有田芳生の『酔醒漫録』

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亀田抗議電話対応マニュアル?

2006-08-05 09:01:14 | 怪文書

 8月4日(金)ボクシングの亀田チャンピオン疑惑はいまだ続いている。中継したTBSには抗議電話が10万本近く寄せられた。それに対するマニュアルがあるという。一 読した判断では本物のように思える。「なるべく電話は相手に切らせる事」「なるべく神妙な態度を装う事」などなど。実際にこうした文書を使っているのだとすれば何だか日本企業の情けなさを見たようで不 快感がある。何が不快かといえば「装う」ことを命じているからだ。ハンバーガーを売っている若者が10人分を買っても「こちらでお召し上がりになります か」などとマニュアル対応をするような水準だ。こんな子供だましのようなマニュアルではなく、もっと人間的受け答えができないのか。情報を伝えるマスコミ がこの程度なら恥ずかしくなる。それともTBSはこれが捏造マニュアルだとでもいうのだろうか。『単行本X』を書くために吉村昭さんの『戦艦武蔵ノー ト』(文春文庫)を読み返そうーーそう思い本棚をひっくり返すが見つからない。仕方なく文藝春秋の購買部に電話をすると書店には出していないが4冊だけ在 庫があるという。午後から麹町の文藝春秋に行き、『戦艦武蔵ノート』を購入。ついでにあるテレビ局関係者から入手した『単行本X』のための資料をコピー。 半蔵門まで歩く。汗がじわっと身体を包む。暑い。地下鉄で渋谷。東芝エンタテインメント試写室でニコール・キッドマン主演の「記憶の棘」を見た。どんな役 を演じてもこの俳優は美しいなあと感嘆した。その凛々しく魅惑的なキッドマンが精神的に影響されやすい女性を演じるのだから、その落差がまたいい。亡く なった夫ショーンの生まれ変わりは10歳の少年。婚約した主人公の前に現れた彼は、知るはずもない二人の過去を知っている。心揺れる彼女は、とうとうある 決意を固めた。

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 スクリーンを見ながら「どんな終り方をするのだろう」と気になったが、「そうか」と氷解する仕掛けが憎い。ところがその解答を与えられたところ で疑問がいくつも生れてくる。渋谷の街を歩きながら不気味な気分が襲ってきた。永遠の愛や輪廻転生は果してあるのか。いったいあの少年はショーンだったの か……。ジムで泳ぎ銀座の「てつ」に顔を出す。狭いカウンターのすぐ隣にはプカプカと煙草を吸う女性。身体を退け反らし、テレビのプロ野球中継を観ながら 酒を飲む。店主が言った。「巨人とかけてマルシアと解く、その心は……」。うーんと迷っていたら答えを教えてくれた。「振り向けば横浜」だった。巨人は5 位で最下位が横浜。マルシアのかつてのヒット曲が「振り向けば横浜」なのだった。その横浜にも負けて巨人は最下位に転落してしまった。長嶋茂雄さんが監督 になった1年目(1975年)の巨人が最下位だった。今年もそんな趨勢だ。この暑さに日本酒の熱燗を飲み、ふらりとバー「ル・ヴェール」へ。カクテルを飲 みながら、雑談。大竹聡さんの『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』(酒とつまみ社〈仮〉)がいよいよ発売となった。「はじめに」の冒頭で「実にどう も、バカバカしい本であります」と書いてあった。著者紹介によれば、乗り物酔いに効くからと自宅のウイスキーを盗み飲みしたのが小学生だったというから驚 く。「バカバカしい本」は気楽に読めるからいい。