有田芳生の『酔醒漫録』

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またもや増刷した小林多喜二の「蟹工船」

2008-05-24 11:14:51 | 仰天

 5月23日(金)新幹線で大阪へ。読売テレビで「たかじんのそこまで言って委員会」の収録。廊下でデーブ・スペクター、岩田公雄解説委員、駒井千佳子リポーターと遭遇。控室には「ミヤネ屋」に移ったNディレクターも顔を出してくれた。しかも「たかじん」のゲストには土本武司元最高検察庁検事まで。まるで「ザ・ワイド」だ。テーマは四川大地震、裁判員制度、そして「カレセン」など。『カレセン』(アスペクト)がなぜか最近取り上げられるようになった。「平和」なものだ。タレントの磯山さやかさんが出演者に「○○オヤジ」と命名。三宅久之さんは「カミナリオヤジ」、勝谷誠彦さんと宮崎哲弥さんは「ギラギラオヤジ」、鈴木邦男さんは「カレオヤジ」、そして私は「ミステリアスオヤジ」。番組が終わったところで磯山さんが「昔からテレビを見ていてそう思ったんですよ」とのこと。きっとオウム真理教とテレサ・テンや都はるみとは結びつかないからだろう。伊丹空港に急ぎ、ANAで羽田。浜松町から京橋。「早瀬」で「週刊新潮」のM次長、I記者と食事。小林多喜二の『蟹工船』(新潮文庫)がまた4万部の増刷だという。新宿の紀伊国屋書店では文庫部門で1位。この動きでは50万部までいくとの予測がある。読者は圧倒的に20代から30代。多くは「派遣労働の実態と同じじゃないか」と自らの生活実感と同化して読んでいるようだ。もちろんなかには「ホラー小説」「ハードボイルド」として読む者もいるが、それは少数という調査結果がある。湯浅誠さんの『反貧困』(岩波新書)が売れていることにも共通する社会的内実がそこにはある。この動きが特定の政治勢力に集約されると判断すれば錯覚に陥る。この未分化の怒りと共感がどんな水路に流れるのか。そこが問題だ。