The Last Battle (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
池の底から死んだライオンの皮を見つけたサルのShift。ずるがしこいShiftはお人よしのロバPuzzleにその皮を着せて、彼をAslanと偽って皆を従わせることを思いついた。
Aslanがあらわれたという知らせはNarniaの王Tirianのもとにも届いた。それとともに森で木を切り倒してい者がいると聞いたTirian王はユニコーンのJewlとともに急いで調べに走った。しかし、そこで見たのはAslanの命令だと言って、物言う動物たちに鞭打ち、木を切り倒しているCalormenの人間たちだった。彼らに捕まってしまったTirianとJewelはShiftのもとに連れて行かれ、木に縛り付けられてしまう。
一方、Pevensie兄妹らと食事をしていたEustaceとJill。そこに突然、亡霊のようにあらわれたNarnia風の人物(Tirian)に驚く一同。何も言わずに消え去ったその人物に、これはNarniaに何か重大なことが起こったのではないか、Narniaに行って確かめなければ、と思う一同だがどうやってNarniaに行くかが問題だ・・・。
感想
Caspianの息子Rilian王の時代から200年以上は経っているとのこと。
最初にサルとロバが出て来て一体何の話かと思いますが、この一匹のサルの悪知恵から破滅が始まります。この悪巧みにCalormen人が乗っかり攻め込んできます。Tirian王は立派な王ですが、なにせ味方が少ない。王様なんだからもっとお供を付けなされ、という感じです。
The Silver Chair(11/3/31)で活躍したEustaceとJillがTirianを助けにNarniaへ行きます。どうやって行ったかはネタばれになるので言えませんが、どうにかして行きます。前回Narniaで旅をした経験がかなり役に立っていて、Jillなどはサバイバルはお手の物という感じですごく頼もしい。しかし、サルに裏をかかれてどうにもならず。The Last Battleというタイトルから大軍勢対大軍勢という派手な戦いのイメージを勝手に持っていたのですが、そうじゃないんですね。本当になすすべもなく、虚しい抵抗といった感じです。前回Magician's Nephew(11/5/12)でNarniaの誕生の話を読んだばかりだというのに、なんだか不思議な気がします。
この長い年代記が、Aslanの衝撃的な一言で終了するとは・・・。そんな事実を突きつけられるとは思わず、あら?ぬか喜び?
でも最後は自分もふわふわと飛んでいるような気分を味わいましたよ。
こういうラストをこちらの世界では悲劇というのは間違いないと思うのですが、最後に作者の数十行の感動的なフォローがあるおかげで、なんだかハッピーエンドっぽい雰囲気。エンドというよりフォーエバー?この話を読み終えたのは実は一カ月も前なんですけど、このラストは未だに余韻がありますねぇ。意外な余韻を残す終わり方です。最後まで読んで初めて、これはやはり今後も長く後世に残るファンタジーの名作なのだなと思いました。