋で山折哲雄さんの『幸福と成功だけが人生か』(PHP研究所)を見つけた。都はるみさんファンの山折さんだ。何か書かれているかもしれないと手にしたところ、最終章の「敗北を抱きしめた日本人」で木村久夫さんについて触れていた。細かい事実誤認はある。しかし、ジョン?ダワーが『敗北を抱きしめて』(岩波書店)で木村久夫さんを取り上げたものの、処刑された原因に触れていないから「青年学徒の苦悩の深みを汲みつくすことはできない」と書いている。そのとおりなのだ。BC級戦犯とされた事件の全体像と遺書全文を明らかにしなければならない。内側から突きつけてくる衝動がある。人間は誰でも「一生」しかないのであって「二生」はない。当面する政治課題を終えたなら……。そう思うばかりだ。
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3 コメント
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- 次期衆議院議員選挙の出馬準備は今すぐに始めて欲... (ご隠居)
- 2007-10-19 10:16:07
- 次期衆議院議員選挙の出馬準備は今すぐに始めて欲しいのぉ。また応援しますよ。次から次に問題が出てくるのだから動けなくなるまで頑張って欲しいのぉ。まず当選しなくてはのぉ。
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- 昨日、鳥越氏が、「夜回り先生」こと水谷氏へのイ... (渡邉明)
- 2007-10-19 12:34:24
- 昨日、鳥越氏が、「夜回り先生」こと水谷氏へのインタビューが放送されていました。水谷氏は、伝道者的カリスマ先生とも評されているそうです。私は、カリスマとは言わないまでも、現代の伝道者(空海、日蓮、ペテロ、パウロなどのイメージと重なる意味で)というような思いがします。少し、連想法的で、失礼かもしれませんが、有田さんの逡巡に、次の言葉を思い出しました。「天が下の全ての事には季節があり、すべてのわざには時がある。生るるに時があり、死ぬるに時があり、~中略~捜すのに時があり、失うのに時がある。」(伝道の書3章より)。
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- 処刑場面の撮影ということで、会田雄次著「アーロ... (渡邉明)
- 2007-10-21 03:34:17
- 処刑場面の撮影ということで、会田雄次著「アーロン収容所」を思い起こし、拾い読みしました。文中、「イギリス人の残忍さ」で、英軍は、アメーバー赤痢の巣であるイラワジ河下に捕虜収容所を設け、カニを生食させ、血へどを吐いて死んで行く兵を双眼鏡で毎日観測していたと、チャンギーの監獄からきた一人の捕虜の談を記していました。合理的になされる残忍性。撮影に関しても、そこにつながる点があるのではないかと感じました。また、当時、インドをはじめ旧植民地兵への統制・支配を知らしむべしという意図があったのではないかと思います。
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